「死ぬのが怖い」とはどういうことか

著者 :
  • 講談社
3.18
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本棚登録 : 254
レビュー : 35
  • Amazon.co.jp ・本 (258ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062177429

作品紹介・あらすじ

「死ぬのが怖い」ことをちゃんと考えれば、「生きること」を再発見できるはず!無宗教の日本人のために「死の恐怖」をはじめて真剣に論じた、全国民の必読書。

感想・レビュー・書評

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  • <私はおそらく、「死ぬのが怖」かった、のではなく、「存在するということが怖」かったのだ(そしてまた、自分はこの本の想定読者からは著しく外れていた)>

    失敗読書である。
    何に失敗したか、といえば、この本を選んだということに失敗したのであろう、おそらく。
    基本、自分の感じたことの覚え書きに書いている面があるので、以下、あまりこの本に興味がある方の参考にはならないような気がする。その点、お断りしておく。

    鮮烈な、しかしどこかで真剣に向き合わないようにしている思い出がある。非常に怖かったのである。今でも本当に思い出すと、おそらく怖さで身がすくむはずである。だから強いて客観的に書く。
    多分、小学校高学年の頃だ。法事だったのか旅行だったのか、親戚の家で、どうしてか一人でいるときに、ふと、思い至ってしまったのだ。
    自分がここにいる。そして自分の意識はいつか間違いなく消える。
    そう思ったら、世界がぎゅんぎゅんと周りに凝集してくるような、「ああ、これは本当のことだ。恐ろしいけれどその通りなのだ」と絶望にも近い思いを抱いた。そして鏡を見に行ったことを覚えている。その中にも強ばった顔をした子供がいた。いたたまれないほど怖かった。

    新聞広告でこの本を見かけて、「もしかしてあのときの恐怖が和らぐのか・・・?」と思ったのだ。

    本書は「死」についての恐怖を和らげることを目的に書かれている。
    合う人には合うタイプの本なのだと思う。
    少々自己啓発的な匂いがする、全般として前向きな本である。ところどころに興味深い事実はあるし、クオリア云々みたいな話が好きな人には楽しく読める本なのだろう。
    若い人にはあるいは救いの1冊になることもあるのかもしれない。

    しかし、個人的に言わせてもらえば、この本のとっている手法は、全体としてそのことに正面から向き合っていくよりは「目を背けている」ように見える。がっぷり四つに組むよりは別の考え方をしようぜ、と言っているように感じられる。恐怖に身をすくませているよりは、何らかのよりどころを持って進んでいく方がよいだろうし、自分だって怖いものに蓋をして日々歩いているわけだ。そのこと自体に文句があるわけではないが、「あ、これはあの問題の解決ではなかったか」と思ったのは事実である。

    多分、自分は「死」が怖いというよりも「存在」が怖かったのだと思う。
    「虚無」から「存在」し、そしてまた「虚無」に戻る、ということが。
    さて、その恐怖にこの先本当に取り組むことがあるのかどうかはよくわからないのだが。

    • kwosaさん
      ぽんきちさん

      リフォローありがとうございます。

      僕自身も四、五歳のときに突然そういうことに気づいて、怖くて日々泣いていたことがあります。...
      ぽんきちさん

      リフォローありがとうございます。

      僕自身も四、五歳のときに突然そういうことに気づいて、怖くて日々泣いていたことがあります。
      今日、ふとそのことを思い出して、たまたまブクログを開いてみれば、このぽんきちさんのレビュー。
      おもわず引きこまれました。
      がっぷり四つに組んでみたい気持ちもありつつ、本腰を入れれば人生の全てを賭けなければいけないような気もして......
      いつの間にか日々の生活に追われ忘れかけていました。

      本棚を拝見すれば、以前にも他のレビューに花丸をしていたようで、これを機にフォローさせて頂きました。
      これからもよろしくお願いします。
      2013/07/16
    • ぽんきちさん
      kwosaさん

      丁寧なコメント、ありがとうございます。

      似たような経験をされたのですね。うれしい、というのも変ですが、やはりうれしいです...
      kwosaさん

      丁寧なコメント、ありがとうございます。

      似たような経験をされたのですね。うれしい、というのも変ですが、やはりうれしいです。

      この話、修学旅行のときだったかにしてみたことがありまして、うまく言い表せなかったこともあるのでしょうが、いまひとつ「自分も」という人はそのときはいませんでした。
      でも長じるにつれ、同様のことを思った人はそこここにいるのだな、と感じています。

