グッバイ、こおろぎ君。

著者 :
  • 講談社
3.25
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本棚登録 : 17
感想 : 4
  • Amazon.co.jp ・本 (170ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062177764

作品紹介・あらすじ

60歳を過ぎた彼は、塾の講師を勤めながら郊外の団地で一人暮らしをしている。残暑厳しい9月、彼が住む団地5階のトイレの窓から、一匹のコオロギが入ってきた。コオロギと向き合った2ヵ月の日々は、経てきた人生の、かけがえのない日常を想起させた。そこはかとないユーモアと悲哀を感じさせる筆致で描いたデビュー作。第55回群像新人文学賞優秀作。

感想・レビュー・書評

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  • 作者の年齢と顔を見てしまうと、
    この作品に描かれているのが自分自身かなぁと思ってしまう。
    これがきっと、もっと違った年代の人だったり、
    性別だったりしたらまた違う印象があるんだと思うけど。
    そういうところがなんかもったいないなぁと感じた。

  • 老境に差しかかった、元教師そうして今は塾の時間給講師、定年と同時に妻や娘に見放された「彼」、そしてその住処に迷い込んできたのは、息吹いた夏を終え番う相手もいないまま、秋にその終生をむかえる一匹のコオロギの「カレ」・・・そんな「彼」と「カレ」の物語です。
    哀愁と共に人生の洛陽をおくる「彼」に、寄り添うように生きる「カレ」・・・・
    そして「彼」なりにコオロギにいろんな感情移入がされる生活が続きます。
    それは人の人生の、うたかたの後を垣間見るものでした。
    昭和回想の中で語られる「彼」、昭和を生きてきた「彼」の哀愁たっぷりに語られる物語は現代の家族や近隣の人との絆の弱さを暗喩しているようでもありました。

    読後感=「りっりっりっ」・・こおろぎは何を語り何を鳴いたのでしょう?

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  • コオロギ。古びたアパートのトイレの中の床に落ちているトイレットペーパーの芯の中に紛れ込んだ。それを見つけた主人公がレタスなどを与える。
    そんな心の持ち主の主人公のひなびた生活がもの悲しい。

    買い物の時、お釣りの小銭を手を握るようにして返してくれる女性店員に抱くほのかな恋心。中年男性にはビビビっときちゃうサービスですよね。
    わかるなぁ

  • 星5つは大げさかもしれないけど、読んで良かったと思える一冊になりました。

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