誰がための刃 レゾンデートル

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 276
感想 : 57
  • Amazon.co.jp ・本 (610ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062176026

作品紹介・あらすじ

自らが末期癌に冒されていることを知った若手の外科医、岬雄貴。自暴自棄となった彼は体を鍛え上げ街の不良を襲撃した!それがきっかけで連続殺人鬼「ジャック」と接触を持った雄貴は、彼の思想に感化されその共犯者に。が、暴漢に襲われていたところを偶然助けた少女、沙耶と心を通わすうちに自らの行動に苦悩し始める…。「ジャック」はなぜ殺人を繰り返すのか、少女はなぜ追われるのか!?残り少ない命をかけ、雄貴は少女のために戦いを挑む。第4回ばらのまち福山ミステリー文学新人賞受賞作。

感想・レビュー・書評

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  • 本書を知るきっかけがツイッター。@MIKITO_777
    ご本人自らフォローしていただいたのがきっかけでした。

    はじめはてっきり、読書好きなフォロアーさんのひとりくらいの
    認識しかなく、その後どうやら現役のお医者様だということ、
    もっというとご自身で執筆された著書があるということを、おいおい知ることとなりました。

    とりわけ、彼のつぶやきは現役医師という職業からくるエピソードに加え、
    その内容に、限られた行間に込められたユーモア(ときには手放しに笑ってはいけない内容も含まれますが)が巧みに含まれていて、それを毎回目にする毎に、いつしかどんな作品を書いたのか、とっても興味がありました。

    まとまった時間がとれたので、本日半日を費やして、一気読み敢行。
    これがデビュー作だとしたらすごいかも!
    普段はよほどのことでないと「ハードボイルド」と呼ばれる、このあたりのジャンルは手を出さないのですが、このきっかけはもらってよかったなと思いました。「ミステリー」としても秀作だと思います。なにしろこれがデビューだなんて、すごい!

    確かにおもしろかった!
    おもしろかったで済ますにはちょっと稚拙な表現ですが、
    数々のストーリーやそれに関連して、ご自身のお家芸(この表現はおかしいかもしれないが)ともいうべき医療の記述、どれもストーリーには必要で、かつ、専門用語もその状況が可視化できるようで、そこは現場を知っている著者だからこそ描けるのかな、と関心しかりでした。
    要所要所にちりばめられるラブストーリーも、
    わたしはこれくらいならアリかと思うし、
    それほど気になることもなく、ラストの件もありかな、と。

    とにかく、あれもこれも、最終的にはきれいに片付いた感はあるし、
    しいていえば、やはり斬られたり・撃たれたりする描写というものは、
    どうしてもエグいもので(苦笑)

    これを読んでふと、先日読んだ「悪の教典」を思い出してました。
    そう言えば、「J」は生い立ちに「父」の暴力という、絶対的なきっかけがあったけど、「悪の~」では両親から暴力を受けたわけでもなく、どちらかというと温和な両親からなぜ、あれほどまで残虐な行為に及ぶ青年と化してしまったのか。そこのところがこれを読むことによって、ふと浮き上がる疑問。

    それにしても「福山ミステリー文学賞」すごい!
    未だ観れてないが「少女たちの羅針盤」の原作も、
    第1回の優秀賞だったのか!
    大きな発見!

  • 末期癌を宣告された外科医の青年が、連続殺人犯に脅され共犯してしまうが、最終的に犯人と対決して、少女を救うというヒーロー的な小説。
    登場人物の一人の視点で話が進んでいき、最初は誰なのか、何故出てくるのかわならないが、後編ではその視点感が面白くて次々と読んでいった。

    けっこう殺人が頻発されてしまい、なかなか青年漫画的な要素が多い。
    ただ、次の物語が何か気になるので面白いことは間違いない。

    死に行く際に笑えた事が、その人の人生に価値があったと思えること。それが1番印象に残ったし、自分もそうでありたい。

  • 必殺仕事人ではないが、悪事を働いているが罰せられないものたちを処刑していく「ジャック」。
    鋭利な刃物で殺す事、名前から切り裂きジャックをイメージさせる。
    それに対し登場する癌が発見された医師。
    職業柄本人に対する告知などの経験はあるが、自分自身がそうなる事など想定もしておらず、残りわずかな命とどう向き合うのか思い悩む。

