0点主義 新しい知的生産の技術57

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  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (258ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062175838

作品紹介・あらすじ

競争なしで一人勝ちできる。人生が逆転する秘密の勉強法。

感想・レビュー・書評

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  • 中国の荘子にある「櫟社(れきしゃ)の散木」 役に立たなかったからこそ巨木になれた
    たんなる手段や道具としての「冷たい勉強法」ではなく「熱い勉強法」をめざそう。

    その通りだな。これからの時代、今までみたいに冷たい勉強法をやっていては、ますますコモデティティ化してしまい価値は生み出せない。

    そのためには、「HOW TOの勉強」でなく「WHYの勉強」、あえてする飛車角落ちの勉強で鍛える勝負強さ、ザディグにならったセレンディピティ勉強法、不人気なもの、悪食狙い、隙間狙い、並列感覚などなど。

    「わからないこと」を上辺だけで理解せずに、記憶という蔵の中にしまっておく。ためておく。
    「あきらめる」ことで新たな選択肢があらわれる。
    ~「成功したい」「お金持ちになりたい」「異性にモテたい」。多くの人が人生で叶えたい人気の高いベスト3を、思い切って外してみよう。~

    コツは簡単、「今やっていて、自分がおもしろいと感じるかどうか」を基準にする。
    ごはんを食べることも忘れて熱中することが、勉強の王道なのだ。

    まとめると、バカになってニッチをめざし、好きなことを続けるアマチュアになる為に世間並みはあきらめろ。
    来たる評価社会では、これが当たり前の態度、心がまえとなっていくだろう。

  • 荒俣さん、還暦を迎えて以降俄然輝きを増してきたなあ!と感じた一冊。どんなに嫌だと思う仕事を与えられても、それを楽しんじゃえ!という若き日のエピソードにグッときました。

  • 気負わずとも、これぞ我が座右ノ書、と云える。
    0点主義が文学部学生としてのレゾンデートルを補完する。

  • 夫に勧められて読んだ。読む前はなんだかよく分からないタイトルに怯んでいたけど、「はじめに」から面白くとても引き込まれた。
    これは大雑把に言えば、自分が納得できる人生を送るにはどうしたら良いかということが書いてある本。そのための勉強法が、具体例などとともに説得力を持って載っている。

    世間に惑わされず自分の興味をとことん掘り下げ、謙虚に生き、不利と思う状況でもプラスに変換する、人生を長い目で捉えるという様なこと。
    個人事業を行う上でもとても参考になることが多かったし、何より読みやすかった。著者のことをあまり知らないので、他の著作も是非読みたい。

  • すごい面白かった!
    一見矛盾しそうなことを、さらっと肚落ちする言葉で書いている。荒俣さん自身のことがオープンに書かれていて、とても親近感がわいた。

    失敗してもいい、好きなことにのめり込めば良い、苦手なことや嫌なこともとりあえず面白がってやってみたら良い。
    今までに自分が何となく思っていたこと、感じていたことをしっくりくる言葉で表現してくれている!

    「嫌われる勇気」にも通じる考え方が、あると感じた。

  • 好きでもない事を好きな事にする。そんな能力を身につければ、人生は楽しくなる。0点を恐れない。バカと思われても自分がしたいと思う事をやっていれば役に立つ事だってある。人生を前向きに生きていけば向こうから運がやってくる場合だってあるという事だ。

  • ラジオ版学問のススメ

  • 図書館

  •  「0点主義」とは、「点数という束縛から離れて、さまざまな知的関心を楽しく広げていくこと」だそうだ。
     いわく、「0点の成績をとりつづけることでたくわえられる『知の力』というものがあるのだ」と……。

     要は、“「テストでいい点を取る」などというつまらぬ目的で勉強をせず、自分が面白いと感ずることをどんどん勉強していけ。それを突きつめていけば、やがてひとかどの仕事ができる力が身につく”ということだろう(私なりに意訳)。

     なるほど、荒俣宏自身は、そうした知的探求をつづけて独自の地位を築いた人に違いない。
     本書はそのような、“好きな勉強を楽しみながらつづけ、大きな「知の力」をつける方法”を、さまざまな角度から説いたもの。

     以前、荒俣が会社員時代の昼休みの過ごし方を綴ったエッセイを読んで、強い印象を受けた。
     副業で翻訳の仕事をしていた彼は、1回の昼休みで1ページを訳すノルマを自らに課していたという。昼食もとらず、昼休みに一心に翻訳作業をする知的貪欲さに、感服したものだ。

     そういう人が書いた「知的生産の技術」なら、ためになりそうではないか。

     ただ、本書はかなり期待はずれ。
     「新しい知的生産の技術」と副題にはあるのに、書いてあることはどれも、技術以前の抽象的な「心構え」ばかり。そして、心構えとしても凡庸なアドバイスが多い。

     本書のメイン・メッセージともいうべき、「恐怖や強制のもとでする勉強は楽しくないし、身につかない。ごはんを食べることも忘れて熱中することが、勉強の王道なのだ」という主張は、そのとおりだと思う。
     言いかえれば、「フロー体験」に結びつく勉強こそが真の勉強だということだろう。

     だが、それはまあ、あたりまえの話だ。問題は、我々が日々要求される「勉強」が、夢中になれるものばかりではないということなのである。
     本書には“苦手な分野も心構え一つで楽しく勉強できる”というようなことも書いてあるが、あまり説得力がない。

     要するに、目先の利益に結びつかない分野でも一心不乱に勉強できること自体、荒俣に与えられた特異な才能なのだろう。したがって、本書は我々凡人にはあまり参考にならない。

  • 「批判的に本を読む」ことに利益はあるのか?など示唆に富む指摘多数。荒俣宏なので、その説得力は抜群。

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著者プロフィール

作家・翻訳家・博物学者。京都国際マンガミュージアム館長。
平井呈一に師事、平井から紹介された紀田順一郎とともに、怪奇幻想文学の日本での翻訳紹介に尽力。のち活動の幅を広げ、博物学をはじめとして多ジャンルにわたって活躍。
主な著書に『妖怪少年の日々』、『帝都物語』シリーズ(ともにKADOKAWA)、『世界大博物図鑑』(平凡社)、『サイエンス異人伝』(講談社)、『江戸の幽明』(朝日新書)など。『怪奇文学大山脈』Ⅰ~Ⅲ(東京創元社)を編纂。

「2021年 『平井呈一 生涯とその作品』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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