- Amazon.co.jp ・本 (290ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062176392
作品紹介・あらすじ
「定吉七番」-大阪商工会議所秘密会所所属の情報部員、「殺人許可証を持つ丁稚」である。八つ接のハンチング、唐桟のお仕着せに前垂れかけて、愛用の包丁「富士見西行」を懐に、関西経済界の破壊を目論む悪の結社「NATTO」(汎関東主義秘密結社)に、再び挑む。日本中を熱狂させた伝説のシリーズが、四半世紀ぶりに復活。爆笑必至のスパイアクションコメディ。
感想・レビュー・書評
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以前「小説現代」で第1話を立ち読みして,気にはなっていたのが単行本化されていた。話はむちゃくちゃでばかばかしいけど楽しい。
二十数年前,大阪商工会議所秘密会所(OSK)は納豆カルト集団NATTOと抗争していた。当時スイスで氷河に落ちて氷漬けになったOSKの殺人丁稚「定吉七番」が回収され,解凍されることになる。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
定吉七番シリーズの続編。前作から四半世紀ぶりの復活。
文字通り、大阪商工会議所秘密会所所属の情報部員、「殺人許可証を持つ丁稚」である定吉が、四半世紀ぶりに冷凍マンモス状態から現代に復活する。最初から最後までふざけた設定。人によっては途中で放り投げたくなるかもしれないが、私自身はこういうのも嫌いではない。恐らく、自分が、現在関西から離れて住む関西人だからカナ。ハチャメチャな設定、ストーリーの中にどこか懐かしい関西のノリが散りばめられ、子供の頃から慣れ親しんだ感覚が呼び起こされる。
私はこのシリーズを初めて読むが、特に前作未読でも困ることはなかった。もちろん、シリーズ読者ならもっと楽しめたかもしれないが。次回の予告らしきものがあったが、また続きがありそう??次作があるなら、また読んでみたい。
しかし、いくらパロディとは言え、モデルとなった著名人の扱い方が露骨で、正直このまま出して大丈夫なのかなと心配になった(苦笑)。まぁ、そこが面白いんですけど。 -
東郷 隆の作品にこんなカテゴリーがあったなんてと言うのが、感想です。
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殺人許可証を持つ丁稚「定吉七番」。
このシリーズは子供のころ読んだことがあったが、当時は面白さがわからなかった。
復刊かと思いきやこの本は新作で、二十数年前にアルプスに消えた定吉が氷の中から復活して現代に蘇るという話。
話はハチャメチャ。でも笑える中にも真面目な蘊蓄がちりばめられていたりして妙な面白さがある。後半はどんどんカオスが加速してラストはもうどうでもよくなってくる感じだが、こんなのもありかな。 -
25年ぶりの定吉七番の新作
角川最終巻の太閤殿下の定吉七番は昭和63年であった
往年のシリーズが復活すると往々にして作者の作風が違ってしまい失望することになるが、今回はその失望は少なかった
博覧強記な(言い換えれば薀蓄だらけの)描写がもたらす無駄にリアルな感覚と荒唐無稽さが織りなすカオスさが定吉七番の魅力である
起こっていることはグチャグチャでも一歩引いた所から語られる冷徹さは変わっていなかった
惜しむらくは初期作品に見られるドライブ感にかける点か
登場人物とエピソードが多すぎて散漫になっている