中夏文明の誕生 持続する中国の源を探る

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本棚登録 : 38
感想 : 8
  • Amazon.co.jp ・本 (274ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062178655

作品紹介・あらすじ

広大な国土に13億という膨大な人口を擁する中国。この国を文明史のレベルで読み解こうとするとき注目されるのは、文明の誕生以来今日まで、ほぼ同じ地域で同じ文化が継続されたことである。紀元前2000年頃生まれた最古の夏王朝が作り上げた「儀礼」、殷の時代に生まれた「漢字」、秦の始皇帝が利用した「中華」という世界観。中国文明を世界に例を見ないものにしたこれら三つの柱の生成の謎にNHK取材班が総力を挙げて迫る。

感想・レビュー・書評

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  • 中国の歴史の覚え方は「殷、周、秦、漢・・・」だったが、殷の前に『夏(か)』と呼ばれる王朝があった!!番組を見た方もみえると思うが、取材の裏話や映像とナレーションだけでは伝えきれない部分など、やはり本の方が情報量が多い。

  • 近年の歴史・考古学の成果が端的にまとめられていてよかった。著名な専門家のコラムも掲載されていた興味深い。ただ、記述に微細な過ちが見られる。たとえば、荘公光(在位:紀元前553年-全548年)を「斉の王」(P.43)と書いているが、正しくは斉「公」とすべき。その後、葵邱の会で周「王」の元の秩序が確認されるのに、まだ(楚国以外の)諸侯は公式に「王」を僭称したりはしない。
    ただし、このようなミスは些細な部類に入り、本書の評価や、著者の努力や日ごろの勉強を覆すには当たらない。念のため。

  • 20年あまり前の教科書の知識では黄河文明が世界四大文明の一つ、実在した中国最古の王朝は殷だった。しかし今や殷より前の夏の存在が確認され、また黄河流域以外の地域にも同時代に文明があったことが分かる。本書で紹介されている新発見の多くが2000年代以降であり、これが考古学の面白さなのだろう。また、夏から2000年ほど後の司馬遷の「史記」がかなり事実と符合しているのにも驚かされる。「華夏」「中華」概念が多民族を包括していることは現代中国の理解の一助になるだろうが、現代の問題と結びつけなくとも単純に面白い。

  • NHK特番の書籍。番組よりも詳細に記述されていてあきなかった。

    コラム書いていらっしゃる方が著名だし、さらには割と一般向けなので読みにくくもない。

    普段とは違う視点で、中国古代が感じられて面白かった。

  • ★2013年3月6日読了『中夏文明の誕生 持続する中国の源を探る』NHK中国文明の謎取材班著 評価B
    世界四大文明のうち、その文化が全く途切れずに今まで継続しているのは、中国文明のみ。なぜ中国文明だけが、脈々と受け継がれてきたのか?

    その原因は、大きな言語の世界で唯一残っている表意文字の漢字ではないかという考察。紀元前の古代には、東アジアの盟主として、朝鮮、モンゴル、日本などの東アジア周辺諸国へ文化的な貢献を成し、それら周辺国の源流を作り出したのが、中国文明である。その源は、殷からさらにさかのぼって、夏という王朝にたどり着いており、それは中国の国家プロジェクトで発掘が進んでいる。

    また、中華はもともとは『中夏』であり、現在の中国という国家レベルの意識が芽生えるのは、その中夏をスタートとする漢民族優越思想が、戦国春秋時代を経て、全国統一を果たす紀元前210年代の秦であった。その後、歴代王朝は、漢民族支配から元を除き、満州族の清に至るまで、中華思想または漢字文化をその支配の中心にすえて統治を続けてきた。それにより、中国文明はその創世紀から、長く持続し、現在の中華人民共和国でも、中国第一の中華思想に基づいてその厳しい統治と拡大政策は続いて行くだろう。

    私が世界史を習った頃は、殷が最初だったが、発掘研究の進展の結果、現在は夏まで王朝の確認が進んでいること。中国文明の持続性は、世界唯一の表意文字である漢字によって保たれたというのは、面白い説だと思う。

    鄭州市訪問の際には、博物館展示の青銅器の数とその精緻さに圧倒されたものだったが、それらがまさに中国文明源流の象徴であったことを思い起こさせてくれた。

  • 夏王朝にはじまる(、としておこう)中国についての考古学の本、と一口にいうのは憚られるほどに、なかなかに凝縮されている本。中「華」思想と「夏」の関係、そして漢字の存在が四大文明の中で生き残った理由としてあげられる。ぼんやり知っているようなキーワードが、思わぬ視点で繋げられる面白さがある。「ひとつの中国」という言葉には、いろいろな思惑があるけれど、この本にある、いま使われているそれとは違う「ひとつの中国」も知ることが出来てよかった。

  • 漢字はすごい

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