- Amazon.co.jp ・本 (258ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062176453
作品紹介・あらすじ
「コミュニティ・マヒトツ」-独立行政法人・日本レアメタル機構の設立とともに造られたこの施設は、"レアメタル生成症候群"の少女たちが暮らす場所。脇腹からジスプロシウムを生成する少女・冴矢は、その境遇と、死ぬまでの運命が決まってしまったことを呪い、半ば自暴自棄な日々を送っていた。一方、施設の職員である中年男の江波は、そんな彼女に、施設で起きたある事件の参考人として、協力を依頼することになる。次第に距離が縮まってゆく二人だったが、やがて、お互いの人生、ひいてはコミュニティすべての命運を左右する大きな決断を迫られることになるのだった-。
感想・レビュー・書評
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体の一部からレアメタルを生成することができる少女。レアメタルを生成する少女たちは1か所に集められ国の為に体から出るレアメタルを捧げる。少女たちはどんなに長くて生きても26歳の誕生日を迎えることなく死んでしまう。キラキラ装丁の可愛さに騙されるなかれ。結構なバッドエンドが待っている。辛すぎる結末。あの子があんな子だったなんてなー…。あのアイテムがそんな意味を持ってたなんてなー。2012/517
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話の中程からぐいぐいと物語に引き込まれていき、一気に読みきってしまいました。
レアメタルを生成するかわりに25歳までしかいきられないという儚さが、悲しくもあり、美しく感じました。
最後に宿った小さな希望がどのようになっていくのか、気になります。 -
悲しくて現実的な話。物語だからってなんでもかんでも都合がよくいくわけじゃない、ってところがよかった。最後の最後に見えた一縷の希望がこれからどうなっていくのかとてもたのしみ。
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レアメタル、レアアースを突然身体から「産出」するようになった少女たちと、彼女たちをとりまく人々を描いたものです。素直に読めば純愛物語であり、結婚とは、家族とは何か、を考えさせられます。裏に秘められたものを探れば、少女たちは「母なる大地」です。本来は生命をはぐくむ存在でありながら、金属を産出するためだけに生かされ管理される。25歳で死ぬさだめを負う少女たちは、母なる大地の苦しみを示しているように思われます。哀しくもせつなく、でも少しだけ希望が感じられる物語です。
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体からレアメタルが生えてくる少女が日本各地で現れて、それを集めた施設が作られた……という話。最終的には少女とおっさんの純愛。そして終わり方に涙。
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体内から「希土類」を産む少女と、彼女たちを管理する国の役人のおっさんの、恋愛ストーリー……になるのかな、結果的には。
恋愛部分は、王道過ぎて面白くないが、ストーリーそのものは、なかなか面白かった。