日本をダメにしたB層の研究

著者 :
  • 講談社
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感想 : 89
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062178983

作品紹介・あらすじ

B層とは、グローバリズム、改革、維新といったキーワードに惹きつけられる層。あらゆることに「参加」したがり、「コスパ」という言葉を愛し、社会の「幼児化」を進めている人々。近代において発生した「大衆」の最終的な姿。―なぜ日本人は「参加」したがるのか。

感想・レビュー・書評

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  • なかなかつまらない本だった。読み切らなければいけないと思い読んでしまったが、その間他の本を読み進めれば良かったと後悔。次からの教訓としておこう。

  • 今からひどい事を書きます。

    著者がこの本の中で「ネットの中に信憑性を疑うゴミのような情報があふれ、そんなゴミ情報を真実だと思い込んで大騒ぎするのがB層である」と論じています。
    それは、ネット社会だけはありません、既存媒体にも多くのゴミがあり、この本も俺にとってはゴミ同然です。

    どういうゴミか、例えるなら、食えなくなった弁当みたいなものかな。部分部分食えないこともないけど(橋下評とかはうなずける部分もある)、全部食ってしまうと間違いなく体を壊して不快な思いをするという感じです。

    串カツ1本が国家崩壊をもたらすという部分で気分が悪くなりました。

    悪人面をしてる奴は悪いヤツだの、ブスは「生殖の対象にしてはいけない」という遺伝子学上のカテゴリーだのというあたりで、吐き気を催しました。

    敬体と常態の使い分けもできてない、巻末の煽動的偏向年表でじんましんが出ました。

    適菜さんあなたね、本文中で、バカがゴミのような情報を発信してバカがそれを過信している世の中を嘆いてるけど、この本はまさにそれじゃないのかな?

    人のことを悪く言うのは、その人のイヤなところを自分も持っていて、それに対して拒否反応を起こしているからだと聞いたことがある。作者はこの本で世の中のイヤなところに対してアレルギー反応をみせまくっている。俺はこの作者もこの作品もB層とやらの生き方も嫌いです。

    ってことは、俺の心には敵菜氏のような部分、橋下氏や原口氏のような部分、B層の人間のような部分を内包しているってことになるねんな。イヤになってくるわ。読むんじゃなかった。

  • かなり乱暴な言い切りもあるが、耳が痛いですよ~。

  • 自分、B層なんだなぁ……、と思いながら読みました。
    こんなに自信もって主張できるってすごい。
    なんかすいません、と思う気持ちと、そんなに言われる事なんかい、という気持ちと。
    ただ、色々な側面を知ることは大事だな、と思う。
    知らなくては考える事すらできない。
    今はTVとか分かりやすいツールから受けるものが全てになってしまいがち。
    政治家もプレゼン能力が大事になってきているんですね。それはイコール政治手腕ではないけれど、錯覚してしまうんだ。

    本当に大切な事を地道にしている方もたくさんいらっしゃるのでしょうが、そして忙しくて発信している場合じゃないのかもしれませんが、そういう事を掴むにはどうしたらいいんだろう。
    表に出てくるのは、きれいごとか、不祥事ばかり。
    分からないと不安が募る。
    だから分かりやすい言葉を使う人にすがりたくなる。

  • 徹頭徹尾、今の世の中は自分が莫迦と思っている連中が増えたからおかしくなったという、愚痴としか言いようがない物言いに貫かれており、出版社、編集者もよくこれで出す気になったなと唖然とする。一貫して統計などの客観的社会的事実を引かず、自分がショックを受けた事例のみを基に現代社会を嘆いてみせる姿からは言説に責任を持とうとする姿勢は感じられない。他人を見下して溜飲を下げたい人にはいいかもしれないが、それが世の中に求められているものなのかは甚だ疑問だ。文章も一文あたりの字数、段落ごとの文数が少なく、論理ではなく感情に訴えようとする姿勢が丸見え。こういう言説こそ、真に「B層」的ではないのか?哲学者も安くなったものだ!

