海賊とよばれた男 上

著者 :
  • 講談社
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レビュー : 1156
  • Amazon.co.jp ・本 (386ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062175647

感想・レビュー・書評

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  • この物語に登場する男たちは実在した。

    最初のページの真ん中に刻まれている。
    緊張した空気を纏いながら幕が上がる感じがした。

    20世紀の産業を興し、人を狂わせ、戦争の火種となった巨大エネルギー・石油。その石油を武器に変えて世界と闘った男…出光興産の創業者・出光佐三をモデルにしたノンフィクション・ノベルである。

    話が進むにつれ、これは本当にあった話なのか、こんな判断ができる経営者がいたのかと驚嘆がつづく。

    主人公を支える社員、資金援者、妻の人生も凄まじい。
    特に妻 ユキの覚悟に心が引っ張られた。

    国の在り方を問い、国民の在り方を問う。
    そして戦争への深い哀しみが刻まれている。

    途中にゼロ戦の話が挟まれる。
    (あーきっと出てくるだろうな)という名が刻まれていた。

    上巻を読み終え、物語を楽しむというより歴史を受け入れなくてはいけない気持ちを感じつつ、下巻を手にする。

  • この本を挟んで、
    坂本龍馬と中岡慎太郎が
    談笑している画が浮かんだ。

    豪快に笑いながら龍馬が言う。
    「いいか、中岡。この海賊、実はな…
     ワシなんじゃよ♪」

  • 読んでよかった1冊です。
    社員を家族の様に愛し、また社員からも愛された男の話。

    読んでいてページをめくるごとに目頭が熱くなってきた。

    人を真剣に愛するからこそ、周りの人達もこの人の為な頑張れる。
    そう思わせるオーラが読んでいてヒシヒシと伝わってきました。

    「会社がなくなったら、君たちと一緒に乞食をしよう。」この言葉にグッときた。

    この人となら一緒に乞食をしても楽しいだろうな。それくらい惹きつけられた。

    何があってもこの本は残しておきます。

  • 「これは"0(ゼロ)"に連なる物語」、なんて見出しが似合いそうな。
    エビカツでお世話になっている方からお借りして、夢中で読んでしまいました。

    全てを失った夏、0を継いだ春、乾坤一擲の秋、そしてつないでいく冬、
    四季になぞらえての展開も、時代の流れとリンクしていて、入りやすく。

    そして、石油という"エネルギー資源"の大切さと呪縛、戦略性をあらためて。
    けだし、先の大東亜戦争は「資源戦争」であったのだと、実感。

    その資源問題は戦後になっても変わらずに、むしろ加速していきます。
    そして今再び、資源戦争の兆候も見え隠れし始めてもいますね。。

    これを念頭に、尖閣や竹島を読み解くに、単純な領土ではなく「資源」をキーワードにすると、
    それぞれが突っかかって来る理由も見えてくるのではないかと。

    そういった意味ではもう「戦後」ではないのでしょう。

    個人的には、人や食料も含めての、広義の資源を対象とした、
    「覇権と独占、そして収奪」という戦前の帝国主義が復権しつつあるとみています。

    閑話休題。

    さて肝心の本編ですが、出光興産の創始者「出光佐三氏」をモデルとしており、
    形式は架空の人物名でありながらも、日章丸事件はそのまま使われています。

    経済小説に分類されるとのことですが、歴史物語として読んでも面白い。
    途中、"0(ゼロ)"を感じることができるのもまた、なかなかに。

    "筋"を通すとはこういうことか、国を、人を愛するとはこういうことか、
    戦後、日本がどこかに置き忘れてきてしまった「価値観」がこれでもかと迫ってきます。

    信念を貫くに、相手を問わず、諦めることなく、天地に恥じることなく、
    そういった日本人の失われつつある心性を感じながら、読み進めました。

    そして、そんな出光氏(劇中は国岡氏)を偲んで一つの歌が残されています。

     国のため ひとよつらぬき 尽くしたる
           きみまた去りぬ さびしと思ふ

              (出光佐三逝く 三月七日 昭和天皇御製)

    この一事を見るだけでも、本当に日本を国を愛していたのだなと、実感できました。

    こういった逸話こそ、歴史教育の中で伝えられていくべきと思うのですが、
    不思議と戦後の話は省略されることが多いのではないでしょうか。

    これは、GHQの赤い部分の意向が強く働いた結果とも言われていて、
    それらが戦後に日教組や自治労との形をとって、侵食し続けている証左なんでしょう。

    確かに汎用的な評価が難しいとの側面はありますが、、
    現在を生きる者にとって、卑近の歴史こそ大事とも思います。

    それをしてこその、学問であり教育だよなぁと、あらためて実感です。
    ん、生涯学習との切口で、立ち向かってみようと感じた、そんな一冊。

  • 待ちに待った百田尚樹の新作!

