やりたいことは二度寝だけ

著者 :
  • 講談社
3.42
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本棚登録 : 931
感想 : 135
  • Amazon.co.jp ・本 (266ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062177054

作品紹介・あらすじ

アホでも、地味でも、生きてゆけます。
昼は会社員、夜は小説家。“ハイブリッド・ワーカー”かと思いきや、超・庶民系芥川賞作家による、初のエッセイ集!

「本書のどうでもよさについて、自虐も言い訳もしない。何も残らないし、ひたすら地味で意味も無いけど、読んでる間少しらくになった、と感じていただければこれ幸いである。」(あとがきより)

検索が生きがい。文房具集めとハーブティーで日々を潤し、からあげ王子に想いを馳せ、ドラクエで自分の20年を振り返る……。
ささやかで、ちょっぴりおマヌケな出来事を綴る、“地味面白~い”脱力系エッセイ。

感想・レビュー・書評

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  • もっと二度寝に関することがかかれているのかと思っていた。
    (いつもながら単純)
    最後で少しでてきただけで、ああやっと(でてきた)と思ったら
    さっと終わってしまった。
    けれどいいタイトルだと思う。
    けだるいような、潔いようなわからなさが好きだ。

    共感した分はいろいろあれど
    マスキングテープのところで「!!」となった。
    「貼って剥がせる」ということは便利である。
    わたしは附箋も好きだ。(津村さんはふれていないけれど)
    ついでにいうとステッカーも好きだ。(はりっぱなしだけど)

    津村さんはマスキングテープを使うまえは
    ドラフティングテープをお使いだったとか。
    いまはブームのおかげで次から次へと新しいのがでる。
    数えるのがこわいほどたくさんお持ちらしい。
    (わたしは数えられます)
    かわいくて役立って見るといい気分という雑貨は素晴らしいと思う。

  • '21年9月20日、読了。図書館で借りた本、です。

    津村記久子さんは、この1~2ヶ月で、好きな作家さんになりましたが…このエッセイを読み終わって、いや、読みながら…本当に大好きな作家さんになりました。自分の本棚に置いて、チョクチョクめくっていたいなぁ、一日一編でいい、ずっと手元に置いて読み続けたいなぁ、と、思いました。

    沢山、たくさん好きなエッセイが並んでいて…「これも感想に書こう!あっ、これも!」と、読み進めていきましたが…僕が一番好きなのは、実は「あとがき」です。作家さんに、怒られそう(╥﹏╥)

    読んでいて意外に思ったのは…第一章と第二章が、僕には「ガラッと」印象が変わったように思えたことです。一章が「ユルユル」(失礼!)なのに、二章は割と普通のエッセイになったなぁ、なんて。

    この方、最初に勤めた会社で、壮絶なパワハラを受けていたらしく…その記事を読んで、心を痛めました。でも、本作の「この感じ」…僕はとっても、癒やされました。

    あと、本作の挿し絵?表紙も含めたイラストが、津村さんにソックリ!(表紙の津村さん、一体何をしている?ヨガ?ハハハ)で、これまた癒やされました。

    幸せな読書体験、でした。感謝(◡ ω ◡)

  • 共感してやまない本書のタイトル、刊行当初から気になって仕方なかったのですが、今になってようやく読んでみたのでした。

    ノートに注がれる情熱に目をみはりました。
    すてきなノートを見かけるとつい買ってしまうけれど、もったいなくて使えないのは私も同じ。
    でも、普段使いのメモ用に、職場で出た裏紙を使って、ノートを自作しているというのにびっくり。
    しかも、版型、枚数、罫線の有無や切り離せるミシン目まで、細部までこだわった条件付きなのです。
    このこだわりノートにメモされた、日常の中のふとした場面や言葉が、津村作品の魅力になっているのですね。

    あと「出血大サービス」という言葉に関する短い考察に、笑いながらも大いに共感しました。
    字面のインパクトのせいで、目に入るたびにぎょっとしちゃうんだもの。
    「有無を言わせない切迫と勢い」、「目を背けられないアナーキーさ」、わかるわかる。

  • 津村記久子さんのエッセイ集。

    読んだ小説があまりにもツボにはまってしまったので、ついついエッセイにまで手を伸ばしてしまいました。
    案の定というか、予想通りというか、小ネタを仕入れるとか雑学の知識を得るとかいうようなものではないけれど、小説と同じような独特の気怠いゆるさがあって、なかなか味わい深いエッセイでした。
    津村さんというのは、やはりこういう人柄なんだろうな、というのがよく分かります。
    「生まれてきてすみません」はたまた「生きていてすみません」或いは「こんな私が芥川賞など受賞して申し訳ない」みたいな自虐的雰囲気がそこかしこに表れていて、こんな腰の低い人がいるのかなあ、と心配になります。
    思えば、彼女の作品の主人公も、いつも自分に自信がなく、何か行動を起こそうとすると逡巡するような人ばかり(まだ三作しか読んでいませんが)
    その葛藤の仕方、考え、発想がちょっと呆けていて面白いのです。
    関西人独特のユーモアセンスも至る所で活かされているし。

