ローマ法王に米を食べさせた男 過疎の村を救ったスーパー公務員は何をしたか?

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  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (258ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062175913

感想・レビュー・書評

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  • 借りたもの。
    書いてあるあらゆるものが目から鱗だった。
    それは仕事の仕方であったり、着眼点であったり、行動力であったり……

    「既存のシステムややり方で何も改善されなかったのだから、次は失敗してもいいから別の方法をとる」
    当然といえばそうだが、これが現実世界ではどうにも難しく感じてしまう。

    昨今の自己啓発本やビジネス本に書いてあることを、本当の意味で実践し実現したビジネスモデルだと思った。
    「どうせ無理」「失敗したらどうするんだ」という声は、ただ不安なだけなのだと本質を突き、まず自身が動き、次に周りにはどうしたら行動するようになるのかをきちんと考えてこれも行動に移していらっしゃる。

    当たって砕けろ的な精神で、ニッチな部分を付いたり。時に勝算がある事も見据えて行動し、そこにはきちんと“根回し”している。

    正論・確実と思っていることが、現実では極論で返って不自由を招いている――読んでいてそれを気づかせてもくれる。
    今、“自然栽培”について著者は目を向けている。
    これは今後のご活躍も楽しみだ。

    著者は地方公務員であると同時に、住職であるから、ムラ社会の縁、信仰というか、メンタル的な拠り所に関する知識もお持ちだったので、こうした事ができたのだと思う。

  • 最初は、テレビドラマから、入った。如しこんなの作り話だと思っていたが、真実が、ベースと知り、驚いた。稟議書なしかー。凄い実は、責任を曖昧にし、共同責任にするのが、稟議書。やりますね〜。

  • スーパー公務員のドラマをみていたのですが、ドラマはやっぱり脚色されていますね。
    この本は、もうちょっと現実的で真面目な内容でした。
    限界集落に若者を呼ぶ
    農作物のブランド化
    この二点についてじっくりと書いてありました。
    もともとテレビの構成をされていた方なので、アイディアマンではあったのでしょうが、なにかをするとき、いつでも最低でも3つはアイディアを考えておく、というのがナルホドと思いました。
    確かに○○がだめだったら××にしよう、と初めから考えてあれば、うまくいかない局面があっても、すぐ次に取りかかれますものね。
    読んでためになりました。

  • すごい。行動力がすごい。
    どんな状況でも諦めない精神、幅広い知識に基づく考察、そして周りを巻き込む力。
    自分に無いものが多すぎて、自己嫌悪になる。
    でも、それ以上に、行動しようと思った。
    『可能性の無視は最大の悪策』と記載があったが、少しでも自分が良いなど思うことは、困難でもやってみよう。

  •  石川県羽咋市役所の職員の村おこしの実話。限界集落への若者の移住、地元米のブランド化、日本発の宇宙科学博物館の設立等々、その実績は正に「スーパー公務員」。しかし、いくらスーパー公務員でも一人で出来ることは限られる。彼がスーパーだったのは、役所の上司・市長、農協など関係機関、海外を含むマスコミ等々、力になれる人を味方にし「巻き込む力」や、様々なハプニングや修羅場をくぐり抜ける力ではないかと思う。また、彼が現職の僧侶であるというのも頷ける。困難に動じないところ、物事を達観して見る能力、人を惹きつける力、モノを言うのはやはり「人間力」か。
     その他、失敗から学ぶ、何より仕事を楽しむ、地元の魅力を発掘する、というところも見習うべき点だと感じた。
     役人は誰のために「役に立つ」のか?それは上司など内部の者に対してではなく、顧客たる市民に対してであるはず。…という大事なことを気付かせてくれた一冊である。

  • 過疎の村の再生に尽力した公務員の話。マスコミをうまく使い、失敗を恐れずに取り組むチャレンジ精神が素晴らしい。「烏帽子親農家制度」などの発想の原点は、「過疎の村には何もないのではなく、途方もなく強い教育力がある」という、書中の一言に集約されるかも。

  • 著者の事業推進力に感服いたしました。
    私も企画者として見習うべき心構えを数多く、学びました。

  • ドラマ「ナポレオンの村」の原作ということで読んでみました。

    地方の公務員が町おこしに大成功する、という話です。
    それも、ハンパなく成功します(笑)しかも実話です。

    この本はおもしろい!
    走りながら考える、とはこういうことか、とうならせてくれる本です。うまくいかなくないときには、土俵際での粘りがすごかったり、うまく方向転換したり、と感心させられます。

    自分ならばこんなことはできない、と反省させられると同時に、どうしたらこんな風にアクションできるようになるんだろう、と考えさせられます。

    ただ、半沢直樹のように、「本当にやっちゃうとまずい」といった行動がちらほらあります。真に受けすぎると危険かもしれない。

  • ちょっと押し付けがましいところがる文章だが、成し遂げたことは素晴らしい。こう云う方を雇ったと云うのがとても素晴らしい羽咋市。どうも同い年の方のようですが、これからも負けないように生きないと ^_^
    7月からこの話を原案にしたドラマが唐沢寿明さんでやるようで、この話をベースにどう云う話にしたのかは楽しみ。エッセンスをうまく拾ってくれてたらいいが・・・

  • 下手な小説よりもずっと面白かった!!

    定年まであと3年ある。犯罪以外ならすべての責任は俺がとってやる。
    もう、高野さんの上司がかっこよすぎる!

    高野さん自身もすごいけれども、文句言いながらもそれを許した市長さんとかも大物だと思う。

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著者プロフィール

1955年、石川県羽咋市生まれ。科学ジャーナリスト、日蓮宗妙法寺第四十一世住職、立正大学客員教授
テレビの企画構成作家として『11PM』『プレステージ』などを手がけた後、1984年に羽咋市役所臨時職員になり、NASAやロシア宇宙局から本物の帰還カプセル、ロケット等を買い付けて、宇宙科学博物館「コスモアイル羽咋」を造り、話題になる。1990年に正式に職員となり、2005年、農林水産課に勤務していた時に、過疎高齢化が問題となった同市神子原地区を、年間予算わずか60万円で立てなおすプロジェクトに着手。神子原米のブランド化とローマ法王への献上、Iターン若者の誘致、農家経営の直売所「神子の里」の開設による農家の高収入化などで4年後に“限界集落”からの脱却に成功させる。2011年より自然栽培米の実践にも着手。2016年4月から立正大学客員教授、新潟経営大学特別客員教授、妙成寺統括顧問や富山県氷見市で地方創生アドバイザーなどとしても活躍。著書に『ローマ法王に米を食べさせた男』(講談社+α新書)、『頭を下げない仕事術』(宝島社)。

「2016年 『日本農業再生論 「自然栽培」革命で日本は世界一になる!』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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