    正義をかざして悪事を働く事に共感はできないが、被害者が家族であったりすると、犯人に対するものの考え方としてはあり得るのかなぁとも思う。

    末期癌患者である主人公が、たまたま助けた女の子沙耶。
    ありえないが命を狙われているという事で、自宅に匿う。
    殺人鬼のなり損ないと、殺人犯に狙われる二人の共同生活か始まる。

    途中の展開はハラハラドキドキさせられる部分が多くあり、途中でやめられなくなる事必至。

    ラストは生というものに対する考えや、家族や愛する人を思う気持ち、自分自身のプライドに対する思いなど、心理描写がうまい。

    非常に切ないラストではあるが、勇気には幸せになってほしいと願う。

  • あまり期待しないで読み始めました。
    ・・・思った以上に面白かった。
    末期がんの症状や痛みを軽減する処置は、知らない方が良かったかも知れない。
    そういう意味ではとても怖い内容だった。
    この話に関しては、「事実は小説よりも奇なり」は当てはまらないと思う。
    いや、あるかな?

  • テレビドラマとか映像娯楽向けのストーリーだったかな

  •  末期癌で余命わずかの人生で奇跡のように巡り合った生きがいのために、自分のアイデンティティを賭けて守るために、文字通り命がけでたった一人で悪鬼に立ち向かう。いやあ絵に描いたようなハードボイルド。また時間との戦いはサスペンスでもあり謎の切り裂きジャックの犯人あてのミステリでもある。これでもかというくらいなんでもかんでもてんこ盛り。飽きさせないというかたるんでるヒマがないのはいいが、ちょっと詰め込み過ぎじゃないかな。そして真犯人の正体とか最後の戦いとかエピローグのひとコマとかがあまりにステレオタイプで予定調和もきわまれり。がんばってるのはわかるけど、肩に力が入り過ぎ。しかし、まあなんだな。別の角度から一口でこの作品を評するなら、どうしようもないくらいベタ甘の純愛小説だ。そうぼくの大好きなやつ。直球ど真ん中。それが照れくさくて仕方ないからこんな悪態をついているわけだ(笑)。

  • 突然癌患者になった主人公が
    ジャック、沙耶と関わり合いながら生を全うしていく。

    ただ沙耶という人物が都合良すぎる。
    ジャックが殺人者となった理由は理解できるが
    最後の方はグダグダになっていた。

    情報提供の方法も都合が良すぎて
    なんとなくしっくり来なかった。

  • ミステリーかと思ったら、バイオレンスだった。

    「仮面病棟」「時限病棟」が結構好みだったので、
    あらすじも全く知らずに読んでみました。

    余命数ヶ月の医師が、連続殺人鬼の相棒として選ばれ…っていうサスペンスというか、バイオレンスの色が強いかな。

    最初は、場面転換が激しくて入りにくかったけど、
    中盤からは結構スラスラと読めて、
    最後は血がドバーっと出ます。

    余談ですが、著者はお医者さんらしく、
    医療系の難しい単語が一杯出てきます。
    (無駄に多くてほぼ読み飛ばしましたが…)

    人に薦めるかは微妙ですが、そんなに悪くないと思う。
    (個人的にこの人の本は相性がいいような気がする…)

    医療系というより、バイオレンスを求める人の方が合っているような気がします。

    まあまあオススメです。

  • 細かいツッコミは入るものの、疾走感であっという間に読み終えた。他の作品も読みたい。

  • ハードボイルド感満載。先が読みたくてついつい夜更かししてしまった。

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著者プロフィール

1978年、沖縄県生まれ。東京都在住。東京慈恵会医科大学卒、日本内科学会認定医。2011年、第4回島田荘司選ばらのまち福山ミステリー文学新人賞を『レゾン・デートル』で受賞。12年、同作を改題、『誰がための刃』で作家デビュー(19年『レゾンデートル』として文庫化)。「天久鷹央」シリーズが人気を博し、15年『仮面病棟』が啓文堂文庫大賞を受賞、ベストセラーに。『崩れる脳を抱きしめて』『ひとつむぎの手』『ムゲンのi(上・下)』で、18年、19年、20年本屋大賞連続ノミネート。『優しい死神の飼い方』『時限病棟』『リアルフェイス』『レフトハンド・ブラザーフッド』『誘拐遊戯』『十字架のカルテ』『傷痕のメッセージ』など著書多数。今もっとも多くの読者に支持される、最注目のミステリー作家。

「2021年 『硝子の塔の殺人』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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