    津村さんの小説の書き方のヒントが、膨大な裏紙にしたためたメモにあるというのも、発見できました。
    今後も彼女の作品は欠かさず読んでいくつもりなのであります。

  • ここのところ、せっせと津村さんの小説を読んでいるのだけど、(*^_^*)
    初めてのエッセイ。

    そっか、津村さんは芥川賞を取られた後、
    今でも小説に出てくるようなLO生活を送っているのですね。(*^_^*)
    津村さんという人は、私にとってはいい意味でとうの立った女の子代表、なんですよ。

    実家暮らしでもちろん独身、仕事でイヤな思いをすることもあるし、こんな時代だからお給料だって労働や学歴に見合ったものをもらっているとはいい難い。でも、狭い範囲ながら友達はいるし、妙に好きでたまらないもの、もあったりする。

    そんなに多くは望まずに、「わたしごときが」という思いを常に胸に抱く津村さん。
    夜の9時くらいに一度寝て、1時すぎとかに起き出し小説を書く。しばらく書いたらまた寝て、次の日は会社に普通に行く、という日々なのだけど、きっとこんな日常が彼女にとっては自然体で気持ちがいい、っていうことなんでしょうね。

    このエッセイについて、
    「何も残らないし、ひたすらに地味で意味もないけど、読んでいる間少し楽になった、と感じていただければこれ幸いである。」というあとがき。

    クスッと笑って、うんうん、わかるよ、とか、う~~ん、ちょっとその偏愛ぶりって公にするのは恥ずかしくない?とか、そうですね、確かに楽になりましたよ。(*^_^*)

    津村さんの小説に出てくる女性社員の全てが津村さんをモデルにしている、とは思わないけど、ちょっと前のめりで危うい感じがするところはやっぱりご本人が出ちゃうんだろうな、と。


    テレビの星占いでひどい結果が出た時には、会社の同僚に

    私がいやな奴になったら運勢のせいだと思ってください、明日からはまたまともな人間に戻ります、と牽制する津村さん。
    そして、同じ星座の中田英寿のことを思い出し、遠い空の下で今ころヒデも困っているのだろう、と“迷惑な共感”を。


    津村さんはいつも一所懸命で、ウケをねらっての文章ではないのがよくわかる。
    きっとみんなホントのことなんだろう、と思いつつ、少しでも楽に生きれるといいですね、といたわりたくなってしまうのが可笑しいです。

  • 小説ではなく、エッセイだった。そして、この、いや実際そうだとしてもこんなはっきり言っていいのか、というようなタイトルとやたら地味な装丁に、けっこうわたしは驚いていたんだけど、ものすごくおもしろかった、よかった、津村さん大好きだ。

    いろいろな話に、本当にすごく笑えた、こういうのこそわたしにとっては「爆笑エッセイ」だなと思った。さらに、しみじみもしたし、心慰められもしたし、元気もでた。
    わたしは昆虫や蝶なんてひとかけらも興味がないけれど、それなのに津村さんの蝶の話に引き込まれ、感動すらした。文章のなせるわざだと思う。

    今まで津村さんの小説をいろいろ読んできた者にとっては、あーほんとにポトスライム育ててるんだ、とか、お茶が好きなんだ、とかわかるのが楽しかったり、津村さんの心の持ちようや気分が、ああ小説の主人公に似ているとか思ってうれしかったり。意外と、ご自身が投影されているみたいだなーと思ったり。

    個人的には、悲観的でいつも最悪の状況を考えてしまうようなところに共感して、それでもいいのかも、とほっとした。
    なんだろう、地味な毎日を地味なままこつこつと生きていこう、というような気持ちにさせられし、もう、この本をつねにそばに置いて繰り返し読みたいと思った。

    読み終わったら、地味な装丁(失礼)の津村さんのぼーとした似顔絵が本当にかわいらしく思えてきて、たいへん気にいったのだった。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      津村記久子って全然読んだコトのない作家さん。このエッセイは面白そうな感じだから、手始めに読んでみようかな、、、(また増えてしまった、アテにな...
      津村記久子って全然読んだコトのない作家さん。このエッセイは面白そうな感じだから、手始めに読んでみようかな、、、(また増えてしまった、アテにならない読んでみようかな)
      スルドイ方は、私が「二度寝」に反応しただけだと判ってるだろうなぁ~
      2012/06/26
    • niwatokoさん
      >nyancomaruさん
      津村さんの小説を読んでなくても、笑えるし、おもしろいと思います。ほんとに「やりたいことは二度寝だけ」っていう感...
      >nyancomaruさん
      津村さんの小説を読んでなくても、笑えるし、おもしろいと思います。ほんとに「やりたいことは二度寝だけ」っていう感じ?の、けっしてはりきってはない、そんな感じですが。
      もしエッセイが気に入ったら小説もおすすめです。
      2012/06/26
    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「っていう感じ?の、けっしてはりきってはない」
      ゆるゆるの猫にはピッタリです、、、図書館に予約するか、文庫になるのを待つか悩み中。。。
      「っていう感じ?の、けっしてはりきってはない」
      ゆるゆるの猫にはピッタリです、、、図書館に予約するか、文庫になるのを待つか悩み中。。。
      2012/06/27
  • 津村記久子さんの本を初めて読んだ。初めて読んだのがこのエッセイで非常に親近感が湧いた。普段は会社にお勤めだそうで、通勤途中にすれ違ってるのではないかと思うくらい自分と行動範囲が似ている気がする。まさにデパ地下のケーキではなく、スーパーで二百円以下で買えるお菓子的な身近さ。
    これは是非、小説も読んでみたい。

