ありがとう3組

著者 :
  • 講談社
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感想 : 42
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  • Amazon.co.jp ・本 (290ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062179386

作品紹介・あらすじ

手と足がない担任と、28人の子どもたち。卒業までの1年間は、感動がいっぱい。『だいじょうぶ3組』の続編。

感想・レビュー・書評

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  • 『だいじょうぶ3組』の続編。

    前作のテーマ『普通じゃないことの何がいけないのか』に加えて
    『一般的に普通じゃないとみなされる人や物事を尊重すること』と
    その難しさについて描かれていたように思う。
    発達障害児というある意味爆弾(失礼)を放り込まれたことで
    子供たちが成長していく様が見事。
    春菜さんのお父さんを説得しに行くくだりは微笑ましくも涙が出た。
    前作のレビューに
    『小学生でこういう先生に出逢えたら、幸せな大人になれる気がする』
    と書いたけど
    こういう生徒に出逢えた赤尾先生も幸せなはずだと今作を読んで思った。

    今回は紺野先生の存在が前作よりも大きかったと思う。
    赤尾先生を諭す言葉には前作以上に重みがあった。
    対照的に、前回歩み寄ったかなと思えた学年主任の青柳先生が
    元に戻ってしまったというか頑なになっていたように見えたのが少し残念だった。

    親子間でも、友達との間でも、
    成長したからこそお互いの愛情を測り兼ねるもどかしさも描かれていたと思う。
    それを教えてくれたのは転入生の泰示くん親子だった。
    それと同時にこの親子が現在の社会における生き辛さも教えてくれた。

    『だいじょうぶ3組』ほどじゃないけど
    読み終わったらやっぱり頬がバリバリに固まっていた(爆)。
    これもやっぱり人前で読めない(笑)。

  • 小学生にも読めるように分かりやすく書いてあるにもかかわらず、答えのない考えさせられる内容が散りばめられている本でした。

    ほんと、教育は答えが無いように思います。

  • 乙武洋匡さんの小説『だいじょうぶ3組』の続編の『ありがとう3組』。6年生となった児童たちと赤尾先生の絆を描いた心温まる作品。

    6年生になり転校してきた発達障害の男の子泰示くんがクラスをかき乱します。

    この作品は2012年ぐらいの本ですので、今ほど学校現場にも発達障害の理解がなかったかもしれません。もちろん当時も発達障害に関しては色々な情報が出回りだしていたとは思います。

    赤尾先生は手足がありません。ハンディキャップのある先生ですから、できないことがたくさんあります。でもそれ以上にしてあげられることもあるんですね。

    学校というところはどういった場所なのでしょうか。誰しもが安心して、楽しく通える場であることが第一だと思います。かと言ってそれを乱すような出来事があったとしてもそれは未熟な精神から仕方のない事かもしれません。

    本文中にもありましたが、教育とは『教え』、『育む』ものなのです。この『育む』という部分がこれからの教育に求められる部分ではないでしょうか。教育は今まで『教える』ということにばかり重点が置かれて来ました。それが必ずしも悪いことだとは言えません。実際にそのおかげで日本は戦後から復興してきたのですから。でもいつまでもその成功体験に引きずられている現実からは卒業すべきです。

    赤尾先生のように特殊な事情を抱えた人たちばかりが教員ではありません。でも一人ひとり違ったアプローチの仕方があるはずです。

    教員の働き方問題やブラック部活動、不祥事など様々な問題を抱える教育界ですが、一番に考えられるべきは子どもたちの未来です。赤尾先生のような教育者があふれますように・・・

  • 映画化される「だいじょうぶ3組」の続編。6年生になったクラスに転校してきた児童の絡むエピソードで発達障害についても考えさせられる。映画見たいし見せたい。

  • 2015年12月24日に開催された第1回ビブリオバトル市内中学生大会D会場で発表された本です。

  • だいじょうぶ3組に続いてとても良いお話でした。
    このお話は、今までよんだ中で一番‼️

    こちらもかなりオススメします。
    だいじょうぶ3組の方もお読みください。

  • 「だいじょうぶ3組」の続編なのであのあとどうなっただろうと気になっていたので、内容が入ってきやすいです。クラスで気になる子、中学受験、友達との衝突、家庭とのかかわり、教育を現場で起こる物語の中で考えることができました。電車で読んでいたのですが、涙をこらえるのに必死でした。ものすごくいい本に出会うことができたと思います。

    http://www.lib.miyakyo-u.ac.jp/mylimedio/search/book.do?target=local&bibid=252919

  • 6万部を超えたヒット作「だいじょうぶ3組」の続編です。著者乙武洋匡が教員として3年間を過ごした著者自身の経験をヒントに、感動の1年間を描いた小説。大人にも子供にもおすすめの一冊です。

  • 良かった

  • 夏休み 子どもの 読書感想文候補で この本を 読んでみました。もちろん、「だいじょうぶ3組」も読みました。
    第三章「百三十円のメッセージ」の 赤尾先生の お母さんの言葉に じーーんと きました。

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著者プロフィール

1976年東京都生まれ。早稲田大学在学中に出版した『五体不満足』(講談社)が600万部のベストセラーに。卒業後はスポーツライターとして活躍。その後、教育に強い関心を抱き、新宿区教育委員会非常勤職員「子どもの生き方パートナー」、杉並区立杉並第四小学校教諭を経て、2013年2月には東京都教育委員に就任。教員時代の経験をもとに書いた初の小説『だいじょうぶ3組』(講談社)は映画化され、自身も出演。現在は、執筆、講演活動のほか、インターネットテレビ「AbemaTV」の報道番組『AbemaPrime』の水曜MCとしても活躍している。『自分を愛する力』、『車輪の上』(以上、講談社)、『ただいま、日本』(扶桑社)、『ヒゲとナプキン』(小学館)など著書多数。

「2021年 『だから、みんなちがっていい』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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