- 講談社 (2012年7月1日発売)
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感想 : 46件
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Amazon.co.jp ・本 / ISBN・EAN: 9784062177825
みんなの感想まとめ
労働環境の改善を目指す主人公の成長を描いた物語が、読者の心をつかみます。新聞社に勤める若手が、イヤイヤながらも労働組合の役員に就任し、仲間たちとの交流を通じて自らを変えていく姿は、共感を呼び起こします...
感想・レビュー・書評
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新聞社に勤める主人公が労働環境を良くすべく団体交渉する話。
イヤイヤ組合の役員になった若手が周りに刺激されて成長していく様が、読んでいて楽しい。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
なにを隠そう、私は91年から05年にかけて連続14年間労組の中央執行委員という役職をこなして来た者である。別に好きでやっていたわけじゃない、好きでやるはずがない。毎月まる一日会議で潰れ、下手をすると関連会議や合宿、労働交渉、集会等々で、休みや仕事が終わった後の半分以上が潰れるのである。「私の青春を返せ」と言いたい。(←それでも何故やっていたか。成り手がいなかったのと、使命感、そして世界が広がる面白さである)
この小説は無謀にも、そういう労組活動そのものをまるまる描いている。労組員500人と言えば、私の所も正規(1番多い時は)500人、パート800人だったので、似ているとも言える。
ここでは、執行委員は一年交代だと云う。まあ、そんな所もあるだろう。しかし、いかにも非現実的な処が散見する。ろくな専従もいないのに、あまりにもスムーズに引き継ぎが行われる。新執行委員はみんなベテランのように労組の仕事をこなしている。それから、一般的に非労組員は、労組活動に無関心だ、この小説にもそういう記述はある。しかし、一般労組員があまりにも労組に協力的だ。新聞社社員となれば、忙しい仕事の代表選手だ。労組活動に見向きもしなくて当たり前だと思えるのであるが、なんと毎月の央委員会の前に支部長会議が成立し、中央委員会が実出席でほぼ全員で成立して、物凄く活発に意見が出るなんて、私の処ではあり得なかった(100人に6人の役員配置は妥当。本来は分会がないといけない。それにしても、分会長会議でも100%近い出席率は凄い)。こんな戦闘的な労組が果たして存在するのか。
また、これは提案ですが、回答がでてからやっと職場の声を経営にぶつけて事態が進展する場面がありましたが、団交は提出団交の時に「現場の意見」を最も出すべきです。私の処では、提出時に800人団交をした事もあります(←今は昔)。
経営者の対応や、交渉の推移もあんなもんだと思います。小説で読むとひつこいぐらい同じようなことを議論しているようにみえるが、労組対経営では、力関係では最初は情報量、人事権、等々で経営の方が上なのだから、あとは「団結の力」しか武器はないのです。ひつこいぐらいの議論がなくては、勝てないのが現実。(労使協調の労組とはそこが違う)普段、表に出る事のない労組活動をよくぞ小説にしてくれました。そのことだけは、感謝します。
これは、秋季闘争でしたが、最もきついのはいうまでもなく春闘です。是非とも春闘編まで頑張って下さい。ともにがんばりましょう。 -
新聞社の労働組合活動をすることになった武井。極度の緊張屋の彼は、団交の場で緊張して何も言えなかったが、最後には…
これまで労働組合の活動は非生産的と思って避けていたが、皆が安心して暮らすためには必要なことにかもしれない。
交渉の進め型などためになった。 -
新聞社の労働組合の役員になった主人公が成長していく物語。作者がもともと新聞社に勤務していただけあって、新聞社の内実がリアルに描かれている気がします。
前の2作より若干パワーダウンした気もしますが、それでも面白かったです。
今回も登場した人物が次回も出てくるか気になります。 -
労働組合というものに触れたことが無いのでとっても新鮮やった。個人クリニックには絶対無い熱い組合!!
仲間の絆や信頼がとっても心地よかった!
