- Amazon.co.jp ・本 (322ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062177900
作品紹介・あらすじ
ソニーを変える、ソニーは変わる、本気で、全力で-ソニー復活を託された「ゲーム」「モバイル」に受け継がれる反骨と開拓の「エンジニア精神」の源流を辿る。
感想・レビュー・書評
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2021年7月17日読了。90年代、産業構造変化にともない苦戦するソニーを救った「プレイステーション」開発・販売を指揮した男・久夛良木氏の戦略を「半導体」に焦点を当てて語る本。プレイステーションがいかにゲーム機としてユニークでビジネスとして優れていたか?というこはよく聞く話だが、成功の鍵が、極限まで工夫をこらした高品質な半導体を一気に大量生産して量を確保することで「ムーアの法則」によるコストメリットを最大限に受けることだった、とは新しい観点だ。久夛良木氏は非常に優れたエンジニアで、そのエンジニア思考を経営に生かした成功例がプレステ1・2だったが、ソニー本体との軋轢の中で必ずしもうまくいかなかったのがPSPや3以降のプレステ、ということなのだな…。ソニーが大企業でなく、SMEに氏のような人がいればソニーがiPod・iPhoneを作り得たのかもしれない。協力なエンジン・半導体でゲーム業界をリードするソニーに対し、キネクトやタッチペンといった新しいUIと、ディベロッパー向け開発環境提供・新しい遊びの提案、というそれぞれの強みを生かして戦いを挑むマイクロソフトと任天堂、という図式は激烈に熱い。
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3月4日 2000年 プレイステーション2の発売日
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資料ID:98121065
請求記号:589.77||N
配置場所:工枚普通図書
ゲーム特集に選書された図書です。 -
【配置場所】特集コーナー【請求記号】589.77||N
【資料ID】91122322 -
久夛良木という人の本という感じだろうか。
久夛良木がフェードアウトしても本の内容は続いたので久夛良木こそがソニーのDNAを象徴しているのだろう。
プレイステーションの繁栄と衰退が書かれていて歴史書としてもいいのではないか。 -
久夛良木さんを中心に、ソニーの最近の20年がよくわかった。
技術的に細かいところまで記述してあり、著者の長年のリサーチがよくわかる。 -
いまのsonyの苦境の原因がよく分かる。良くも悪くも久夛良木さんという、有能だけど強烈な技術者にsonyは振り回され、未だにそこから脱却できていないように思える。この本では対比的に書かれていないが、sonyがPS3にとり憑かれている時に、appleやgoogleは全く違う動き方をしている訳で、空気を読めないというか、ゲームという、ある種オタクの世界に埋没しているsonyの様子がよく分かる。もう思い切ってsonyはPSというキーワードを一切捨ててしまってはどうだろうか?PSvitaを見ても辻褄合わせに四苦八苦している訳だし、むしろPSがない方が、合理的に行動できるように見える。jobsに率いられたappleと、久夛良木さんに率いられたsonyの差、という事なのだろう。
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ハード、ソフトウェア、ネットワークサービス。その融合。
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任天堂とのゲーム戦争を追った「美学vs.実利」から4年。ソニーの苦境は日本のモノ作りが世界で直面する課題を象徴する。西田宗千佳さんの丹念な取材とそこから導き出される提言は唯一無二。