白い馬

  • 講談社
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感想 : 16
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  • Amazon.co.jp ・本 (36ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062177955

作品紹介・あらすじ

「おまえは自分のいく道がわからないのだろう。それを探しにいくのさ」不思議な白い馬に導かれた少年は、馬の背中に乗り、空高く舞い上がり…。東山魁夷の名画と、遺した言葉から織りなされる物語。「白い馬」が初めて登場した作品「緑響く」から40年。東山魁夷研究の第一人者が描く、その「詩と真実」とは-。巻末には解説と実作品も掲載。

感想・レビュー・書評

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  • 白い馬
    2017.07発行。字の大きさは…大。

    東山魁夷さんの版画を見たのは、40年以上前から北鎌倉の円覚寺で毎週座禅を組んでいました。その翌日に、鎌倉山か…で見たのが始めてでした。凄く印象的な版画で、いまでもその時の記憶が残っています。

    ページを開けていくと、静けさと、深み、そして心が落ちついて来ます。
    表紙の「緑響く」は、他の絵と比べると白い馬が一頭いるだけで、違った奥行きと、静けさと、深みを感じます。
    そして胸が騒ぎだします。
    なにか、行かなければいけないような……。
    2021.01.07読了

  • ちなみに、この作品は、やまさんの感想を読んで、出会うことができました。やまさん、いつもありがとうございます。

    東山魁夷という、素晴らしき風景画家の存在を初めて知り、とりあえず、「プラーハ」と「第39番」を聴きながら(ピアノ協奏曲は家に無かった)、何度も何度も眺めては、溜息が零れ、私の心が絵の中に入りこみそうな錯覚を覚えるくらい、魅入られてしまう。雄大で幻想的で涼しげであるのに加え、明るい気分にもさせてくれる。

    また、表紙の「緑響く」は、白い馬が一頭いるだけで、また違う雰囲気を感じました。他の絵と異なり、森の木々と、湖面に映ったそれらだけを接写しているせいか、幻想性がより増しているようにも感じられます。吸い込まれそうな美しさ・・

    静寂の中、唯一聞こえる馬の足音。そのリズムを包みこむような、オーケストラの響き。絵画と音楽の自然な邂逅という解釈にも納得できましたし、それぞれが重なり合うことで、作品の新たな一面を知ることもできるのだなと。

  • たまに東山さんが描かれた緑の色彩にふれたくなります。圧倒されっぱなしの作品が多いですが、こちらの本の表紙の馬に心惹かれ、絵本だったら思った時に開けるので、買いました。池のほとりの白い馬に導かれ旅をする。物語よりやはり絵がメインです。絵画と音楽が好きな方にはオススメかも。
    巻末の解説が参考になります。

  • 青色がかった静かな景色と、優しい存在感を放つ、白い馬。
    あ、きっと夢の中だと思ってしまう幻想的な文雰囲気が漂っている。
    舞台はモーツァルトの故郷オーストリアだった。
    画家の東山魁夷は戦前生まれの日本画家だが、ヨーロッパの風景画も数多く残していることを初めて知った。
    私もアルプスの壮大な自然と、音楽文化に彩られた美しい街へ一度行ってみたくなる。

  • 表紙の絵「緑響く」を見ただけで、うっとり。
    思わずため息が漏れる位見とれてしまう。

    原田マハさんの影響で好きになった画家・東山魁夷さんの絵に、いわさきちひろの長男・松本猛さんの文章、というなんとも贅沢な絵本。
    白い馬が読み手を導いてくれるのは東山さんの雄大で心が洗われる位に素敵な世界観。
    東山さんの創る緑色はどうしてこんなにも深いんだろう。
    その深くて鮮やかな緑色の森の中でひっそりと佇む白い馬。
    このコントラストがたまらない。
    長野にある東山魁夷館に行ってみたくなった。

  •  日本画家の大家・東山魁夷氏の連作、『白い馬』シリーズを幻想的な物語調に仕立てた絵本。
     主人公の少年は、深沈たる森の池の畔で、不思議な白い馬と出逢う。
     その馬に導かれるまま、ドイツ・オーストリアの街を旅するうちに、少年は、馬の正体と、己(おの)が進む道を見出してゆく。
     東山作品の清浄な透明感、柔らかいタッチ、世界と自然に対する敬意、品格漂う空気が全面に満ち、まるで音楽を聴いているような心地になれる。
     寧ろ大人向けと言える、とびきりの『名画を読む』絵本。

  • 東山魁夷がモーツァルトを好んで聴いていたこと、知らなかった。魁夷の「白い馬」は有名で観たこともあるけれど、このお話とこの解説を読んでもう一度観たいと思う。

  • 東山 魁夷 (著), 松本 猛 (著), 東山 すみ (監修)

  • 東山魁夷の白い馬の絵を見たくなったので、検索していて見つけたもの。いわさきちひろの息子さん松本猛氏が「緑響く」を中心に、ドイツオーストリアで描かれた絵を並べ、魁夷の心情を思い、文章を書いたものだそうです。少年が白い馬に導かれ、背に乗って色々な風景と出会います。最後にある解説を読んで理解すると2度目はまた違ったイメージで楽しめました。私は白い馬を見たかったので白い馬からの風景というイメージではほとんど馬が出てこなかったのは残念でしたが、日本の風景でなくても魁夷の絵は静かで優しかったです。

  • 画家の描いた絵を、作家が並べてストーリーをたてた本。
    画家のバックグラウンドに引き付けたストーリーだが、こども向きではなかった。
    絵はとてもきれい。

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著者プロフィール

1908年横浜に生まれる。31年東京美術学校(現・東京芸術大学)日本画科卒業。33-35年ドイツ留学。69年文化勲章受章。74年日展理事長。75年唐招提寺御影堂障壁画「山雲・濤声」82年唐招提寺全障壁画完成。99年死去(90歳)。

「2022年 『東山魁夷アートカレンダー 2023年版 <大判>』 で使われていた紹介文から引用しています。」

東山魁夷の作品

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