- Amazon.co.jp ・本 (314ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062178839
感想・レビュー・書評
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妹思いの真面目な青年、小沢裕輔が殺人犯として警察に追われる… 本当に裕輔が犯人なのか、犯人ならその動機は… ミステリーの要素を含んだ家族愛を描いた秀作。ラストの妹から兄に宛てた手紙を読み、感涙。『悪党』も素晴らしい作品だったが、この作品もまた素晴らしい。
『天使のナイフ』以来、救いの無い物語を描いていた薬丸岳だが、『刑事のまなざし』から作風が変わって来たように思う。
ネタバレになるので詳しくは書かないが、『逃走』というタイトルも良い。自分にはそういう意味かと非常に納得出来た。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
重い内容の本を読んだ後の、
軽くさくさく読める息抜き的な本。
あぁそう、あぁそう、と思いながら、さっさと読んだ。
可もなく不可もなく。 -
傷害過失致死で人を殺してしまった祐輔の逃亡劇。
単なる逃亡劇ではなく、あらゆる人物がお互いを思い合い、人情ものに仕上がっているのは、さすが薬丸岳。
だけど、18で自分を産んだ母親に、4つも年上の兄がいたら、普通、血のつながりがないのは気づくものじゃないのか?そこだけが何故か抜けてる気がした。いい作品に仕上がってるだけに、残念。 -
薬丸岳さんの作品はすべて読んでいます。
いつも、読後、考えさせられることが多いです。 -
2008年から2009年に新聞連載されたものを大幅に改稿して2012年に刊行された薬丸岳作品。
後の『ハードラック』『誓約』と同じく、逃走サスペンスではありますが、今作、人を殴打した際に誤って殺してしまい逃走する青年、彼を心配する妹、殺された人物と顔見知りの刑事、の3人の視点で描かれるため、逃走サスペンスとも、加害者家族を描いた社会派サスペンスとも、刑事物とも読めますが、自分としては、それぞれに興味が分散してしまいました。
流石の薬丸クオリティを保ってはいますが、薬丸岳作品の中では軽い読み応え。
読み終わって、テレ朝・東映の刑事ドラマの中でも切ないストーリーを観終わった時のような感じもしました。 -
初めて手に取った作家。なかなかの切ない展開ではあったけど、ミステリとして面白かった。他のも読んでみたい。
個人的には新婚旅行で行った白浜が出てきたり、広島が出てきたりと偶然にも縁のある地名ばかりだったのてやたら親近感が湧いた。 -
児童養護施設で育った兄妹。
ラーメン屋の店主を殺害した兄は、ある目的を持って、警察の操作から逃げ続ける。
隠された事実、2人の不幸な過去が徐々に明かされていく。
読みやすく、先が気になり、一気に行きました。
途中である程度予測がつき、その予測はほぼほぼ当たっていましたが、少しあっけない終わり方だったかな。
それぞれの愛が深いがために起こった殺人事件。
不幸な2人に、いつか幸せな日々が来ますように。