天平グレート・ジャーニー─遣唐使・平群広成の数奇な冒険

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (386ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062178648

感想・レビュー・書評

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  • 遣唐使の帰路、崑崙まで流され、六年かけて帰国を果たした平群広成の話。万葉集を専門にされている作者だけあって、当時の風俗などが詳しく描写されていて、興味深く読んだ。外交駆け引きや唐への朝貢(張り切って行ったのに待遇がイマイチ)も、こんな感じだったのだろうなと。
    香木大活躍とか、阿倍仲麻呂の性格の悪さとかがおもしろかった。井真成も出てきて嬉しい。まさにオールスターキャスト。

  • 小説だけど、その時代の学者が書いているせいか、ドキュメンタリーのようで、予想以上に面白かった。特に半ばから最後までが波乱万丈、まさに冒険、グレートジャーニー。歴史小説はあまたあれど、天平時代が舞台なのは珍しいのではないか(資料が少なそうだし)。吉備真備とか阿倍仲麻呂とか、教科書でお馴染みの人物が実はこんな風だったのかと、想像が膨らむ。外交の駆け引きってこんな昔から大変でめんどくさいものだったのだとしみじみ。

  • 小中学校で習った遣唐使!こんなにも壮大な物語がかくれていたなんて、誰も教えてくれなかったなー。1200年以上も前の人々のドラマが目の前に・・・
    阿倍仲麻呂の北方の熊と北方の虎があい争いましても、東方のどぶ鼠は、どちらに味方してもよくない。という言葉は、先見の明ですね〜
    好きだった吉備真備の別の顔もみることができたし(ちょっとざんねんだったけど、この本を読んでみるとそうでもしなければ、賢者にはなれないんだなーともおもいましたね。)地名としてだけ知っていた平群という言葉。平群朝臣広成という人物も私の好きな歴史人物の仲間入りができました。
    子供達に遣唐使の話を上手く伝えていきたいです。

  • たった500字程度の遺された文(「続日本紀」)
    から
    これだけの小説にしてくださっている
    その事に 拍手

    それも 著者が愉しんで(と思うのですが…)綴っておられる
    様子が それぞれの歴史上の超有名人の描きように表れている
    ように感じました

    実に興味深く描かれた登場人物の一挙一動を横糸に
    きちんと裏付けのある歴史的な史実を縦糸に
    読み応えのあるエンタテイメントの一冊として
    読ませてもらいました

  • 西暦733年の遣唐使、平群朝臣広成の波乱万丈のグレートジャーニー。でも一番びっくりしたのは香木の価値。

  • たんたんとして、出来事の羅列のようで、それでいて必要なことは過不足なく伝わり、そこに生きた人々の思いも確かに感じられる、しかもさらりと書かれているがかなりの大冒険!非常に面白かった。

  • 本職の小説家ではないせいか文のこなれ具合は今一つだが、題材や話の展開は面白い。
    約1500年前の人々が生き生きと描かれている。

  • 遣唐使の判官である平群広成が巡った広範囲にわたる旅行の物語。著者は、この時代がご専門の学者。ストーリーテリングとしては、今ひとつだが、題材が面白い。 奈良時代、旅行記、冒険などが好きな人には向きます。

  • 読みやすい!ストーリーも面白い。しかし、作品としての完成度はあまり高くないかな…。作者は大学の先輩というのは驚きました。

  • 過積載と嵐のせいで難破、遭難してしまう遣唐使たちの物語。

    主人公の平群広成の凡人だけど、純朴なところが共感を呼びますな。国のために働きたい、という公共心と私欲のバランスをとりつつ働く登場人物たちの姿がリアルでよい。

    しかし、新羅や渤海を虎や龍にたとえ、日本をネズミと考えるってのはちょっと自虐すぎない?と思いました。唐に対しても同様。まー、当時から「からごころ」っつう外国をありがたがって、自国を低く見る傾向はあったんでしょうけど。

著者プロフィール

奈良大学文学部教授。著書『万葉文化論』(ミネルヴァ書房・2019)、論文「讃酒歌十三首の示す死生観—『荘子』『列子』と分命論—」(『萬葉集研究』第36集・塙書房・2016)など。

「2019年 『万葉をヨム』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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