野生の科学

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 176
レビュー : 7
  • Amazon.co.jp ・本 (484ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062177443

作品紹介・あらすじ

とうとう探し出したぞ。何を?未来を開く鍵を。野生の科学が世界を変える。諸科学を統一する深層の原論を求めて。

感想・レビュー・書評

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  • 久しぶりに中沢新一読みました。中沢新一のテーマは一貫して従来の知性が見つけられないもの、体系的でない知識です。読んでいるととても心地よいです。テーマは繰り返されることが多く、結果としてこの知識を体系的に学びたくなったりします。なんか繰り返さないでもっとうまく伝えてくれないかな、みたいな。この本も、比喩やフィールドワークの美しい文体を使って同様なテーマを何度も掘り下げることによって体系的でない知識を伝えるという構成にやっぱりなっています。この本は様々な公演をまとめたりしている本であるということも関係しているように思います。でも、一方で、体系的に体系的でない知識を語られてもうさんくさいだけのようにも思ったり、つまらないだろうなあと思ったり。唯一無二の書き手さんです。
    中心の体系は神話の公式。理性、MBA、合理といったものでないもの。無意識。合理ではないけれども一貫的して作られる論理。縄文のころから弥生のころに起きたこの神話ロジックの衰退。ビッグデータ解析と統計学の大きな違いは因果関係の設定だとのビックデータの本を読んだのですが、西欧的な知識もついに因果関係から相関関係へという流れの中で中沢新一は最先端に来ているように思います。

  • 読みごたえあり。社会や人間、世界、宇宙を幾何学的に図形的にとらえようとする方法論が面白い。構造主義的手法。
    数学的手法を用いた人文的言説が面白いのはそれに説得力があるからなのかもしれないな。エッセイ的な人文書というのはあまりに多い。それでもいいし、それではいけないと言っているわけではありませんよ。ただ、形(数的構造)に着目するのは、「有効な」気がするんです。論理性を持っている。応用が利きそうで、示唆に富む。

    「科学も宗教も同じである」とはよく言われています。仕事上、割と「科学」側の人と接することが多いのだけれど、このことを意識的にか、無意識的に抱えている人というのが一定数いることを体感しています。数学を学び直す取り組みは今中断してるけど、またやろうかな。

  •  経済や何やかやをレヴィ=ストロースの神話公式で分析したりとか、ここ最近の著作では見られなかった、気合いが入った力作。非常に刺激的であるが、ペテンに掛けられたような読後感が残るのもまた好し。
     深沢七郎を語った章と、アースダイバー的な章が特に面白かったですー。

  • 12/10/13。

  • 数学の話から始まっているのが意外だった。
    現代数学と言語あるいは農業が類似しているという指摘は新鮮に感じた。

  • 書店で適当にページを開いたら、深沢七郎というのは特別な人であった
    という一節が飛び込んできて、この本と「目が合った」。お金はないけど買わないわけにはいかないだろう、ということで衝動買い。
    ―――
    おこがましいけれど、まるで自分が書いたかと思われるような「深沢七郎」が載っていて、満足。
    論じられるテーマのヴァリエーションも様々で楽しい。けれど本作の論考すべての根底にあるのは、「突進する螺旋」のイメージだと気がついた。ゆっくりと螺旋を描きながら突き進むトンネル掘削のような運動。

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著者プロフィール

中沢新一(なかざわ・しんいち)
1950年生まれ。東京大学大学院人文科学研究科修士課程修了。現在、明治大学野生の科学研究所所長。思想家。
著書に『アースダイバー』(桑原武夫学芸賞)、『大阪アースダイバー』、『カイエ・ソバージュ』(小林秀雄賞)、『チベットのモーツァルト』(サントリー学芸賞)、『森のバロック』(読売文学賞)『哲学の東北』(斎藤緑雨賞)など多数ある。

「2018年 『精霊の王』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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