世の中への扉 弁当づくりで身につく力

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 67
感想 : 13
  • Amazon.co.jp ・本 (182ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062179522

作品紹介・あらすじ

2001年に香川県の小学校で始まった「弁当の日」の取り組みが、いま全国にひろがっています。自分で献立を考え、材料の買い出しから調理、弁踏箱詰め、後かたづけまで「ひとり」でこなしてつくる。そんな弁当づくりの体験をつうじて、子どもたちは自信を持ち、親への感謝の気持ちを抱き、食べ物と命の大切さに気づいていきます-。小学上級から。

感想・レビュー・書評

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  • 本当にいい話。本棚登録者が二桁なのが勿体無いと感じるほど良本。

    香川県の滝宮小学校へ校長として赴任した著者。そこで学校給食会理事会に出席し、給食作りの大変さ、食育の大切さを感じ、2001年から「弁当の日」を始める。

    対象は5・6年生。弁当は親に一切手伝ってもらうことなく自分で作る。料理をしたことがない子もいるので、一学期の家庭科で食材の選び方から、栄養バランス、簡単な調理を教える。

    子どもたちは弁当作りを通して成長する。

    最初は何が入っているかに注目していたが、次第にどこまで自分でやったか(買い物、片付けなど)に重きを置くようになり、最後にはのり巻きを作った子が称賛を浴びるなど、手間のかかる難しい料理をした子が尊敬された。

    また、弁当の材料ひとつひとつから、生産者や運送業、電気やガスなど、様々な人に思いを馳せた男の子。

    ピーマン嫌いな友達のために、2週間ピーマン入り炒飯を研究したにも関わらず、「ピーマン臭い。」と言われたときの辛い経験。しかし自分自身も、今まで母親に同じことをしていたと気づいた女の子。

    単身赴任の父親と入院中の祖母にも弁当を作った女の子。それを食べた父親が、昼休みに涙を流して電話してきたこと。祖母も同様に喜んだこと。

    学校一ワルの中学生男子が、きれいな卵焼きが入った弁当を作ってきたこと。教師はその子が父子家庭でいつも料理をしていたことを知り、生徒は「初めて学校で誉められた。」と言ったこと。

    弁当作りから生まれた、ちょっと涙が出るようなエピソードが散りばめられている。「弁当の日」は、素晴らしい取り組みだと思った。

  • ▼福島大学附属図書館の貸出状況
    https://www.lib.fukushima-u.ac.jp/opac/opac_link/bibid/TB90330068

    (推薦者:人間発達文化学類 浜島 京子先生)

  •  今日のお昼ごはんは何ですか? 楽しい、うれしい、たいへん、ありがとう…
     いろいろな気持ちと出会える本です。
    (カウンター担当/bee)平成28年10月の特集「朝読に読みたい!」

  • 小学生の弁当づくり
    自分で作ることで、社会の仕組みなどもわかり、非常に有意義であると思われる子供も自分の考えに自信を持つことができるのは素晴らしい
    中学生は違った視点から、相手を思いやる気持ちなど、とても参考になることがあった
    日常的 なささいなことにも、大切な事がある
    子供の教育を通して気づいたきがした

  • 学習=自分と異なる立場を体験することが、気づきを生んで、行動の変容を生むこと。そう、定義づけるなら、お弁当を自分でつくることは、すごい学びの効果を生む方法だなぁ!

    子どもたちが食事を用意してもらう、つくってもらう立場から、自分で作り出す立場になることで、みえてくることがある。

    環境教育は、お弁当を自分でつくることをプログラムに入れると、命のこと、社会のことを考えるきっかけを生むのではないかなぁ。

  • こんな取り組みがあるなんて知らなかった。

    表紙の写真からして、子供たちが楽しみながらお弁当を作っているのが伝わってくる。

    また、登場するエピソードのひとつひとつが心に響き、涙が出そうになった。

    お弁当作りを通じて、成長していく子供たちの姿に、子供たち自身だけでなく、親や家族が成長していくなんて、本当に素晴らしい取り組みだと思う。

    そして、料理が苦手な私も何かしらしなければいけない気持ちになった。

  • 読みやすく、お弁当を全部(お米を炊くことやおかずを作ることも含めて)自分で作ってみなければ!と思わせてくれる作品。このシリーズは子ども向けに書かれているためいつもわかりやすく読める。

  • 「飯を食う」が、仕事によって生活の糧(というかカネ)を得ることの表現であるように、飯を食うことは人生の基本的機能なのだけど、そのカネで解決してしまう、ということの弊害。学校給食は、戦後のような目標を失っているし、「親が楽」という点、そして楽をした親はその分生活の糧を得ろ、というような変なサイクルにはまっているように思う。「弁当の日」は、そこに、というわけじゃないけど、食事作りを通じての人間関係が生まれる、という取り組み。もちろんいろいろな問題が起きるし、材料を買って料理するだけでは全部が自分で出来るわけではない。食材を生産・獲得したり、道具をつくったり、という人もいてはじめて成立する。食い物の話は矛盾や悩みに満ちているし、だからこそ子どもにも早めに気づいてもらうのがいい。

  •  香川県の滝宮小学校で実施された、子どもたちが自分で作った弁当を持って登校する「弁当の日」。当時校長であった著者がほぼ独断で立ち上げたこの企画は、生徒・保護者・教師・栄養士・調理師、さまざまな人の工夫と努力を経て、今や全国に広まっているそうです。弁当作りをとおして、子どもたちは家族や食物を作った人への感謝の気持ち、食物に対する愛おしさを見つけました。家族で読んでほしい一冊です。小学校高学年以上向け。

    広報いわみざわ(2013年4月)
     わくわく図書館「この1冊読んでみませんか」より引用。
    http://www.city.iwamizawa.hokkaido.jp/

  • 最終的に全てにおいて強いのは衣食住をきちんとできる人。
    なかなか実践はというとうまく行ってないのが自分の現状…
    うなずける、感動する、ちょっと泣ける箇所がたくさんあってとても興味深く読めました。

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著者プロフィール

1949年、香川県生まれ。小・中学校長、行政職を経て平成12年度より香川県滝宮小、国分寺中、綾上中の校長を歴任。3校で全国初の試み「子どもが自分で作る”弁当の日”に取り組み、2010年3月退職。朝日・毎日・読売・産経各紙、共同通信を通じて各地方紙や雑誌等で広く紹介。その間、『”弁当の日”がやってきた』『台所に立つ子どもたち』『始めませんか 子どもが自分で作る”弁当の日”(対談・鎌田實氏と)』『ごちそうさま もらったのは”命”のバトン』(自然食通信社刊)を上梓。以後フリーで講演活動を通じ、学校・家庭・地域が手をつなぎあう手立てとしても”弁当の日”への理解を深めたいと、精力的に活動している。著書多数。

「2019年 『100年未来の家族へ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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