- Amazon.co.jp ・本 (610ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062176026
作品紹介・あらすじ
自らが末期癌に冒されていることを知った若手の外科医、岬雄貴。自暴自棄となった彼は体を鍛え上げ街の不良を襲撃した!それがきっかけで連続殺人鬼「ジャック」と接触を持った雄貴は、彼の思想に感化されその共犯者に。が、暴漢に襲われていたところを偶然助けた少女、沙耶と心を通わすうちに自らの行動に苦悩し始める…。「ジャック」はなぜ殺人を繰り返すのか、少女はなぜ追われるのか!?残り少ない命をかけ、雄貴は少女のために戦いを挑む。第4回ばらのまち福山ミステリー文学新人賞受賞作。
感想・レビュー・書評
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必殺仕事人ではないが、悪事を働いているが罰せられないものたちを処刑していく「ジャック」。
鋭利な刃物で殺す事、名前から切り裂きジャックをイメージさせる。
それに対し登場する癌が発見された医師。
職業柄本人に対する告知などの経験はあるが、自分自身がそうなる事など想定もしておらず、残りわずかな命とどう向き合うのか思い悩む。
正義をかざして悪事を働く事に共感はできないが、被害者が家族であったりすると、犯人に対するものの考え方としてはあり得るのかなぁとも思う。
末期癌患者である主人公が、たまたま助けた女の子沙耶。
ありえないが命を狙われているという事で、自宅に匿う。
殺人鬼のなり損ないと、殺人犯に狙われる二人の共同生活か始まる。
途中の展開はハラハラドキドキさせられる部分が多くあり、途中でやめられなくなる事必至。
ラストは生というものに対する考えや、家族や愛する人を思う気持ち、自分自身のプライドに対する思いなど、心理描写がうまい。
非常に切ないラストではあるが、勇気には幸せになってほしいと願う。 -
あまり期待しないで読み始めました。
・・・思った以上に面白かった。
末期がんの症状や痛みを軽減する処置は、知らない方が良かったかも知れない。
そういう意味ではとても怖い内容だった。
この話に関しては、「事実は小説よりも奇なり」は当てはまらないと思う。
いや、あるかな? -
テレビドラマとか映像娯楽向けのストーリーだったかな
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末期癌で余命わずかの人生で奇跡のように巡り合った生きがいのために、自分のアイデンティティを賭けて守るために、文字通り命がけでたった一人で悪鬼に立ち向かう。いやあ絵に描いたようなハードボイルド。また時間との戦いはサスペンスでもあり謎の切り裂きジャックの犯人あてのミステリでもある。これでもかというくらいなんでもかんでもてんこ盛り。飽きさせないというかたるんでるヒマがないのはいいが、ちょっと詰め込み過ぎじゃないかな。そして真犯人の正体とか最後の戦いとかエピローグのひとコマとかがあまりにステレオタイプで予定調和もきわまれり。がんばってるのはわかるけど、肩に力が入り過ぎ。しかし、まあなんだな。別の角度から一口でこの作品を評するなら、どうしようもないくらいベタ甘の純愛小説だ。そうぼくの大好きなやつ。直球ど真ん中。それが照れくさくて仕方ないからこんな悪態をついているわけだ(笑)。
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突然癌患者になった主人公が
ジャック、沙耶と関わり合いながら生を全うしていく。
ただ沙耶という人物が都合良すぎる。
ジャックが殺人者となった理由は理解できるが
最後の方はグダグダになっていた。
情報提供の方法も都合が良すぎて
なんとなくしっくり来なかった。 -
ミステリーかと思ったら、バイオレンスだった。
「仮面病棟」「時限病棟」が結構好みだったので、
あらすじも全く知らずに読んでみました。
余命数ヶ月の医師が、連続殺人鬼の相棒として選ばれ…っていうサスペンスというか、バイオレンスの色が強いかな。
最初は、場面転換が激しくて入りにくかったけど、
中盤からは結構スラスラと読めて、
最後は血がドバーっと出ます。
余談ですが、著者はお医者さんらしく、
医療系の難しい単語が一杯出てきます。
(無駄に多くてほぼ読み飛ばしましたが…)
人に薦めるかは微妙ですが、そんなに悪くないと思う。
(個人的にこの人の本は相性がいいような気がする…)
医療系というより、バイオレンスを求める人の方が合っているような気がします。
まあまあオススメです。 -
細かいツッコミは入るものの、疾走感であっという間に読み終えた。他の作品も読みたい。
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ハードボイルド感満載。先が読みたくてついつい夜更かししてしまった。