- Amazon.co.jp ・本 (242ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062177597
作品紹介・あらすじ
銀行員の今井は、取引先の町工場の社長にマンション経営を勧め、オーナーの座に就かせた。だが、経営はすぐに傾き、マンションは競売にかけられることに。人を幸せにするために仕事をしていたはずなのに、いつの間にか不幸にしてしまった。「東京タワーって優しい気持ちのときには鮮やかに見えるのです。」社長の言葉が、今井の荒んだ心に沁みる。-表題作ほか5編を収録。
感想・レビュー・書評
-
江上剛著『東京タワーが見えますか。』読了。
サラリーマンの為の経済短編小説
読み始めは、仕事を連想して・・・
休みの日くらい仕事を忘れさせてと
思いながら読み進めた。
だんだん面白くなり、
いつのまにか仕事がんばろう。。。
という気持ちになってきていた。
不思議だが面白い。私もがんばろって思えてきた。
私にも座敷わらしくんが見えて欲しい。
・東京タワーが見えますか。
・ある男の人生
・大過なく
・座敷わらし
・爺捨て山騒動記
・まだまだ詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
池井戸潤みたいな、いやちょっとかなり違うけど経済小説。
もともと日本の経済小説は小難しいケーザイの法則なんぞに言及しているような、予想外のものはなく、人と人との情の根競べ的物語が圧倒的に多いのだけれど、この作品も、まあそういうことでやす。
でも、十分に面白いでござす。
まだ他にも読んでいないこの作者の本が沢山あって、いま結構、あ嬉しいな、と感じるような状況です。 -
2012 7/25
-
お仕事小説の短編集。
6編それぞれテイストも違ってそれなりに楽しめましたが、やっぱりもっと掘り下げて欲しいなと感じてしまい、やや物足りない印象。
「ある男の人生」は内容も構成も好きでした。 -
2016.11.16
この作家がことような短編を書かれるのだと思って意外な感じもした。心温まる内容でした。 -
ある男は、自分の会社の方針に、疑問をもった。また、ある男は、会社に見捨てられるようにして、退職した。この物語は、それぞれの男たちの、第二、第三の人生を描いた、勇気のでる、短編集である。「東京タワーが見えますか?」では、「本当にやりたかったこと」を、成し遂げたときの喜びが、強く伝わってきた。「ある男の人生」は、途中までは、幸せな気分で読んでいたのに…。騙された!泣かされた(泣)「退化なく」は、逆のパターンで、騙された(苦笑)「じじ捨て山」は…?日本の未来に、恐怖を感じる(?)「座敷わらし」、「まだまだ」、共に、感動する、よい作品。
-
読中も読後も良い本だった。他にも何冊か読んでみたい。
-
「会社」で働く男たちの物語。
自分を犠牲にして働いてきた男の、かなしい決断。
自分にとって一番大切なことを優先した、前向きな決断。
働くことと生きていくことがイコールだった時代もあった。
「会社」に翻弄された男たちの末路はさびしい。
●「ある男の人生」
いい話だ、と思って読み進めていたら、ラストで驚いた。
●「大過なく」
憎しみが解消されるのは幸せなこと。