  • 適菜節。よい。新版が出ているので,こちらはざっくり読み。

    *****
     かつては「昔の人だからすごい」という感覚はあっても「昔の人なのにすごい」という感覚はありませんでした。偉大な過去に驚異を感じ,畏敬の念を抱き,古典の模倣を繰り返すことにより文明は維持されてきたからです。(p.69)

     卑劣な人間は卑劣な顔をしているし,悪人は悪人顔をしている。ヒポクラテス(前四六〇頃~前三七五年頃)もプラトン(前四二七~前三四七年)もレオナルド・ダ・ヴィンチ(一四五二~一五一九年)もゲーテも,顔と内面の関係について興味を持っていました。
     観相学とは,顔だちや表情から,性格,気質,才能を判定しようとする学問であり,二〇世紀に入ってから心理学の分野で体系化されます。
     顔で人格を判断できるのは,人類が歴史的に身に付けてきた身体感覚に由来します。その前提が了解されているからこそ,少年マンガに登場する悪役は悪そうな顔をしている。不思議ですが,これが人間社会の真実です。
     今の世の中では,経験的な知より「政治家を顔で選ぶのは間違っている。政策で選ぶべきだ」といった小理屈が優先します。しかし,民主党の例でもわかるとおり,政策など大衆受けすることしか書いていない。むしろ,政策だけで政治家を選ぶほうが危険です。
     政治家にとって顔ほど大事なものはありません。(p.168)

  • ニーチェだかなんだか知らんが、人を小馬鹿にするというテクニックだけで出来ている本。たとえば「人権思想はテロの根源」とかいう見出しで、結論は「法治」を守れと言ってるだけでね。一見、刺激的なことを言ってるように見えて、あほほど普通のことが書いてある。この本じたいが皮肉というか、表面の味付けだけにだまされてこんな本読んで頭良くなった気分だけを味わってんじゃないよ、という「B層」をあざけるための本なんじゃないっすかね。

  • 小沢一郎の主導で採用された小選挙区(比例併用)制は、有権者を小馬鹿にしたもので、公示期間も短縮され目隠し状態で二者択一を迫られる。政策選択が話題になりにくい状況を作り出したから、野党の無能もあってスキャンダルが政治課題であるような報道がなされている(野党としての自民党は公明党の非民主性など告発してなかなか優秀だった)/参議院と選挙制度が類似するのも無能議員を増している。参院は比例、衆院は小選挙区と差別化し議員報酬は数億円以上出して人材参入を進めるべきだろう。立憲民主党は貧乏なせいか脳に栄養が足りないようだ

  • 「研究」というほどすごい内容ではない。タイトルの付け方がずるい。「自分はB層ではない」と思い込んでいる多くの人が読むのだろう。自分もその中の一人だと思うが。

  • 日本を駄目にしたB層の研究

  • 社会

  • うーん、これは誰に向けて書かれた本なんだろう?
    「B層」を啓蒙しようという意図かもしれないけれど、衒学的な態度、厭味な言い方では買うのは反感だけじゃ? それか「そうそうB層っているよねぇー、自分は違うけど」という人を増やすだけでは。

    とりあえずオルテガ・イ・ガゼット『大衆の反逆』をちゃんと読み返そう(座右の一冊なので折に触れて読み返しているけれど、今年は読み返してない)。

    <blockquote>
    大衆とは、良い意味でも悪い意味でも、自分自身に特殊な価値を認めようとはせず、自分は「すべての人」と同じであると感じ、そのことに苦痛をおぼえるどころか、他の人々と同一であると感ずることに喜びを見出しているすべての人のことである。
    わたしはその人間(今日の世界を支配している新しいタイプの人間)を大衆人と呼び、その主な特徴は、彼は凡庸であることを自覚しつつ、凡庸たることの権利を主張し、自分より高い次元からの示唆に耳を貸すことを拒否していることである点を指摘した。(オルテガ・イ・ガゼット『大衆の反逆』)</blockquote>

    <blockquote>彼に信用がつくに従い、彼の茶碗が美しくなったことは言う迄もない。では美は信用であるか。そうである。純粋日とは比喩である。鑑賞も一種の創作だから、一連の商売人には癖の強い人が多いのである。(小林秀雄『モオツァルト・無常という事』)</blockquote>

  • 一般大衆の素人集団が、プロに対して口をだすような事や、単純に企業や音楽アーティストのマーケティング策に踊らされてしまう人たちを以って、彼らのようなバカがいるから日本はダメなんだ。。。云々の批判のオンパレード。そもそも、哲学者を自称するのであればバカという言葉を使わずしてそれを表現するくらいの文章力が必要だろう、民主党の無能さに対する批判など、言いたいことは分からない事も無いが、そもそも決め付けが多くて議論の深みが無い。よくあるブログ記事程度の内容。建設的な改善案などが提示されるでもなく、読んでいて気が滅入る。

