- Amazon.co.jp ・本 (332ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062178501
作品紹介・あらすじ
『カラマーゾフの兄弟』で描かれる父殺し。その真犯人は別にいる。
歴史的未解決事件の謎が今ここに解かれる。
高野史緒さんの第58回江戸川乱歩賞受賞作。
感想・レビュー・書評
-
20120829日経エンジョイ読書☆☆☆☆
思えば昨年の今頃は「完盗オンサイト」を読んでいたっけ。
そうか。同じ賞だったのかと、読了後に知らされることとなる。
今野敏さんこそ反対だったらしいが、
他の作品を読んでいないので何とも言えないが、
その他の審査員がこれを選ぶのも無理はないなと思った。
確かに。読み応えあり。
途中、すんなり入ってこれない部分も、自分にはあるにはあったのだが、
それ以上にその後の展開が気になって、ついつい読み進められた。
原作こそ読んだことがないのだが、
この作品があちらこちらで見かけられるようになるちょっと前、
これもまたタイミングよく、某歌劇団が公演した本編「カラマーゾフの兄弟」を観る機会があったので、物語にすんなり入っていくことができたが、それだけでは網羅できていない詳細なども、本作では丁寧になぞらえているようで、本編を読んだことがない人でも、おいてけぼりを感じることなく、
むしろ本編が読みたくなるくらい、うまく構成されている印象を受けた。
これだけ物語が書けるということは、それだけ本編を読んで読んで読みこなし、加えて著者の並々ならぬ情熱を感じた。
どの方も、以後この手法を使うには要注意と記していたが、
確かに。同感。
ちょっと違うかもしれないけど、例えて言うなら平原綾香の「jupiter」みたいなもんですから。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
面白かった。
1冊読んで2冊読んだお得感。
「カラーマーゾフの兄弟」の13年後を書くなんてよく考え付いたな~
しかもよく読み込んであるのだろう。
「カラマーゾフの兄弟」を読んだことのない私でも読んだ気になったもの。
ロケットやコンピューターも出てきてこれまたびっくり。
この時代にこれは可能かちょっと知りたくなる! -
#読了。第58回江戸川乱歩賞受賞作品。
ドストエフスキー「カラマーゾフの兄弟」の続編として描く。13年前の父殺し、「カラマーゾフ事件」から13年、次男イワン・カラマーゾフは真相を究めるために故郷に降り立つ。
連続殺人事件、心理学プロファイリング、多重人格による緊張感。そして、皇帝暗殺計画と盛りだくさん。惜しむらくは、読むのに日数がかかりすぎてしまったこと。 -
カラマーゾフ家の次男イワンが、内務省未解決事件課の特別捜査官となって13年前に起きた「カラマーゾフ事件」の真相を突き止めるという内容。心理学者のトロヤノフスキー氏(前任者の作品には登場しないらしい)が相棒?のような位置にいるので、王道ミステリっぽい面白さがあって、さくさく読めました。
「カラマーゾフの兄弟」を未読の私には、作中に登場する「カラマーゾフの兄弟」という著書自体が架空のようで、不思議な感覚でした。「カラマーゾフの兄弟」には長くて粘っこいイメージがあって、興味はあるがなかなか手が出せないという作品のひとつでしたが、この本のおかげですごく読みたくなってきました。犯人が分かった状態で本格ミステリを読みかえす時のような気分になれるかしら? -
全編を流れる暗く重苦しい不気味さが一種独特の魅力となって心を引きつけてやまない。ドストエフスキーのカラマーゾフは知らなくとも、ところどころに原作抜粋がちりばめられており、高野史緒版カラマーゾフを存分に楽しめるつくりこみとなっている。大どんでんあり、意想外の結末ありで随所に驚きと興奮があった。最も印象的だったのは、倒錯的射精から滴り落ちてくるおぞましさと恐怖。人間の心理の多様さと深さを思い知らされた。
-
図書館で長いこと待って借りて読んだのだが。。。
全く入り込めなかった。
外国が舞台だからか??原典を読んでいないから??
何が評価されているのかわからなかったなー。 -
原作は読んだことがないが、今作には惹きこまれた。原作の穴を突くストーリー展開だけでない。長編+宗教に基づく考えが非常に読み進めづらいと「評判」の原作の世界観を、日本人の読者にも読みやすくしているという要素も評価されていいと思う。作者の本業はSF小説だということだが、ぜひミステリーの次回作も期待したい。
-
かなりおもしろかった。ちなみに兄弟は読んでおりませんが。。。大丈夫でした!!
-
2013/03/21
-
-
カラマーゾフの兄弟の続編という設定。
そもそも本編を読んでいないのに、十分楽しむことができた。
そして、ぜひ本編を読んでみようという気になった。-
「ぜひ本編を読んでみようという気になった」
高野史緒の思うツボに嵌りましたね!
私が昔読んだのは米川正夫訳(岩波文庫)でした、新しく亀山郁...「ぜひ本編を読んでみようという気になった」
高野史緒の思うツボに嵌りましたね!
私が昔読んだのは米川正夫訳(岩波文庫)でした、新しく亀山郁夫訳(光文社古典新訳文庫)が出たのですが5巻目「エピローグ別巻」が気になってる。光文社新書に「『カラマーゾフの兄弟』続編を空想する」と言うのも書かれていて、読みたいと思っています。。。2012/12/06
-
-
[2012.10.17]