  • まず何よりもタイトルが好き。
    冬の朝はまさにこんな状態になる。
    そんな日も近いなぁと思いながら読み始めた。

    妖精の話とノートの話がとても面白かった。
    私もたくさんの妖精に出会っていたんだなぁ‥。
    妖精だったのかと思えば、あの人のこともその人のことも、くよくよ気にすることなく眺められる気がする。
    自分だったらどうかなんて思考で相手のことを考えることが間違っていたのだ。
    妖精界ではこういうものなのだと覚えるところから始めなければいけなかったんだ。
    そして私も誰かにとっては妖精のように不可解な存在なんだろうなぁ。

    ノートの話に共感したり、ドラクエの話を羨ましく思ったりしながら読み進むにつれて、だんだんあることが気になってきた。
    二度寝の話はどこだ?
    目次を見て二度寝の話がないような‥と心配していたのだけど、まさか没にされていたとは…。
    ショックです。
    津村さん、私、二度寝について読みたかったです‥。

    • 花鳥風月さん
      そういえば二度寝の話はなかったですね。全然気付かなかった…

      最近、ある電車の駅の営業開始が遅れたのが「社員が二度寝したためです」と細かすぎ...
      そういえば二度寝の話はなかったですね。全然気付かなかった…

      最近、ある電車の駅の営業開始が遅れたのが「社員が二度寝したためです」と細かすぎる理由が公式HPに潔く載せられていた(!)というニュースがありました。見て思わず笑ってしまいましたが、他人事ではありません(二度寝どころか三、四度寝になっているような…)
      2012/11/04
    • takanatsuさん
      「社員が二度寝したためです」
      おぉ~、それは確かに潔いですね。
      寝坊ではなくて二度寝なところがより一層正直な印象を与えています(笑)
      ...
      「社員が二度寝したためです」
      おぉ~、それは確かに潔いですね。
      寝坊ではなくて二度寝なところがより一層正直な印象を与えています(笑)
      「二度寝どころか三、四度寝になっているような…」
      そんなにですか?お疲れなのですね。
      仕事の日の二度寝は命取りですが、お休みの日の二度寝(三、四度寝を含む)はたまの贅沢ということでOKだと思います。
      私なんて毎年冬眠したいと心から願っていますから(笑)
      2012/11/04
  • めちゃめちゃ好きです。
    メモをミシン目に沿って切り取る時の嬉しさとか、シールを貼るときの嬉しさとか。日常の些細な楽しみにとても共感。細々としたことを掬い取って繋ぎ合わせる人生って、別に悪くはないよなぁと思える一冊。

  • 昔から「そんなこと追求してどーする」というようなどうでもいいことに対して、探求心を発揮する人間であった。そんな、地味でマイナー志向な私にとって、待望の津村さんのエッセイは、共感するところありまくりだった。もう、可能ならば友達になりたい!!と思ってしまうほど。
    全体的にしょぼいエピソード満載で、そのしょぼさが万人受けするかっつーとどうだかなぁとも思うのだが(それゆえ星4つ)私としては超ストライク。それ、私でもそんな選択するわ、私でもそんなトホホな結果になってしまうわ、のオンパレードで、読んでいて何度噴いたことか。
    特に、幼い頃大好きだったけどどこか謎であった「あぶくたったにえたった」「まぶたのパチパチ」について言及してくれたことがとても嬉しい。
    いわゆる「ちょっといい話」的エピソードも、津村さんの手にかかるとベタなテイストじゃなく、ユーモラスに描かれるものだから、一般的なそれよりも全然心に響く。(私にはね。)
    そんな日々の地味さ、しょうもなさを存分に生かした新作、楽しみにしています♪

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著者プロフィール

1978年、大阪市生まれ。2005年「マンイーター」(のちに『君は永遠にそいつらより若い』に改題)で太宰治賞を受賞してデビュー。2008年『ミュージック・ブレス・ユー!!』で野間文芸新人賞、2009年「ポトスライムの舟」で芥川賞、2011年『ワーカーズ・ダイジェスト』で織田作之助賞、2013年「給水塔と亀」で川端康成文学賞、2016年『この世にたやすい仕事はない』で芸術選奨新人賞、2017年『浮遊霊ブラジル』で紫式部文学賞、2019年『ディス・イズ・ザ・デイ』でサッカー本大賞、2020年「給水塔と亀(The Water Tower and the Turtle)」(ポリー・バートン訳)でPEN/ロバート・J・ダウ新人作家短編小説賞を受賞。他に『とにかくうちに帰ります』『エヴリシング・フロウズ』『つまらない住宅地のすべての家』などの著書がある。

「2021年 『現代生活独習ノート』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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