内向型人間の時代 社会を変える静かな人の力

  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (360ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062178594

作品紹介・あらすじ

ビル・ゲイツもガンジーもウォズニアックもみんな内向型人間だった!

内向型の人とは、喋るよりも他人の話を聞き、パーティで騒ぐよりも一人で読書をし、自分を誇示するよりも研究にいそしむことを好む人のことだ。アメリカ人と言えば、社交的で自己主張が激しそうなイメージがあるが、実際にはその三分の一が内気でシャイな内向型だという。これはアメリカに限ったことではない。

外向型が重視されるアメリカにおいては、内向型の存在感は薄く、出世競争でも不利になりがちだ。本書は、内向型が直面する数々の問題を浮き彫りにするとともに、あまり顧みられることのない内向型の強みと魅力を明らかにし、その個性を伸ばして生かす方法を模索する。

同時に、外向型の欠点や問題点を挙げ、外向型の人は企業のトップにふさわしいか、チームで作業するやり方は本当に効率的なのか、などの問題も議論する。現代アメリカ社会の内部分裂を浮き彫りにする衝撃のドキュメント。

全米ベストセラー

感想・レビュー・書評

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  • この本は「内向性の魅力と付き合い方」について伝えている。

    本書は1950-1960年代に起きた公民権運動において、マーティンルーサーキング牧師とともに立ち上がった静かな女性、ローザ・パークスの物語から始まる。皆の前に立ち、演説をし、全体を率いる所謂リーダーとは異なり、静かに抗議する彼女。だからこそ、多くの人が付いてきた。彼女の持つ魅力とは?

    その名は、内向性(or内向型)。

    「アメリカ人の1/3から2/3は内向型人間である」

    本書は、おそらくほとんどの人が驚きを隠せないこの事実に続いていく。多くの人がアメリカと言えば、社交的でオープンな人たちが多くいる国というイメージを持っているのではないか。

    では、その内向型とはなにか?

    1921年、カール・ユングによると、内向型の特徴とは

    ・自己の内部の思考や感情に惹かれる
    ・周囲で起きる出来事の意味を考える
    ・一人になることでエネルギーを回復する

    という特徴があるという。対照的に、外向型は、以下の特徴を有するという。

    ・外部の人々や活動に心惹かれる
    ・出来事に自分から飛び込んでいく
    ・十分に社旗で活動して回復する

    このように、外向型・内向型に関する研究やその変遷などが紹介される中、著者は1つの疑問を、読者に投げかけている。

    「内向型でいることは悪いことなのか?」

    現在、多くの国の教育や会社環境で、「外向型になるための教育や習慣」が実施されている。テーブルをくっつけ、グループディスカッションさせる。周りの人の顔が一望できるオープンオフィス。

    ただ、それは本当にすべての人にとっていい環境なのだろうか?

    多くの内向型の人がこれを読んで、「そうか、別に今の状況は悪いことではないのか」

    と、思える一冊。人前で話したりプレゼンしたりするのが苦手なあなたでも、素晴らしいリーダーになれることを示している本。おすすめです。

  •  思えば昔から、「E(私)は勉強が好きだから」と(時には賞賛を、時には皮肉を込めて)周囲に言われて育ってきました。
     私からすれば、知的好奇心を満たしてくれて一人で取り組める学業は肌に合い、反面、騒がしいクラスメイトとの交流は不得手でした。同世代の子たちが「何故?」と思えるようなことで盛り上がっているのを遠巻きに眺めているような子でした。
     そしてそんな態度が、(私にはまったくそんなつもりはないのに)見下している、蔑んでいる、孤高を気取っていると言われたこともありました。

     本書のことは少し前から気になっていて、いつか読みたいと考えていましたが、とうとうその時が来ました。
     もっと早くに読んでいたら良かったのに! と、思わずにはいられませんでした。

     いままで、「陰気」「卑屈」「社交性がない」「頭の悪い人間を馬鹿にしたよそよそしい態度」と内向性のことを悪く言う意見にばかり出会ってきましたが、やっと“自分側”のチームに加入できた。そういう気持ちです。

     かといって、外向型の人間を過度に見下したり、内向型と外向型を対立させるような構図は本書では採られておらず、
    「どちらも世界には必要な存在。でも、外向型の世界はもっと内向型を評価してもいい頃だよね」
    という本書の立場には大きく賛同できます。

     自分にはどうやらHSP気質もあるようなのですが、HSPを謳う本にはHSPとそれ以外を分けて「HSPでない人達は~(否定的意見)」と書いてみたり、HSPは素晴らしいということを書きたいがために、それ以外の人々を貶めてしまっている本が少なくありません。そういった本を読んだことがあるからこそ、この本は本当に素晴らしいということがよくわかりました。

     私もそうなのですが、内向型の人々が他人に「放っておいて欲しい」と感じる主な原因は、自分の周りの人々が「同じテンションになれよ」と強く求めすぎるからなのだと思います。

     少し離れた場所から皆を見ているのは、馬鹿にしているからでもなければ相手を嫌っているわけでもなく、ただそこ(部屋の隅)が最も心地良いから。それに尽きるのです。

     以前、職場で同僚に「Eさん(私)って三人以上になると急に静かになりますよね」と非難めいた感じで言われたことがあるのですが、それも本当に難しい問題で、考えてから話すタイプの私と、おしゃべりが得意なその他大勢とでは会話のテンポや深さが全く違うので、なかなか噛み合いません。妥協策として取れたのは、同意していますよというサインになる頷きや相づちだけは(自分の頭が考え事でビジー状態の時でも)必ずするということくらい。ところが、不思議なことに同じタイプの人と一対一なら、五時間でも六時間でも平気で話せるのです。
     これを私は単なる「相手との関係性の問題」と考えていましたが、本書を読んでその答えが漸く理解できました。

