真実への盗聴

著者 :
  • 講談社
3.19
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本棚登録 : 135
感想 : 31
  • Amazon.co.jp ・本 (258ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062178884

作品紹介・あらすじ

結婚して間もない七川小春は、勤めていたブラック企業を辞職した。少子高齢化が進み年金負担が激増するなか、小春は寿命遺伝子治療薬「メトセラ」を開発しているアスガルズ社の採用試験に応募する。面接官の黒崎は、19年前、小春の遺伝子治療を担当した男だった。小春の聴覚の発達を知る黒崎は、「メトセラ」の販売を阻もうとする子会社に、小春をスパイとして派遣する。

感想・レビュー・書評

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  • 2021.06.26

  • 遺伝子治療による寿命延長や能力強化はSFっぽいが、少子高齢化による年金破綻はとても現実味がある

  • 近未来SF。
    わたし定時で帰ります描かれていた現代社会の矛盾や、世代間格差、男女格差をシャープに問題提起している。

    小説の出来はともかくとして、将来に絶望したくなるくらいにはこの日本はもうどうしようもない位に終わっている気がする。

  • 秘密を打ち明けると何かが変わるかもしれない。
    みんな多かれ少なかれ秘密を持っている。
    秘密を打ち明けることが全てではないけど、
    歩み寄る一歩にはなるかもしれない。

  • +++
    結婚して間もない七川小春は、勤め先のブラック会社を退職した。高齢化が進み年金負担が激増する社会で、小春は寿命遺伝子治療薬「メトセラ」を開発したアスガルズ社の採用に応募する。
    じつは小春は19年前に受けた遺伝子治療の副作用で、聴覚が異常に発達していた。その秘密を知るアスガルズ社の黒崎は、「メトセラ」の製品化を阻もうとする子会社に、小春をスパイとして派遣する。
    +++

    はっきりと時代は書かれてはいないが、どうやら近未来の物語のようである。遺伝子治療、年金破綻、格差拡大、極端な少子高齢化、そして、サプリメントのように気軽に服用できるという触れ込みの延命薬の実用化。どの要素も、本当にすぐそこまで迫ってきているような恐ろしさが、足元からひたひたとせり上がってくるような気がする。人としての幸せとはなんだろう、と考えさせられてしまう一冊である。

  • ここまで耳が良すぎるのも大変だわ。
    それを利用しようとする嫌なヤツも寄ってくるしね。
    誰を信じたらいいのか? そう思ってしまう自分のことも嫌いになりそう。

  • 9歳のとき受けた遺伝子治療の副作用で聴覚が異常に発達したというシチュエーションも面白い。
    しかし、年金問題。 長男坊が直面したばかりなので、真実味がある。
    小春のおばあちゃまやご主人がとっても素敵。

  • 80:超高齢化が叫ばれる日本、増加する高齢者の生活を支えるための年金制度は破綻を目前にしていた。若者たちは高額な年金保険料を支払う義務があるが、いざ自分たちが年金受給の年齢に達したとしても、受給の見込みはない。高齢者は年金で悠々自適の生活、若者たちはワーキングプア状態に……という、どこかで聞いたようなシチュエーションの国が舞台です。
    主人公の小春は幼いころ、難病の治療のために遺伝子改変治療を受け、そのために聴覚が異常に発達してしまった。その「能力」を買われ、事業者金融で取り立てに明け暮れる毎日。そんな生活が嫌で退職を決意した小春が耳にしたのは、寿命を延長する遺伝子改良薬「メトセラ」のニュースだった。「メトセラ」の開発は、かつて小春に投与された遺伝子改変薬を製造したのと同じメーカーで……。
    前作「海に降る」がものすごく面白かったので作者買いしましたが、外れませんでした!
    二転三転する物語、黒幕は、真の黒幕は誰だ、というミステリ的楽しみ方もできるし、クライマックスのシーンのノンストップ・アクションを楽しむこともできるし、軽めの社会派小説としても楽しめるし、おいしい一冊でした。キャラクターが主張しすぎないのもいい!

  • メッチャ面白かった
    のに・・・タイトルよ
    もっとナンかなかったかなあ~

  •  主人公の七川小春は、普通の人の何倍もの聴力を持っている。9歳の時、遺伝子治療を受けたときからだ。

     小春は就職氷河期に新卒で入ったブラック企業を強引に退職した。再就職のため面接に行ったのはアスカルズという製薬会社。アスカルズには落ちたが、その面接官であった黒崎に呼ばれ、子会社への入社を勧められる。
     だが、その役割は子会社ASSの内情を、その聴力で探ることだった。社長を中心としてアスカルズ本社に対抗する秘密結社があるというが……。

     読み進めるうちに、アスカルズやASSの謎めいたところが興味をかきたてられていきました。年金問題や世代間の格差なども盛り込まれています。
     就職もままならなかった若者と高度経済成長で、頑張れば収入がついてきた時代の人と意識の差も大きいのでしょう。

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著者プロフィール

東京都生まれ。2009年、『マタタビ潔子の猫魂』でダ・ヴィンチ文学賞大賞を受賞し作家デビュー。『海に降る』『わたし、定時で帰ります。』が連続ドラマ化された。他の作品に『くらやみガールズトーク』『会社を綴る人』『対岸の家事』『賢者の石、売ります』『超聴覚者 七川小春 真実への潜入』『真壁家の相続』『駅物語』など。

「2019年 『マタタビ潔子の猫魂』 で使われていた紹介文から引用しています。」

朱野帰子の作品

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