カミサマ

著者 :
  • 講談社
4.50
  • (1)
  • (1)
  • (0)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 6
感想 : 1
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (202ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062179416

作品紹介・あらすじ

両親を一度に亡くし、飼い犬のパンと二人きりになってしまった拓海は、山に住む親戚のもとへ引き取られる。そこでは、小さい頃から繰り返し夢にあらわれる、和紙でできた「白いひらひら」が飾られていた。実は彼を引き取ったオバアは、神様と人々の間を取り持つ「トリモチ様」と呼ばれる存在だったのだ。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 津波で両親を亡くした僕の中にすみついて時々あばれるモヤモヤの魔物。
    僕は犬のパンと遠い親戚のヤマンバのような一人暮らしのオバアに引き取られることになった。
    オバアは山のカミサマとヒトの間を取り持つトリモチ様だ。
    稲わらでしめ縄を作り、和紙を切って御幣(白い和紙のひらひら。ヒトガタ、トリイ、スイジンなどオバアは百種類の御幣を切る)を立て、カミサマに宿っていただき、祈り、礼をし、お祓いの儀式を行う。
    僕はオバアから山の自然・畑の作法を教わり、御幣の切り方を教わって、向こうの世界へ行ってしまった人たちのために御幣を切る。
    やがて僕が作ったトマトの実はコーゴーセイをして力強いヤツに育った。僕は山の自然の中で息を吹き返したのだ。
    小学校高学年向き。

  • ご存知?鉄芸術家くまさんの児童小説。昆虫や花も樹木も、人間みたいに悩んだり困ったりしない。それぞれのやり方で生き、死んでいく。和紙は森の樹木の皮を薄く薄く削いで綺麗な清流の水ですくんだ。和紙は真っ白になった森の化身なんだ。

全1件中 1 - 1件を表示

著者プロフィール

1942年札幌市生まれ。鉄の町、室蘭市で少年時代を過ごす。上京後、絵本、舞台美術、小説、エッセイなどで活躍し注目を集める。'86年から鉄を素材に作品を作り始め、以後モニュメントなどのダイナミックな造詣を全国各地に生み出している。著書に『カミサマ』『もちおもり』『A(アンペア)『蔓草のコクピット』などがある。

「2013年 『走れUMI』 で使われていた紹介文から引用しています。」

篠原勝之の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×