     通して全文を読み終えた今抱いた感想は、「私、今のままでもいいんだ」ということです。
     ブラッシュアップ(磨きをかける)する必要はあるけれど、リビルド(再構築)する必要はどこにもない。それどころか、リビルドは自己否定してしまうことになるし(今の自分がダメだからやり直すということ)、折角持っている才能の芽を失ってしまうことかもしれない。
     そう考えると、これからの人生が少し楽しみになってきました。

     内向型の人はもちろん、「物静かな人がどうも苦手なんだけど」と感じている外向型の人には是非読んで頂きたい内容です。両方が互いに手を伸ばさなければ協同することは難しいのです。

  • 自分が内向型人間であると自信を持って言えるようになりました。まだ内向型という言葉にネガティブなイメージを持たれる時代かもしれませんが、これからはソフトパワーがもっと必要となる世の中になりそうな予感はします。自分のもつ内向型人間の強みを信じて活かしながら、仲間を見つけるために目を凝らしたいと思います。

  • 内向型人間が自分に自信を持て、自分の素質を無理なく伸ばそうと思える本。外向型がキラキラと眩しく見えやすい環境は多いが、自分の素質に素直になり、自分の良さを認め、いかしていきたい。

  • 久しぶりに読みたい本が図書館にあったので借りてみた。読みたいと思ってから1年以上経っているがww

    書いてあった内容で、経験上激しく同意できるのが
    ・ぶっちゃけコミュ力高いやつとか無能、口だけ
    →行動力はあるが深い考察が出来ない。優秀そうに見えるのは声デカくて意見が通りやすいから
    ・ぶっちゃけグループワークとか超無駄
    →声でかい奴の意見が通りやすいってだけで、みんなで考える意味無し。んでもって声でかい奴は得てして無能
    ・ぶっちゃけブレインストーミングとか意味ない
    →みんなまわりの顔色伺いながらアイディア出すから突飛なアイディア出ないし、一人ひとり個別に考えたほうがマシ。

    って感じで人事部涙目www現行の新卒採用システムとかくその意味もないwwwwwwwm9(^Д^)プギャーって感じの内容が結構あっておもろかった。

    *本書はここまで外向型人間を蔑んでいませんのでご安心を。

    あとは、世の中リーダーシップ(笑)、コミュニケーション能力(笑)とか言ってるけど、内向型の人間は無理やり自分を外向型に矯正しようとしないでもっと自分を活かせる環境に身を置くべし。今の環境が居心地良くないならさっさと場所変えるべし。みたいに書いてあって仕事したくなくなったwwwどうしましょうwwww

  • 久々にすごく納得できる本でした。
    内向型の人は実は敏感すぎるのだとか、「回復の時間」が必要だとか、外向型の人は会話しながら考えることが出来るとか、でも内向型/外向型と協調性とはまた違う問題とか・・・。
    ひとつひとつ、今までの疑問が解けた気がします。

    ジャンルとしては認知心理学系の話題だと思いますが、とても読みやすいです。セリグマン氏の本以来ですね、このジャンルでこんなに良い本に出会えたのは。

  • 親は、
    ハキハキした子、とか
    授業中に手を挙げる子、とか
    学級委員になる子、
    を望むけど、
    人の潜在能力って見えないよね、
    と納得した一冊。

    素晴らしい本です

  • うわ、これ登録してなかったんだ
    大学2年生くらいで読んでめっちゃ学んだし救われた
    扁桃体の反応とか科学に裏づけされた内容のおかげで客観的な違いとして考えられるようになって安心できた

  • その性質がゆえ、取り沙汰されることは珍しく、難しかった、内向型人間の思考や強みについて焦点が当てられ、それに世界中が注目してミリオンセラーとなった、異例の本だと思います。内向型として、とても共感できるエピソードばかりでしたし、読んだことで、腑に落ちたことが多くありました。

    内向型人間という、少数派の、しかし一定数確実に存在する人たちの詳細について、世の中に知れ渡ることで、内向型が生きやすくなっていくんじゃないか、その大きな一歩となる本ではないかと感じました。
    外向型と内向型、決して反りが合わないのではなく、むしろお互いがお互いを必要としているという。身に覚えしかありません。全体的に、勉強になる本でした。

  • 日々感じていたストレスの原因というか生きづらさというかどんな風に考えればいいのか、考え方にすごく納得した。
    訳書ということもあり少し分かりずらかった部分もあったけれど本質的に的を射た意見が多くありすごくためになった。

    また数年後に読み返したい。
    その時その時で感じ方学べることが変わる気がするので。

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著者プロフィール

プリンストン大学卒業、ハーバード大学ロースクール修了。ウォール街の弁護士を経て、ライターに転身。『ニューヨーク・タイムズ』『ウォールストリート・ジャーナル』紙、『アトランティック』誌などに寄稿するほか、企業や大学などでコミュニケーション・交渉術の講師を務める。TED2012の”The power of introverts”と題された講演は2500万回以上インターネットで視聴され、ビル・ゲイツお気に入りの講演の一つとして紹介されている。本書は1作目の著書で、すでに40言語に翻訳され、アメリカでミリオンセラーとなった。

「2020年 『内向型人間が無理せず幸せになる唯一の方法』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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