    国岡鐵造。すごい男が居たものだ。戦後の動乱期、ひとりの馘首もならん…日本企業の経営者に聞かせたい言葉だ。社員を人財と考え、自己の利益よりも国益を優先させる姿勢は真の経営者だ。

    今の日本企業は、企業の存続のためにリストラと資産処分と企業の切り売りしか行ってないように見える。グローバルという流行りの言葉を使って、安価な労賃ばかりに目を向けた海外生産だけの戦略で、単に日本国内のものづくり文化を空洞化させているようだ。

    真のグローバリズムとは鐵造の経営姿勢を言うのではないだろうか。

    もともと日本は資源の乏しい国。先人達は知恵と努力で、ものづくり立国を創り上げて来た。鐵造もそんな先人のひとり。

    さて、下巻はどのように展開するのか楽しみだ。

    そして、零のサプライズプレゼント…うまい!

  • 私の住む街もほんの少し名前が登場するので読んでみた。
    やっぱり歴史を作っていく人には、
    それなりの支援者がいるのだな。
    日田がいなければ、国岡もあんなに大きくなっていただろうか。

    難しい言葉も多いから読み流す感じで、完全に理解しながら読んでるかはあやふやだけど、
    戦争の酷さを改めて感じたし、
    沢山の船が攻撃され海に沈んでいったのかと思うと悲しくなった。

    これからが山場、下巻も心して読もう。

  • 2018/4/29

    GHQの占領下におかれた戦後の日本。
    「われわれは戦争に負けたが、奴隷になったわけではない」
    敗戦直後、吉田茂の側近・白洲次郎が言ったとされる言葉の一つです。

    石油をめぐる、覇権争いが素人でもよく理解できました。
    それにしても、昔から日本人はよく働いたものである。が、遣り甲斐がありそう。

  • 百田尚樹の最新作にして2013年の本屋大賞受賞作。
    上巻は戦後の灰燼の中から復興を目指して立ち上がる「国岡商店」の面々が描かれる。その中には戦地から帰ってくる人たちもおり、中には会社に戻ろうとしないものもいたが、そういう人たちも含め主人公・国岡鐵造は家族同然として給料を払い、ただの一人として馘首しなかった。このエピソードだけでもぐっとくるものがあるのに、次々に待ち受ける困難の数々に果敢に挑戦し、打ち破っていく姿は喝采を送らずにいられない。
    もちろん、出光興産の創業者・出光佐三をモデルとしながらも当然そこには脚色がなされているだろうし、当人が本当にそこまで剛胆且つ実直な方だったのかはわからないが、戦後の日本人が幾多の困難を乗り越えて現在の日本を作り上げていったというのは紛れもない事実で、そうした反骨精神を持った日本人たちの象徴として著者は「国岡鐵造」という人物を作り上げたのかもしれない。
    下巻はいよいよ石油メジャーからの呪縛を解くことになる「日章丸事件」が描かれる。

  • 面白い。一気読み。日本の石油業界の成り立ち、セブンシスターズ、生産調整、石油危機、イラン情勢などを盛り込みながら主人公が既存業界と戦いながら民族系石油会社として生き残っていく姿を描いている。評判になるだけの内容であり、文句なく面白い!

  • 百田 尚樹
     講談社 (2012/7)


    ずっと読みたくて、でも図書館予約半年過ぎてもまだ
    そんな時友人が貸してくれた お~!

    かなりの脚色はあるのだろうが史実に基づいたノンフィクション
    ノンフィクションはあまり読まないのだが これは面白かった

    長編だが一気に読んだ

    社員への信頼が すごい
    常に前進する姿がすごい

    仙厓
    出光のカレンダーを見た 仙厓の水墨画
    あたたかくてユーモラス
    これを愛した人なんだね

    ≪ 愚痴をやめ 日本のために 突き進め ≫

著者プロフィール

百田 尚樹(ひゃくた なおき)
1956年生まれ、大阪府出身の放送作家・小説家。『探偵!ナイトスクープ』の放送作家として活躍。
50歳の時にはじめて執筆した『永遠の0(ゼロ)』で作家デビュー。ヒット作となり、映画化されている。
ボクシング青春小説『ボックス!』が第30回吉川英治文学新人賞候補、第6回本屋大賞の5位に選出され、映画化もされた。『海賊とよばれた男』で2013年本屋大賞大賞受賞。コミック化、映画化された。

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