15歳の寺子屋 ゴリラは語る

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 118
感想 : 16
  • Amazon.co.jp ・本 (98ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062176804

作品紹介・あらすじ

自分の姿をじっくり見るには、鏡が必要です。同じように、人間がどういう生き物なのかを知りたいときに、よき鏡となってくれるのが、ぼくたちと祖先を同じくしているゴリラなのです。恋と友情の間で悩むのは、なぜ?家族の役割って、なに?戦争をするのは、なぜ?自然が必要なのは、なぜ?そんな難しい問いに、ゴリラはヒントをくれます。ゴリラたちの姿を通して、世界の見え方が変わる体験をしてみませんか?ゴリラの家にホームステイしてだいじなことを教わりました。

感想・レビュー・書評

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  • *推薦者 (農教) K.H
    *推薦文 ゴリラの家にホームステイした?研究者の熱さが伝わってきます。15歳の…とついていると手に取るのを躊躇してしまうかもしれませんが,逆にそれだからこそ,著者の思いがストレートに伝わってきます。自分ってどんな人間?って悩んでいる時には、他の霊長類から見るとヒトってどんな?と考えると教わる事が多いようです。
    *所蔵情報 http://opac.lib.utsunomiya-u.ac.jp/webopac/catdbl.do?pkey=BB00326171&initFlg=_RESULT_SET_NOTBIB

  • 初めて読む山極先生の本として、わかりやすくまとまっている。

    私が読んで思うのは、ゴリラって優しいってこと。人間より圧倒的に体格、力ともに上だけど、敵に対して警告はしても、いきなり致命傷を与えるような攻撃はしない。人間は残念ながらいきなり発砲したり切りつけたりする者がいる。それどころか直接自分に害を与えない人間さえ殺すことがある。
    「でも、彼らと共通の先祖を持っている人間も、かつては当たり前のようにいろんな生き物たちと、森でいっしょに暮していました。だから、敵と思えるような悪さをする動物とも共存できることを忘れてしまっているだけで、人間も本当はそういう心を持っているはずだと、ぼくは思うのです。」(p29)

    ゴリラの日常は(人間に脅かされない限り)非常に平和で満ち足りている。
    朝起きると食べものを探し、朝食。そのあとは遊んで、昼寝。夕方に木の枝や葉っぱでねぐらを作って寝る。子どもは大人に甘えたり叱られたりしながら社会性を学び、親はうまく子離れをする。読んでたら、ああ私もこういうゴリラ社会でゴリラとして暮らしたい、と思ってしまった。しかし、もちろん他の動物、とくに人間に脅かされることはある。密猟者にいきなり銃で撃たれたり、命を支える森を伐採されたり焼き払われたりすることもあるから、完全に幸せなゴリラ生っていうのも少ないのだろう。

    言葉を使わず気持ちが通じ合える集団は人も類人猿も10~15人(頭)というのも面白い。これはスポーツチームの人数とほぼ等しい。(p54)顔と名前が一致するのは150人くらいまでで、これは狩猟採集民の共同体の人数。これを超えた人数と交流できるのは「言葉」があるから。(もちろん書き言葉の役割は大きい)しかしそれによって、個々の関りは希薄になる。

    戦争の原因を考えるところ(p75~)も、子どもにとって刺激的な学びとなると思う。

    ダイアン・フォッシーとの交流についても書かれていた。彼女のことは『サルなりに思い出すことなど』で人となりと研究者としてどうだったかが(愛情をこめて)書いてあったことを思い出した。

    ジェンダー的に気になるところがちょっとあったが。

  •  数年前に、土曜の午後のラジオを聞いていたら、山極先生がゲストで話をされていた。ゴリラの群れにとけこんで調査をしていて顔見知りになったゴリラと、その数年(十数年?)後に再会したときに、山極先生だけでなく、そのゴリラも、やぁしばらくだなぁという感情を持ったというような話だった。
     最近、山極先生は「家族進化論」という本を出された。それも読みたいと思っているが、まずは入門編として、この「ゴリラは語る」を読んでみた。ゴリラ同士のけんかが、あまりひどいけんかにならないのはなぜか、など人間社会の変化と対比すると面白いことが書いてあった。

  • ゴリラの研究者である著者の生い立ちからはじまり、ゴリラから学んだ数々の教えが、わかりやすい言葉で語りかけるように綴られている。

    会話や遊びを通して他人と共感すること。自分のことばかりでなく、人のために生きるということ。争いは平和のためにあるということ。自然を大切にするということは何に繫がっているのか?エコ・ツーリズムに抱く希望について。
    身近な家族、そして他者との関わり(友人や恋愛)について思い悩む思春期の人達へのメッセージ、15歳の寺子屋シリーズの一冊。男女関係なく、大人にも是非読んでもらいたい。

    人間社会では父の存在感が薄い。ゴリラの国では、オスはメスや子に認めてもらうこと無くして成長しないという観察眼に心打たれた。個→家族→集団。どこに属しているのか、自分の立ち位置を把握してこそ、日々を生きられる。ゴリラは私たち人間の鏡である。

  • 山極寿一さん、国語の教科書に論説が載ってたぞ、おもしろかったぞと思って手に取った。「15歳の寺子屋」とあることからも、中学生に向けて書かれたもので読みやすい。「なぜ人間にとって、自然が大切なのか」という問いに対する筆者の考えに「なるほど!」と思いました。それは人間には自然からしか学べないことがたくさんあるからだ、と筆者はいいます。現代人は想定内のところで安全かつ自分の思い通りに生きていくことに慣れてしまって、思い通りにいかない=失敗ととらえがちだけれどもそうではなくて、思い通りにいかなくて当たり前だということを自然は教えてくれるよ等々ということが書かれています。

  • ふむ

  • 30年にわたってゴリラ研究を続けてきた人類学者が、若者に向けた一冊。人間の本質を考えさせてくれる著作。

  • 面白い。自分では全く解らないフィールドのはずが、何と無く伝わってくるのが不思議。全く理解していないけど、ゴリラを一部理解できた気がする。やはり、人間を客観的に見る機会は不可欠。言い争いが不毛なのとは解っているけど、辞められない弱さは、この懐の狭さがなせる技なんですね。期待しすぎない、だけど見捨てない。そのラインを見極めたい。

  • 山極寿一。

    なーんか論理の飛躍では?というか、想像しすぎなのでは?と思う部分もあり。

  • 最後の方はちょっとトンデモっぽかったのだが、著者が言うんだからそうなのかなあ。

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著者プロフィール

1952 年東京生まれ。霊長類学者・人類学者。元京都大学総長。著書に『ゴリラに学ぶ男らしさ』(ちくま文庫)、『ゴリラからの警告「人間社会、ここがおかしい」』(毎日新聞出版)、『「サル化」する人間社会』(集英社インターナショナル)、『家族進化論』(東京大学出版会)、『暴力はどこからきたか』(NHK ブックス)、『サルと歩いた屋久島』(山と溪谷社)ほか多数。絵本の共著に『ゴリラが胸をたたくわけ』(福音館書店)、『おはようちびっこゴリラ』(新日本出版社)、『ヤクシマザルを追って』(野草社)など。

「2021年 『新装 アニミズムという希望』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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