大好きなYASUSHIに会えたのも嬉しかった笑
しょーもない詩が健在でホッとした笑
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珍しい組合もの。舞台は新聞社なので元神戸新聞社員だった著者には庭みたいなもの、違和感全くなし。著者の他作品と同じくスルメイカのような味わい、わかっちゃいるけどやめられない。。
親方日の丸の会社でなければ、組合経験者は出世の近道というか通過儀礼というのは社会人の常識。会社側も組合専従経験者が並ぶ。組合執行部の視点で物語は語られるが、結局お釈迦様の掌を走り回る孫悟空みたいなもの。結局労担の朝比奈専務以下の会社側の読み通りで決着したとしか思えない。執行部個々人の会社への思いの吐露で、あんなにあっさりと会社側が妥協するはずがない。会社側の方が役者が上という感じ。まあディベート小説ともいえるかも。
蛇足①
冴子さんが娘とは。やられました。
蛇足②
遥ちゃん、絶対主人公が新人時代に記事にしたバイオリン奏者の姉という伏線だと思ってました。ニャー吾郎だったか。 -
塩田武士の新刊であちこちの書評でも結構良い評判をとっているが、会社物語。内容は新聞社の秋闘交渉を機に組合活動に引きずり込まれた一人の記者が、交渉の過程を目の当たりにして成長していく過程を描くものだ。
著者はかつて神戸新聞者の記者であったことから、恐らく当時の経験が少なから本書に反映されているであろうとは容易に想像がつく。だが、果たしてこうした組合物語が今の時代にどれだけ通じるのであろうか?個人的には今から30年前に就職した会社がこういう組合活動をやっていたという記憶が残っているが、その後同社を辞めてからは一度もこうした組合活動を身近に感じたことは無いし、社会的にも既に組合活動は完全に過去のものになっているではないだろうか。
作者が敢えてこの時代に組合活動の教科書的な内容の小説を書いているのか意図が良く判らないが、失われてしまったものへの郷愁を誘う目的だったのだろうか?それとも真面目に本書で語られる組合活動内容とその議論の的である一時金、深夜労働手当などに何らかの意味を持たせようとしているのだろうか?
まさか逆に、夜間8時から10時までの間の新聞社の「深夜」労働割増金について不当に高待遇であると世の中に訴えるために本書を書いているとも思えない。新聞社の常識がどれだけ世の中からの乖離しているのかの距離感が掴めていないのではないかという違和感がつきまとって離れない。 -
組合活動には理解できない方だったが、ちょっとは協力してみようかなと思った。ただ、時代なのか、ハードワークすぎて引いた。あんな働き方はしたくない。
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2012年単行本、2017年文庫本。ヨコワン推薦図書。図らずも著者の本は2作目となった。労働組合って何をやっているところなの?という素朴な疑問に対して、エンターテインメント性十分に答えてくれる作品。2作読んでみて、著者の特徴が朧気ながら見えてきた。こちらをクスっと笑わせるユーモアと情報を盛り込む技術の上手さなのではないだろうか。物語の構成や性質に目立ったところはないが、知的好奇心に惹かれ飽きることなく読み切った。
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先ずは、面白かったぁ!
組合なんてないので、その白熱感と交渉、勇気と信頼には創造を絶しました
苦労は誰のものか、仕事の価値や経営陣の主張、それを説き伏せる委員長には格好良いとしか言えない
主人公もいい味出してた
ドラマ化希望
面白かったぁ
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面白くなかったとは言わないし、「ともにがんばりましょう」ってそいうことだったん!?って言いたいし、もしかして最後だけ書きたかったん?なんて言いたくもなるけど、ここまで引っ張られたことも、確かw
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経営側は経営数字と景況感から賃金を算定しているのに、労働側は「死活問題」「僕らの頑張りを見てほしい」。これでは噛み合うはずもないが、それなのに落ち着くところに落ち着く不思議な世界。
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2014/9/30(火曜日)
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突如、組合闘争に巻き込まれた武井の混乱と奮闘ぶりに
いっしょにハラハラドキドキ
交渉の現場があんなかけひきある
なんてスリリング
重苦しい場面も多いけど恋バナもあり軽やかに読め
面白かったです -
上方新聞記者の武井涼は、強引な上司の誘いで労働組合執行部に加わることに。恐る恐る足を踏み入れた未知の世界は、強烈な個性の執行部員と、深夜手当のカットを目論む会社との、怒涛の戦場だった!
