叛鬼

著者 :
  • 講談社
3.37
  • (6)
  • (12)
  • (21)
  • (7)
  • (0)
本棚登録 : 89
感想 : 14
  • Amazon.co.jp ・本 (282ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062176163

作品紹介・あらすじ

好かぬ小僧だ-。関東管領を継いだ上杉顕定を一目見て、景春は思った。腹悪しき主君との軋轢は深まり、やがて叛旗を翻した景春は、下剋上を果たす。長きにわたる戦いの幕が、ここに切って落とされた。対するは、かつて兄と慕った巨人・太田道潅。さらには、駿河で勃興する新世代の雄・北条早雲も動き出す。叛乱に次ぐ叛乱は、新たな時代の創始者たちを呼び覚ましていく-。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 長尾景春。白井長尾氏の長尾景信の子として生まれる。白井長尾家は、山内上杉家の家宰を務めてから筆頭家老となり、父も家宰として勢力を伸ばした。
    力を持つ白井長尾家を抑えようとする山内上杉家当主・上杉顕定と対立し、長尾景春は反乱をおこす。
    扇谷上杉家の家宰・太田道灌とも死闘を繰り返し、関東一円に争乱を引き起こす。

    景春が数十年にわたって反乱を続けたことは、結果として関東における上杉氏の勢力を大いに衰退させることに繋がった。北条早雲は景春を「武略・知略に優れた勇士」として賞賛したという。

  • 「叛鬼」(伊東 潤)を読んだ。
    ただひたすら己れの信念を貫いて戦い続けた『長尾景春』。ある意味「天に選ばれし武者」と言えるのかもしれない。
    背景にある『応仁の乱』もそうだけど、この時代の長尾だの上杉だのって複雑過ぎなんだよな。(笑)
    このところ伊東さんと天野さん交互に読んでる。

  • 2019.6.8完了
    平日仕事をしながらなのに2日で読んでしまった。
    それぐらい興味惹かれた、面白かった。
    同じ作家でも、死んでたまるか、のような入ってこない作品もあればこのような作品もある。
    本選びは難しい。

  • 普段、通勤時間に1週間で読めるのに、2週間半かかってしまった。室町後期というか戦国時代初期は、細々こまごま、似たような且つ、聞き覚えのない名前がたくさん出てきて、さらにそれぞれが複雑な人間関係と入り組んだ一族の関わりを持っていて、それを把握することでいっぱいいっぱいになってしまう。
    やっぱりこの時代は苦手というか、大局の中で個人を追うのはだいぶ辛い。
    しかも、この主人公の長尾景春が、なんだかもう後半からひっちゃかめっちゃかで、思い入れも何もなくなってしまった。
    読み終えたオレに乾杯。

  • 関東管領・山内上杉家家宰長尾景春の波乱に満ちた一代記。越後より迎え入れられた当主上杉顕定との確執、そしてこの時代に叛旗を翻すも太田道灌の計略により再三に渡り敗れ、領土を失い、妻子とも生き別れ。度重なる戦の敗因が「私怨」によるものである反面、景春が「鬼」となるまで支えたのも顕定への「私怨」だった。この時代は日本史でもあまり習った記憶がなく、「応仁の乱」の次は群雄割拠の時代にすっ飛んだ気がする。なので、全くと言っていいほど知らなかったが、こんな物語があったとは。十分楽しめたけど、登場人物が多く、背景が複雑。

  • 時は室町中期、幕府の体制が崩れ世の中が混乱を極める時代。旧体制維持か、民のため下克上に活路を見出すか?舞台は関東。江戸城を最初に築城したことで名高い太田道灌に連戦連敗し、幾度となく死の淵に追い詰められた長尾景春が主人公。何度も再起を図る己の信念の根底にあるのは民との信頼関係。私怨と私欲が渦巻く時代を泥臭く生きた景春の人生に鮮やかにスポットライトを灯した切れの良い作品。読みどころは、史書が少なく歴史小説にとって空白となっていた、江戸城を始め、丸子、小机、世田谷、練馬、川越等々要所となる古城の役割や様を見事に浮かび上がらせたこと。敗者に学ぶ、時代の破壊者の生き様!

  •  図書館より
     室町終盤から戦国初期、主君に反旗を翻した長尾景春の一生を描いた歴史小説。

     さまざまな運命のめぐりあわせ、自らの正義を懸け主君に背く覚悟を決める景春の姿は読みごたえがあります。というのも当時の戦乱の時代は下剋上という概念も一般的でなく、主君に 背くことは正しいことなのか、という葛藤は思った以上に強いらしいのです。

     さらに親子の決戦、武将同士の粋なやり取りもしっかり読ませる筆力があります。

     一方で物足りなかったのは史料の羅列のような戦闘の推移の文章が多く、またそれが中盤のほとんどを占めたことでしょうか。ページ数があまり多くなかったため、あまりそういう場面にページが割けなかったのだとは思うのですが、中盤が盛り上がりに欠け読みにくかった印象がありました。

  • 下克上に身を投じたのに享年72とは、えらい長生き。
    http://blogs.yahoo.co.jp/rrqnn187/10896063.html

  • 主人公は長尾景春で、長尾景春の乱から、生涯を閉じるまでについて、描かれています。 太田道灌は長尾景春の兄弟子でありましたが、反乱後はよきライバルというか圧倒的なライバルとして立ちはだかります。

    二人は生き方も違っていて、あくまで下剋上など認めない太田道灌に対して、民のことを考えた政治を行うためであれば下剋上もやむなしというのが長尾景春の考え。

    公方を争う足利家、関東管領を争う上杉家、そして、その各上杉家の重臣である長尾家や太田家やら、この時代は登場人物が多くて、読むのが大変ですね。

    ↓ ブログも書きました
    http://fuji2000.cocolog-nifty.com/blog/2013/02/post-fa21.html

  •  長尾景春の生涯を描いた。
     負けても負けても再起する、不屈の武将。

     時代は「早雲の軍配者」の少し前。北条早雲がまだ、伊勢宗瑞と名乗っていた頃。早雲の描き方や、戦国時代の覇権者の描き方については富樫倫太郎と同じなので、安心して読めた。

     「早雲の軍配者」をもう一度読み返したくなった。

全14件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

伊東潤

一九六〇年、横浜市生まれ。早稲田大学社会科学部卒業。外資系企業に勤務後、経営コンサルタントを経て二〇〇七年、『武田家滅亡』(KADOKAWA)でデビュー。『国を蹴った男』(講談社)で第三十四回吉川英治文学新人賞を、『巨鯨の海』(光文社)で第四回山田風太郎賞を受賞。そのほか文学賞多数受賞。最新作に『琉球警察』(角川春樹事務所)がある。

「2021年 『戦国鬼譚 惨』 で使われていた紹介文から引用しています。」

伊東潤の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

ツイートする
×