    万年野党の政治家が無責任な批判ばかりしていることに対しても批判しているが、著者自身が同じことを書中でやっているのは滑稽。

    せいぜい、暇つぶしのエンターテイメントとして読むくらいが適当。

  • もう少し期待していたんですけど、
    半分くらいが政治家への個人攻撃的な批判に
    終始しちゃってて食傷気味です。

    B層がどういった概念であるか、
    どういった区分に属する人が対象なのかは
    伝わりましたが、他者に対する攻撃的で直線的な
    言葉を使った批評/評価は同意しかねる部分も
    多々有りで容易に嚥下できませんでした。
    途中で読むのやめようかと何回か思いました(*´-`)

  •  すこーんと少し刺激的な記述で切る?本。結構新しい視点が得られたのはよかった。無論、ある一人の見解であるため、独自に解釈をし直す必要はある。また広い視点であるため、各記事は必然?甘い、薄い分析になりがちにもなる。その点、明快な主張のわりに密度は薄い気もする。絞った的で、よりごつい主張のある続書が楽しみ。

  • これ研究なの?一体何が言いたいの?
    批判しかない主張に一体何の意味があるの?
    品のない文章に嫌悪感すら覚えた。
    時間を無駄にした。

  • レビュー省略

  • 最初にある用語辞典で、

    カリスマ:キリスト教の概念。超自然的•超人間的な資質。近年の日本では髪を切ったり、コンビニ弁当をプロデュースしたりする

    とあった。
    こういう皮肉な言い回しは結構好き。
    私もB層に属すると思った。

    突っ込みどころもかなりあるけど、実名でいろんなこといっているので、ある種エンターテイメントとして読むにはおもしろかった。

  • これ私!あ、それも!…B層とは“マスコミ報道に流されやすいIQの低い人たち”…認めたくないけど、私も私の親もB層。期間限定ものとか弱いし…イカンイカン。ここから脱せるようがんばってみます。

  • B層というのは、もともと小泉政権時の郵政民営化政策において小泉支持基盤として想定されたもので、「IQ」が比較的低くかつ構造改革に中立ないし肯定的な層のことをいう。
    「マスコミ報道に流されやすい『比較的』IQが低い人たち」である。

    巻頭の「B層用語辞典」にある言葉は、B層をよく表している。
    例えば、「グローバリズム」「女子会」「数量限定」など。
    「モルツあります」なんていうのもあり、思わず笑ってしまた。
    中でも「民意を問う」「民主主義」「平等主義」というのが、著者が最も危惧しているものなのではないだろうか。
    「近代大衆社会において、政治はプロフェッショナルによる知的な活動であるという前提が破壊されてしまい」、素人同然の政治家が数多く存在する。
    そして、「民主主義の本質は反知性主義であり、民意を利用する政治家を除去しない限り、文明社会は崩壊する」という。
    確かに著者が言うように、日本は民主主義の中でも「議会制民主主義」であり(著者は議会主義という言い方をしているが)、民意が直接反映されるわけではない。
    そこら辺を勘違いしている人が多いように思う。

    手あたり次第書いている印象を少しだけ持ったのと、「悪人は悪人顔をしている」だとかあまりにも主観的であり、気分を害するような文章にも感心できなかった。
    きっとひねくれ者なのだろうなと思う。

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著者プロフィール

1975年、山梨県生まれ。作家。ニーチェの代表作「アンチクリスト」を現代語訳した『キリスト教は邪教です! 』『小林秀雄の警告 近代はなぜ暴走したのか?』『日本をダメにした B 層の研究』(ともに講談社)、『日本人は豚になる:三島由紀夫の予言』『日本をダメにした新B層の研究』(ともにベストセラーズ)ほか、祥伝社新書に『コロナと無責任な人たち』『100冊の自己啓発書より「徒然草」を読め! 』『ニッポンを蝕む全体主義』。『思想の免疫力 賢者はいかにして危機を乗り越えたか』(中野剛志氏との共著、 ベストセラーズ)など著書50冊は以上。

「2023年 『古典と歩く大人の京都』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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