データサイエンティストが創る未来 これからの医療・農業・産業・経営・マーケティング

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感想 : 13
  • Amazon.co.jp ・本 (290ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062179300

作品紹介・あらすじ

「インターネット時代」を経て、「ビッグデータ時代」が到来しようとしている。ビットで構成される世界から、分子で構成される物理世界の時代になろうとしているのだ。
 ビッグデータを支える情報源──ウェブページ、ブラウザの閲覧履歴、センサーからの信号、ソーシャルメディア、スマートフォンから得られるGPSデータ、ゲノム情報、監視カメラの録画など、押し寄せるデータの波は倍増する勢いで高まっている。
 ビッグデータでは、実際に使用でき、意味のあるデータであることが重要である。本書で紹介する事例はどれも大量のデータを活用しているが、コンピュータの処理能力、記憶容量、メモリー容量の向上によってデータまわりの問題が解消されていくなか、とくに目覚ましい進展を見せているのがソフトウェアだ。
 ビッグデータというテクノロジーは、デジタル時代の望遠鏡にも顕微鏡にもなる。それまで決して見えなかったものを、見たり計測したりできるようになるのだ。最新の望遠鏡が最新の天文学を生み、最新の顕微鏡が最新の生物学を生んだ。ビッグデータにも、同様の成果が期待される。インターネットはコミュニケーションの経済学を変貌させ、インターネット上にウェブが構築され、イノベーションや新たなビジネスを生むプラットフォームになった。同様にビッグデータも、「発見」の経済学を変貌させようとしている。ビッグデータから見えてくる物語は、豊かで細やかだ。より多くのことをより早く学びとることができる。「見えないものの可視化」である。
 ビッグデータ革命の陰には、「データサイエンティスト」いう名の開拓者たちの存在と組織の真剣な取り組みがある。本書は、そのような開拓者と企業の物語、たとえばJ・ハマーバッカーとIBMを中心に展開する。ビッグデータは強力な手段になりうるが、限界も抱えている。データサイエンステクノロジーは、今まさに改善されつつあり、出番を待っている。
 本書は、ニューヨーク・タイムズ紙でテクノロジー関連の取材を10年以上続けてきた著者が、経済全体を見渡しながら、最前線で繰り広げられるプロジェクトやアイデアを調査し、「データ・イズム」が生む技術的・人間的課題に対峙する科学者、起業家、企業幹部へのインタビューを通して、より広く深く見つめ直している。
 データ資本主義時代の到来を活写した一冊。

感想・レビュー・書評

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  • データを相関関係から文脈に即した意味に変換する努力に感動した。

  •  いまひとつ。

     本書には、他にも対峙しながら補完し合う関係が登場するが、その中心はつねに意思決定の問題がある。ビッグデータは強力な手段になりうるが、実のところ、限界も抱えている。コンテンツに―測定内容と測定方法に―大きく左右されるのだ。データはいつでも集められる。パターンは探せば見つかる。だが、そのパターンに意味はあるのか?本当に知りたいものを測定できているのか?意味のあるものを測定するかわりに、測りやすいものを測定していないだろうか?一つ目は、「測定できないものは管理できない」。これは、統計学者であり品質管理の専門家でもあるW.エドワーズ・デミングの言葉とも、マネジメント研究の第一人者ピーター・ドラッカーの言葉ともいわれている。誰の言葉であれ、ビジネス界の金言であることに変わりなく、常識的で、真実味がある。
     二つ目は、あまり広くは知られていないが、やはり深い真理を表している。「測定できるものがすべて重要とは限らず、重要なものがすべて測定できるとも限らない」

     つまり、データは文脈のなかに置かれてこそ力を発揮するのだ。データが蓄積されれば、より細部まで描き出せるようになり、描き出されたものは、知識となる。それが、データを理解するということだ。変化に富む大量データの供給源を新たに確保すること。それも役には立つし、必要なことだ。しかし本当に大切なことは、重要な洞察や発見を生むような形で「点と点をつなぐこと」なのだとアダムスは言う。

