言霊たちの夜

著者 :
  • 講談社
2.82
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本棚登録 : 117
感想 : 29
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  • Amazon.co.jp ・本 (258ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062176620

作品紹介・あらすじ

大手ゼネコンに勤務する田中は、学生時代にボクシングをしていたせいか、耳の聞こえが悪い。そのため誤解から家を出た恋人の友人宅に電話をしても、「嫁は寄生虫」「ひがんで実家に帰っている」などと聞き違えてしまう。そして同じ時間、同じ場所に、やはり勘違いの甚だしい自称・カリスマ日本語教師がいた……。彼らの言動が、取り返しのつかない大惨事へ――。

感想・レビュー・書評

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  • これまでの深水作品とは大きく雰囲気を変えたユーモア感覚あふれる非ミステリ短篇集。次から次へと繰り出される言葉遊びがくだらないけど、いやくだらないからこそ面白い。読んでる最中ニヤニヤしっぱなし。お気に入りはやっぱり「鬼八先生のワープロ」かな。

  • 平凡なサラリーマンだった主人公が、同僚との電話中に急に怒って飛び出して行った彼女を追って外に出たが、テロリストとして指名手配される羽目に・・・
    言葉の間違いによって巻き起こる騒動を描いた4作の短編。

     聞き間違いに焦点を当てた『漢は黙って勘違い』
    同音異義語が多い日本語ならではなのだろうが、ちょっと無理やりなものも多い、というかくどい。なのに肝心の犯人にされる理由は現場での不審行動なの?そここそ絶妙な聞き違いをいれてほしかった。
     日本語訳の難しさを描く『ビバ日本語!』
    こんないい加減な日本語講師嫌だな・・・。
     変換ミスの『鬼八先生のワープロ』
    予測変換による誤変換。これは経験ある。が、下ネタ系が延々と続く話に途中で辟易してしまった。
     過剰な演出を盛大に皮肉る『情緒過多涙腺刺激性言語免疫不全症候群』
     言いたいことは分かる、途中までは。全編通してとにかくくどい。主人公自身が過剰なのは盛大な皮肉か?

  • 言葉の聞き間違いや勘違いによって事件が発生するというお話です。
    以下の4つの短編をまとめたものです。
    第一編 漢(おとこ)は黙って勘違い メフィスト2011年Vol.2
    第二編 ビバ日本語!       メフィスト2011年Vol.3
    第三編 鬼八先生のワープロ          書き下ろし
    第四編 情緒過多涙腺刺激性言語免疫不全症候群 書き下ろし
    https://www.honzuki.jp/book/194968/review/283954/

  • (`・ω・Ⅲ)

  • 誤変換はともかく、聞いている言葉をあのように全く別の言葉と受け取るにはイントネーションの関係で無理じゃないのか、と思える部分はありましたが、元の言葉を想像しながら読んだり、少しずつリンクしている世界観を楽しんだりと、ところどころで実際に笑ってしまいながら楽しんで読めました。ラストの一話は同じように楽しめる話ですが実際は奥深く、考えさせられるものがありました。

  • だいぶくだらなくて疲れた!
    最後の話にはやや賛同するけど。

  • 同音異義語の勘違いや変換ミスなど、言葉にまつわる作品が四編。
    日常的にありそうな言葉の間違いも、ここまでくればもはやコントのよう。
    話は終始通じていないのに、会話が成立しているようにみえるのが面白いですね。
    読む人によってはバカバカしいの一言で終わってしまうかもしれませんが、エキセントリックな笑いの中に、言葉に対する造詣の深さがうかがえる作品集だと思います。

  • 発想と文章力が相変わらず凄い作家さん。
    ただ、ツボには入らなかったなぁ。

  • まあ・・・なんというか、一本目の短編を読んで「はは」と。で二本目読んで・・・え?このノリで最後までいくの?と。いい意味でも悪い意味でも馬鹿馬鹿しくてしょうもない一冊。
    「鬼八先生のワープロ」の話に至っては「くっだらねえww」の一言。

    なんか言葉遊びが清水義範の本みたいだな。。

  • 言葉遊びでここまでの連作ができるのはすごいなぁ。群像劇だと気づいたのは、途中まで読み進めてからだけど。内容はさらっと流れていって、特にどこが印象的とかはないんだけど、第1章の言葉遊びの結末だけは記憶にのこる。

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著者プロフィール

1963年、山形県生まれ。2007年に『ウルチモ・トルッコ』で第36回メフィスト賞を受賞してデビュー。2011年に短篇「人間の尊厳と八〇〇メートル」で、第64回日本推理作家協会賞を受賞。2014年、『最後のトリック』(『ウルチモ・トルッコ』を改題)がベストセラーとなる。2015年刊『ミステリー・アリーナ』で同年の「本格ミステリ・ベスト10」第1位、「このミステリーがすごい!」6位、「週刊文春ミステリーベスト10」4位となる。

「2021年 『虚像のアラベスク』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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