- Amazon.co.jp ・本 (290ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062177641
感想・レビュー・書評
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「消された一家」「女帝 小池百合子」の系譜にあたる本です。
冒頭にも何回か出てきますが、彼女は間違いなくなんらかのパーソナリティ障害を抱えた人物でしょう。その事実を踏まえた上で、自分の周囲を見回してみると、このような人物は決して珍しくないような気がします。なんだか別の世界の話のように感じてしまいますが、落とし穴は意外と身近なところに潜んでいるのかもしれませんね。
個人的には彼女とヤマギシ会の関係をもうちょっと掘り下げて欲しかったかな…。というのも、ヤマギシ会の理念は、彼女が犯した罪の価値観と非常に似通っている部分があるからです。彼女がもし本当にヤマギシ会に入っていた時期があるのだとしたら、多感な子供時代に、あのような病んだ組織から影響を受けたのだとしたら、、、そう考えると、彼女の支離滅裂な犯罪歴のひとつひとつが繋がって見えるような気がするのですが、実際のところはどうなんでしょうね。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
図書館で。
BUTTERを読んで、練炭犯罪の犯人もブログやったり色々してるんだ…と知り借りてみました。
なんだか著者が犯人に対して攻撃的すぎて読み切れませんでした。なんて言うのか些細なエピソードでも先入観があると、そういう風に見えてしまうというのはあると思うんですよね。確かに何故?とは思いますし、被害にあった方の事を思うと義憤にかられる思いもわかるのですが、幼少期から悪意があっただの、サイコパスとまで書かれるほどでもないのかな、なんて自分は思いました。
男性の方が潜在的に彼女や彼女の犯した犯罪に対する恐怖は強いんじゃないかな。自分にとって無害というかどうでもよいヤツ(不美人・太っている・無職・若くない・女性)に脅かされるのが耐えられないのかな、と思ったり。別に彼女の犯した犯罪や彼女自身を擁護する気はさらさらありませんが、ここまで取りざたされたのは、そういう男性優位という神話が覆されたことに対する怒りと恐怖があるのかな、なんて思いました。 -
先日読んだBUTTERがすごく良かったので、ノンフィクションを読んでみた。木嶋佳苗の家族のルーツとか、裁判での答弁とか、そういった部分はたしかに面白いんだけど、結局この著者の中に流れているのは確固とした女性蔑視とルッキズムだし、こう言う人がいるから木嶋佳苗みたいな女性が出てくるのではないかな…とすら思う。「こんな感情的な判決文を書くのはあの28歳女性裁判官に違いない」っていうくだりのところ、嫌悪感バリバリで気持ち悪くなった。
この本よりも、BUTTERの方が真実に近いのでは?という気がする。
裁判での答弁を読めば読むほど木嶋佳苗という人がどんどん分からなくなる。本当は何がしたくて何を感じていたのか、きっと解明されることはないし、本人も分かっていなかったのかもな… -
連続不審死事件の犯人、木島香苗の人生と裁判を追ったノンフィクション。
別海って北海道の地名なのだけど、もうこのタイトルから面白い。
小学生で隣人の銀行通帳を盗むなど木島香苗の半生はエキサイティング過ぎる。美人でないけど上品さと不思議な魅力を持った木島香苗は上京し、男達を毒牙にかけていく。彼らもまた一風変わった人生を歩んでいた。
圧倒的な面白さの前半から、後半の裁判部分はやや単調か。木島香苗の謎は裁判では明らかにされなかったと言えるのかもしれない。。。 -
ノンフィクション
社会
犯罪 -
著者は木島佳苗事件には"怨念"も"流血"もなく、殺意の"沸点"が異常に低いことを指摘し、そこに何よりの興味を抱いている。
<blockquote>最初にお断りしておけば、木島佳苗に"悪女の魅力"を期待するのは間違いである。それはあまりにも古典的かつロマン主義的願望である。
殺人事件が人間の興味を引くのは、それがふだん超えられないハードルを飛び越えるふるまいだからである。ふだん超えられないハードルとは、人間世界を人間世界たら占めている規律、すなわち「法」のことである。
そのハードルを越えるには、それなりの"負荷"がかかる。。だからこそ、人間は殺人という行為から目が離せなくなる。ドストエフスキーの『罪と罰』の例を持ち出すまでもなく、殺人事件を人間の極限の行為としてとらえているからである。
(P.91)</blockquote>
本著者が橋下の例の記事を書いたのもそれなりのハードルを越えていたと思うのだが、"負荷"あったのかな?
太っているのは木島佳苗ではなく著者の筆力だと思った。『東電OL殺人事件』で冴え渡りぶりはもう窺えない。 -
東電OL事件を書いた人のだから読んだけど、東電OLの本ってこんなに独善的で頭が悪そうな文章だったっけ?と最初から不安で、最後まで変わらなかった。
ノンフィクションなのに合間合間で挟んで来る著者の、明確な論拠もなく「〜に違いない」とか言ってみたり、いきなり「んなわけねーだろ!」と突っ込んでみたりっていうセリフに寒々しい気持ちに。
コラムニストという肩書きの北原みのりが書いた、木嶋佳苗は毒婦ではないというスタンスの本も読んだけど、コラムなら裁判の傍聴がうまくできてなくても、裁判以外の取材で得た情報がなくてもしょうがないし、著者の勝手な意見や評論もそりゃあるだろう。週刊誌みたいな下世話な書き方なのもしょうがない。
こっちの本はコラムでもエッセイでもないのに幼稚な構成と文章で読んでて嫌な気持ちになった。せっかく事件の当事者達のルーツを探る取材をしてるのに、ワイドショーで終わってる。
東電OLの本もこんなにひどかったのか確かめるべくまた読んでみようと思った。
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先日判決の確定した事件のルポ、及び裁判傍聴記。
ものすごい精神力と言うか、まるで理解できない思考と言うか。でも女子力は完全に負けてるんだよなーと複雑な心境。読物としては興味深いのだけど、やっぱ理解は無理。弁護側はどういう気持ちで接するのかな。