HOPE 311 陽、また昇る

  • 講談社
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本棚登録 : 25
感想 : 2
  • Amazon.co.jp ・本 (118ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062176460

作品紹介・あらすじ

この写真集が教えてくれることは、とてもシンプルだ。「生きてる、って素晴らしい。」――小山薫堂

なんと礼儀正しく、強い人々なのだろう。そうした東北の精神性を人間の誇りとして、世界に発信すべきだと強く思った。――(ハービー・山口)

感想・レビュー・書評

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  • 震災を記録した写真集を1冊ほしいなあと、前から思っていました。
    どれにしようかと、いろいろと探していたんですが、なかなかしっくりくるものがありません。
    でも、ようやく、「これだ!」と思えるものに出会えました。

    あのどうしようもない悲劇の中、こういう写真集を作ってくれたことが、すごく嬉しい。

  • ハービーさんの写真を見ていて、いつも感じるのは「臨場感」だ。
    その場にいるような臨場感に、いつも包まれる。
    撮った瞬間のその場の「音」や「空気感」や「思い」が伝わってくる感じだ。
    「撮った前後にどんなことが起きたのか?」そんなことも無理なく自然に感じられる。

    この3.11直後の人々を撮った写真集も、ハービーさんの優しさと信念のフィルターを通して臨場感たっぷりにHappy!!を運んでくれる。
    そして、今回の写真集はいつものハービーさんの写真集から感じられる「優しさ」や「Happy!!」だけでなく、僕らに『勇気』を与えてくれる。
    臨場感がある分、写っている人たちの抱えている厳しい現実もその場にいるかのように伝わってくる。
    写真から、多くの(厳しく残酷な)現実やストーリーが伝わってくる。
    悲惨な写真はほとんどないのに、静かに伝わってくるんだ。

    厳しく残酷な現実の真っ只中にいることに違いないのに、写っている多くの人々からはポジティブなエネルギーが伝わってくる。
    前向きに生きてようとしている人たち、現実を淡々と受け止めて当たり前のように生活している人たち、そこには「愚痴」や「言い訳」や「不平・不満」や「怒り」のようなネガティブなエネルギーよりも、「笑顔」や「涙」や「素顔」からポジティブなエネルギーが強く自然に伝わってくる。
    「笑顔」や「涙」や「素顔」の裏に、家族や友達を亡くしたり、
    家がなくなったり、厳しい生活を強いられていることを僕らは知っているから、余計に強い感動と勇気が湧いてくる。
    そうした「姿」に、「笑顔」に、「涙」に、「生活の一コマ」に、僕は強く胸を打たれる。

    ハービーさんのトークショーで、これらの写真を使ったスライドショーを見た。
    Sid ViciousのMy Wayをバックにしたスライドショーを見ていると、涙が止まらなくなった。
    悲しさや辛さでない、「不思議な感動の嵐」に包まれたのだ。
    まさに「人が人を好きなるような写真を撮りたい」というハービーさんの思いが伝わってくる写真の数々なのです。

    この写真集は、「こういう状況の中で、ちゃんと人に向き合って撮るのはハービーさんだと思うから・・・」という誘いを受けて、俳優の渡辺謙さんたちと被災地に行って撮ったものらしい。
    震災を撮った写真や写真集を多く目にしたけれど、それらのどれからも感じられなかった特別なものがこの写真集から伝わってくる。

    被災地で最初に40人ほどの漁師さん達に出会ったとき、こういう厳しい現実の中で生きている人には「全人格をぶつけるしかない」と思って話しかけたとハービーさんは言っていた。
    この写真にはハービーさんがぶつけた全人格が、被写体の人たちの強いポジティブなエネルギーと絡み合ったのがこの写真集だ。

    とにかく素晴らしい写真集です。
    是非、一度手にとって見て下さい。
     

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著者プロフィール

写真家。1950年、東京都出身。大学卒業後の1973年にロンドンに渡り10年間を過ごす。パンクロックやニューウエーブのムーブメントに遭遇し、デビュー前のボーイ・ジョージとルームシェアをするなど、ロンドンが最もエキサイティングだった時代を体験する。帰国後も福山雅治をはじめ、国内外の多くのアーティストたちとのコラボレーションを行いながら、常に市井の人々にカメラを向け続けている。主な写真集に『LONDON』、『HOPE』、『新編 代官山17番地』ほか。

「2021年 『HOPE 2020- 変わらない日常と明日への言葉』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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