カジュアル・ベイカンシー 突然の空席 2

  • 講談社
2.98
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本棚登録 : 377
レビュー : 51
  • Amazon.co.jp ・本 (418ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062180238

作品紹介・あらすじ

人は誰でも心に空席がある…きっと忘れられない読書体験になる!胸を締め付けられる結末へ強く、そして深く、あなたの心に届く-米英ほか9ヵ国でベストセラー。

感想・レビュー・書評

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  • 生々しい舞台に放り出されたようなラストで、読後しばらく呆然と
    してしまって心の中で整理をするまでに時間のかかった。

    とりすましていた住人たちの仮面が剥がれ落ち、真の感情が
    膿のように溢れ出す怒涛の流れに絡め取られながら
    重く苦しいラストへの疾走は1巻の遅々として進まない
    じっとりとした感じと対局なスピード感。

    母という闇、子供の焦燥と苛立ち、権力、性欲、快楽
    好奇心、虚栄心、差別、いろんな感情と欲望が渦巻く家族関係と
    人間関係がとても細やかに生々しく書かれていただけに
    ラストの衝撃と悲しみはとても辛く苦しく、今の排他的な世の中を
    よく表しているようでとてもリアルな痛みがあって辛かった。。。

    誰も幸せな人はいないこの本の中で過ごした時間は、なんだかとても長く
    重く不快にまとわりつく黒い正体の見えない恐怖でいっぱいでした。

    今の時代の中で特異なことではなくなってきている暗い問題が
    1つでもみんなのあったいキモチで考えて、1つ1つ解決していける
    世界になっていけるといいな…と願いました。

  • もっと良い翻訳がつけば印象が変わるかと。亀井さんはベテランだけど、いまいち著者の感覚についていけてないというか。ブリジット・ジョーンズのときも思ったけど、英作品より米作品向き?なのかもしれない。原作は1冊ものだけど日本語にすると長すぎるせいか上下巻に分けたせいで上巻はコレといった展開のない作品でしたが下巻ではグイグイきます。だからといって何かがあるというわけでなく、どこかで起こっている出来事を観察しているような感じ。翻訳に不満はあれど小説として嫌いじゃないです。

  • テリの問題は、イングランドとアイルランドが舞台のノンフィクション、トニ・マグワイヤ著『ママには言えない』を思い出した。
    絡み合った人間関係の糸の先にあるのものは、想像も出来ないような、口に出来ないような…そんな問題(近親姦と、里子に出されることで生じるかもしれない問題)かもしれない。それを取り上げた点に、作品としては非常に読みにくかったが、最後まで読んで良かったと個人的に思えたので3の評価。

  • 1巻は登場人物の名前と立ち位置を憶えるのに精一杯だった。作品が醸し出す毒気にも慣れ格段に読みやすかった2巻は、始めから終わりまで心理の負の面がてんこ盛りで、読後は人それぞれの捉え方ができる内容だと思う。

    例えば、フィールズ地区を目のかたきにするパグフォードの保守層と、それを描く作者の目。そこから透けて見えるのは、差別や偏見への飽くなき抵抗だろうか。
    そう言えば『ハリー・ポッター』にも、純血を重んじる魔法族がマグルを蔑んだり、名家が幅をきかせてそれに媚びへつらう輩がいたりと、えげつない場面があったっけ。子どもから大人まで夢中になるファンタジーを書けたのも、作者に酸いも甘いも噛み分けた土台があるからなんだろうな。

    辛うじて保たれていたバランスが、バリーの急死で一気に崩れたパグフォードの町。その広場の真ん中で、魔法使いが人々に心の膿を出し切る荒療治の魔法を使ったのかも…。そんなふうに想像してみようかな。

  • 読み終わったら、空が明るくなっていて
    窓から明け方の静かな景色を見ながら、作者が伝えたかった事はなんだったのか、それを、自分は受け取れただろうかと考えていました。作中人物たちの愚かさは、自分や周りの人々に共通するものがあり、人として生きていく哀しみが胸にしみた作品でした。

  • 後半は2回に分けて一気読みしました。
    なんと言っても子供たちが可哀相なお話でした。
    一人の人間がある人にはかけがえのない人である人には憎むべき存在で…小さな町の中の人間関係と予測出来ないラストが良かったと思います。
    読後感はあまり良くはないですが、暗い気分になりたい時とかにいいんじゃないでしょうか。
    アンドルーには頑張ってもらいたい。

  • 図書館にて。
    「ハリーポッター」のJ.K.ローリングの新刊。
    暗い…とにかく暗い…。
    どこかでこの暗さから脱出するに違いないと頑張って読んできたが、ラストの出来事で地獄に落とされる感じ…。
    いろいろな小説を読んでいて思うが、人の嫌な部分、悪意や残酷さをいかにそのまま(デフォルメしなくても十分だから)きっちりごまかさず描けるかでその小説の深みが変わる気がする。
    この本の表紙の裏に「今を懸命に生き抜く人々の姿を描いた」とある。とても素敵な言葉だがそんな素敵なものではなく、人々の悪意ばかりが伝わってきた気がする。
    でも人なんてそんなもの。悪意は行動にも言葉にも表れ、それがいいことではないとわかっていても止められない。
    表面では取り繕っている人の内面まで描いているので、読者もこの悪意からは逃げられない。
    ハリーポッターのように解決してくれるヒーローもいないこの世の中ではこれがリアル。他人ももちろん、自分の中にも確かにあるものだからなお怖かった。

    あと、ヤク中のテリが心配し薬を止めさせようと自分を責めた祖母には見捨てられたと思いこみ、売人のオッボにはいいように利用されても友達だと思い込む。都合のいいようにゆがめて解釈して、都合が悪いことはつじつまが合わなくても全力で否定する。
    古い言葉でいえば非行に走った人たちが、親身になってくれる人がいてもなかなか立ち直れないのはこういう心理なのかと感服した。

  • クリスタルが死んじゃったことがショック。とてもリアルな感じ。最後の、テリに対し「皆顔をそむけた」というのが今の社会を表しているように感じた。ドラッグに溺れている人を助けたいと思っていても関わりあいにはなりたくない。タイルを磨きながら人を救うことって一義的なことではないし、複雑で難しい問題なんだなと思った。

  • (2015-04-12)

  • 思わぬ展開、悲しいラストだった、、、

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