      哲学や宗教に答えを求める人もいた(いる)のだろうなと思います。
      自分もこの先、本気で当たるのかどうか、確信は持てないのですが。

      本を読みつつ、またここに戻ってくることもある、かもしれません。

      今後ともよろしくお願いいたします。
      2013/07/16
  • 一番印象に残ったのは、進化生物学から見た死の定義「死ぬことは進化のための必然である」、つまり、進化は「子孫を残すとともに自分は死ぬ」という基本原則があって可能となる。
    人類もその原則に従って進化して、今があるわけである。しかし人類は進化のおまけとして、過去と未来について考える力を持ったために死ぬことを恐れるようになってしまった。

    死というのはしごく「あたりまえ」のことであり、自然なこと。
    そう分かっていても、死を三人称で捉えるのと、自分のこと=一人称で捉えるのには大きな違いがある。一人称で捉えた場合の「死ぬのが怖い」という恐怖を乗り越えるためにはどうしたらよいかということで、様々な分野(認知科学から哲学、幸福学、宗教学まで)からアプローチしていくのだが、最後は「やっぱりここ(東洋思想)に落ち着くのかな」という印象。
    ヨガ(インド哲学や仏教哲学などの東洋思想)を多少は勉強してきたので、「“今”しかない」という思想の方向性はよく理解できる。が、まだまだ「死ぬのが怖い」は乗り越えられそうにない…。

  • 再読すること。
    クオリアの意味。

  • ニヒリズムは積極的無常感か

  • ふむ

  • サイエンス

  • 死ぬのが怖いことはない、と色々と理屈を言って説得してくれます。脳科学や心理学の世界では意識は無意識にとった行動の意味を跡付けているとか。だから心は幻想だとか、ちょっと飛躍しているような感じもする。読み終わったが、どうも説得されはしなかった。ただこのような考え方も面白いものだと感じた。この感じた心も幻想かな?

  • タイトルのとおり、「死ぬのが怖いとはどういうことか」をかんがえている本。感覚的な話もあるが、科学を使った考え方で、論理的に話がすすめられるので、なるほど、と思える。
    ちょっと怖くなくなったような気もするし、それすら気のせいな気もするけれど、読んでよかった。もう一度、じっくり読みたい。
    2017/4/18

  • 脳科学やロボット科学の分野の研究過程で人間には自由意思がないという結論にたどり着き、現在は幸福学の研究をしている著者。

    人間の幸福を考えるのに死生観は絶対に外せない。

    著者の徹底的にロジカルな「死ぬこと」への考察は非常に興味深い。

    この本を読んで納得出来る人なら、読んだ後は死ぬのが怖くなくなる、かも。

  • 教団Xを読んで以降、ずっとついて回っているどうして自分は死ぬのに今だけ生きているのか、意識があるのか、死んだらどうなるのか。その不安と恐怖と心細さに、思わず図書館で手にとった本。死ぬのが怖くてたまらなかった著者がどのようにそれを「いやだけど仕方ないこと」と受容できるようになったのか、相当期待して読んでみた。
    結果、これじゃない感がハンパない。
    死んだら自分じゃ分からないから死ぬのはこわくない。宇宙に比べれば人間の大きさなんか、宇宙が誕生してからの時間に比べれば人生なんか無視できるくらいにちっぽけだからなくなっても平気。人が意識を持って生き生きとした感情を持っているのは幻想に過ぎない、砂漠の逃げ水と同じで本当は存在しないものなんだからなくなっても平気って・・・。
    そんな話が聞きたかったわけじゃないとひどく落胆して怒りを覚えるほどだった。
    ホラー映画を見た子供が大人にこわいと訴えて「これは作り話だから」といなされたような、いやもっとピントのずれた話を聞かされたようで最後の方は斜め読みで済ませてしまった。
    著者がなんと言おうと、こわいものはこわい。
    やはり、簡単には乗り越えられない問題なのだなと痛感した。
    古来から哲学者を含む多くの人々が同じように恐れ、悩み、考えに考えを重ねて来たのだなぁと慰められたことは収穫だった。

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著者プロフィール

慶應義塾大学大学院教授

「2020年 『7日間で「幸せになる」授業』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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