登場人物たちのキャラは立っているけれど、地方紙の労組は私には特殊な世界過ぎた。読者を笑わせようとして力み過ぎている文章も鼻についた。
(D) -
私がここに記した作品で☆5つ付いてる作者の他の作品を読んでみよシリーズ第一弾(笑)。
『女神のタクト』で高評価だったわけなんですが、この作品はいまひとつだったかなあ。ひょんなことから地方新聞社の労働組合の仕事を引き受けることになった主人公。
読後ふりかえれば、地道で粘り強い交渉が丁寧に描かれていて良い作品だなと思うのですが、最後のほうではぐっとくるシーンもあったのですが、テンポがよくなかった気がする。 -
労働組合運動を題材にした小説。手に汗握る労使間の駆け引きから垣間見れる、豊富な知識・経験に裏付けられた巧みな交渉力に興奮した。組織とは、リーダーとは、かくありきというのを強く意識させられる小説であった。
なかでも、誰もが敵対構造を思い描くであろう労使交渉という舞台で、予想通り激しくぶつかり合う双方の根底にあるのが「信頼」であるということに感動した。「敵は倒すためにあるのではない」「歩み寄るためにある」―信頼関係があればこそぶつかり合える。けんか(交渉)の真髄を再認識した。 -
表紙にはスーツを着た若い男性の後ろ姿。
青空を表しているのだろうか、ブルー一色を背景に、彼は大きくジャンプして伸びあがっている。拳は天に向かって力強く突き上げられており、一見すると爽快でやる気に満ちた青年が主人公のサラリーマン小説のように思える。だが、普通のサラリーマン小説では見られないアイテムが一つだけ目に留まる。伸ばされた右腕に巻かれた赤い腕章だ。
最近、大阪市の橋下徹市長が市の労働組合に対して行った様々な言動が度々ニュースになっていた。橋下市長自体についてはいろいろ良い点悪い点あると思うが、善し悪しは別として危険な存在だと僕は考えている。でもそれは別の話で、この労組関係のニュースを見るたびにいろいろ考えさせられた。
労組というもの自体、組織率は年々低下していると言われ、その影響力も比例して低下している。JALのように会社の経営を傾かせる要因になったケースもある。終戦直後から日本経済に深く関わってきた労組の存在意義は、岐路を迎えている。
確かに労働組合といえば「自分に都合のいいことばかり要求してくる」「経営に対して反対しかしない」「理想主義で現実的な議論をしない」といったイメージがつきまとう。しかし実際は単純にイメージだけで捉えられない複雑な構造を抱えている。
この小説の舞台は大阪の新聞社「上方新聞社」だ。大阪府内で朝刊70万部、夕刊40万部を発行するこの地方新聞社に勤務して6年の武井は、編集局で働く若手記者だ。
ある日、先輩の強引な誘いを断る事が出来ずに労働組合の執行部に参加する事になってしまった武井は、そこで今まで思いもよらなかった世界を目撃することになる。嫌々引きずり込まれた組合活動。働く人たちの思い。「20年後、うちの会社残っていると思うか?」やがて武井の胸には組合活動や新聞の未来について様々な思いが芽生えていく。
新聞社は職種のデパートと業界で呼ばれることもあり、そこに勤務している人の中には記者だけでなく販売系の人もいれば営業系の人もいる。印刷工場で働く人もいればもちろん総務系の人や技術系の人もいる。
だから部署ごとの労働環境が全然違っていて、よって現場で働く人たちの感情も部署によってガラリと変わる。そんな会社の労働組合の執行部で労働者をまとめるというのは非常に骨の折れる仕事だ。半ば無理矢理執行部に参加させられるまで、まったく組合活動に関心を払わなかった武井にとってその苦労は人一倍である。
そんな訳でただでさえハードな役割を与えられた武井だが、彼を待ち受ける障壁はそれだけではない。武井に立ちはだかる大きなハードル。それは彼自身の気弱さ、優柔不断さ。つまり自分自身の弱さだ。
引っ込み思案で奥手の武井はおかしいと思う事があっても口に出す事ができない。考えがあっても言いだす事ができない。黙々と役割をこなしていくが、肝心の意見を表明することができない。流されるままに生きる彼だが、それではいけないと心の中ではわかっている。
ストーリーの大半は経営側と労組側による団体交渉の場面で占められる。数で優位に立つ労組側が交渉を有利に進めるにはしっかりした考えの基盤とそれに基づく意見、そしてそれを相手に説得力を持って伝える力が必要となる。
気弱な主人公の姿は僕自身とも重なってすごく感情移入してしまったのだけど、僕と違ってそこから大きな世界へと羽ばたいていく主人公の姿は眩しい。
新聞社の労働組合を舞台にした小説というのは寡聞にして他に知らない。だが作者はもともと関西の地方新聞社に勤めていたというだけあって、恐らく実体験に基づく部分も多いのだろう、とてもリアルにそしていきいきと地方紙の労組という現場を描き出している。作家デビュー以後、この小説が三作目とのことだが、かなり手慣れた感じだと思う。
ただしリアルな会社小説/労組小説の中にあってヒロイン役である遥の存在がどうにも浮き上がっていて、この部分だけどうも作り物めいている(労組に可愛くてしっかり者だけどちょっとドジっ子な女の子なんかいるか!)。実写映画の中に一人だけアニメの美少女が紛れ込んでいるような違和感があって、すごく気になった。
まあ小説を仕上げる上でこういう恋愛要素を入れなくてはいけなかったんだろうが、ラストもなんだか予想通りだし、作者ここらへんの描写はこれから苦労して磨き上げていかなくてはいけないのかも。
日本の経済発展の上で様々な功罪を残してきた労働組合。あまりにも歴史を重ねすぎて本来の姿が忘れられかけているけど、それは弱い者に手を差し伸べる組織でなくてはならない。人は一人では生きていけない、とまでは言わない。一人で生きていける人だっているだろう。ただ、一人では生きていけない人もいる、という事を知ってほしいのだ。
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