     すでに何十万個ものネスト・サーモスタットが十分な量のデータを収集し、ネストのアルゴリズムで活動パターンとエネルギー消費パターンに基づく十分な解析が行われている。解析の結果から、ユーザー家庭は大きく四つのグループ―小さな子どものいる家、大きな子どものいる家、留守がちの家、ルームメイト同士の家―に分類される。…
     …ネストのスマート・ソフトウェアがユーザー設定よりもエネルギー効率の良い設定を見つけた場合、サーモスタットが自動で働き、温度を多少上げ下げするようになっていたのだ。ところが、これが不評だった。マシンに主導権を握られるのを嫌がる人が多かったのだ。…ユーザーが節電設定を選択したときには、緑の葉をデザインしたグリーンマークが画面に表示されるようにした。…
     このグリーンマークによる解決の話から、人間とコンピュータの連携が一筋縄ではいかないことがわかる。プロトタイプのサーモスタットを試した人は、人間が温度を設定しても機械に設定を変えられてしまうため、機械に乗っ取られたように感じた。コントロールがきかなくなったような感覚に抵抗を覚えたのだ。それは、人間が自然だと感じる秩序とは逆の状態だった。人間が主導権をもち、コンピュータはアシスタントでなければならないのだ。しかし、ビッグデータとスマート・マシンが台頭する今、この問題は「主導権」の問題から徐々に「信頼」の問題になっていくことだろう。つまり、データ駆動型のアルゴリズムに主導権をもたせても安心していられる条件を探ることになる。

  • テクノロジーを活用したWhat If分析にょる仮説の検証に基づいた意思決定モデルをこうちくするためのツールとなる。

  • 本書は近年のデータサイエンスに関する一般書である。バランス良く書かれている点は評価できるが、逆に言うと一般論しか書かれておらず、個人的にはインサイトはなかったため、あまり満足できるものではなかった。

  • モデルよりもデータが第一を説く。タイトルにある通り、これらの医療や農業におけるデータサイエンスの可能性を示唆する。

  • 若干タイトル負けしている感じ。
    もう少し普遍的な内容を期待したのだが、実際にはかなりバーチカルだった。
    読むのは、最後の章(データ資本主義)だけで良かったな。

  • 決断にはストーリーが必要

    ダニエル カーネルマン ファスト思考 直感的に経験を結びつけて迅速決断 コンピューターはスロウ お互いに補完が重要

  • 請求記号 007.3/L 83

  • トレード市場が止まったことをきっかけに、数理モデルを作ることよりも、データ第一主義へと移っていったと、ハマーバッカーは言う。
    その後、フェイスブックで働き始めたハマーバッカー。ただ、SNSは人々の人生を平凡化していると言ってフェイスブックをやめたハマーバッカー。同感。

    生活に困らないだけのお金があれば、そして能力があれば、やりたい事を選べるんだよなあと改めて思った。普通の人じゃ、そんな風に働けない。

    面白いのは、航空機産業では燃費1%改善で、30億ドルの経費削減になる。とか、天候予測できれば農産物の予測に役立てられ、多大な効果を見込めるとかってところ。

    あと、数理モデルに予測が誤っていて、誰かに被害を与えた場合、誰が責任を持つのかといったことは疑問。

    偉大な技術には、課題がつきもの。ビックデータに関していえば、大量のデータから個人を特定できた場合のリスクか。
    シンギュラリティの積読本、早く読もうーっと。

  • 東2法経図・開架 007.3A/L83d//K

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著者プロフィール

『ニューヨークタイムズ』紙の記者。20年以上にわたって、ビジネス、経済、テクノロジーに関する記事を執筆している。海外特派員や編集者として活躍。『ニューヨークタイムズ』誌や『アトランティック』誌などの雑誌にも寄稿している。2013年には、ピューリッツァー賞の報道部門(解説報道)を受賞した『ニューヨークタイムズ』のメンバーに名を連ねた。『Go To: The Story of the Math Majors』などの著書がある。

「2016年 『データサイエンティストが創る未来 これからの医療・農業・産業・経営・マーケティング』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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