ボクの妻と結婚してください。

著者 :
  • 講談社
3.28
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本棚登録 : 443
感想 : 69
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  • Amazon.co.jp ・本 (226ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062180382

作品紹介・あらすじ

バラエティ番組の放送作家・三村修治は、世の中のできごとを好奇心で“楽しい”に変換する仕事をしてきた。余命6ヵ月を宣告されたいま、最後の企画は、自分がいなくなったあとに家族を支えてくれる人を探すことだった。
「決めた。愛する家族に幸せな未来を残すと決めた」
AD、芸人、リサーチャーから婚活本の著者まで、信頼できる仲間たちに助けを求めながら、三村修治はひたすら走る!
果たして、妻の結婚相手を見つけることができるのか――?

感想・レビュー・書評

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  • 『ボクの妻と結婚してください。』って、やっぱり言えないよぉ。
    病床で妻に「もし、いい人に出会えたら再婚してくれ」とは言えるかもしれないけれど。

    余命宣告を受けた放送作家が、人生の残り時間を賭けて妻の再婚相手を見つける「企画」を立ち上げる話。

    昨年亡くなった流通ジャーナリストの金子哲雄さんが、妻に負担をかけぬよう生前に葬儀一切をプロデュースし、弔問客に洒落の効いたメッセージまで残したエピソードには心を動かされた。
    自身の病気について執筆し、死後に出版される手筈まで整えていた生き方は、真似はできないがちょっとかっこいいとさえ思った。

    だが、この本にはなかなか共感しづらかった。たとえフィクションだとわかっていても。
    放送作家の鈴木おさむさんが森三中の大島さんに対してならあるいは。ありえそうでちょっと怖い。

    とはいえ、バラエティ番組制作の舞台裏や、お笑いと婚活の共通性についてなどは面白く読んだ。
    オチも、そういうことならわからんでもないかなと無理矢理に納得。
    小説としての「うま味成分」は少なめだが、テレビドラマ化して役者の芝居や演出が加わると味わいが変わってくるのかもしれない。

  • 余命6カ月を宣告された放送作家の三村が妻の再婚相手を探すと言うストーリー。ま、タイトル通りなんだけど。
    これだけ見れば斬新だし、興味をそそられ読んでみた。
    ただ正直、小説としては完成度の低い作品だった。

    物語は三村と妻の二人の目線で語られていくが、まずその切り替わりが分かりにくかった。文章自体にも深みがない。
    小説と言うより台本を読んでる感じ。
    作者自身が放送作家のようなので、映像化を意識してそうしているのか否かは分からないけれど。

    余命宣告された男が妻の幸せを願うという気持ちは分からなくもないけれど、妻や息子の気持ちは置き去りにされたままで独りよがりにしか思えなかった。

    これがドラマになるとまた違うんだろうな・・・。

  • 自分がもう余命僅かだと知ったとき、残りの人生をどう生きるべきだろう...彼にとってのその答えは「妻の再婚相手を見付けること」だった。不思議だった、ずっと鼻の奥がつんとして苦しいのに、可笑しくてずっと笑えるのだ。それは三村修治という人間そのものが、いつだってユーモアの塊だからだろう。悪いことも、嫌なことも苦しいことも、言葉にすればユーモアに変換してしまうのだ。本当に強い人だと思う。強くなければ守ることも、愛する人を愛しきることも出来ないのだと思うから。

  • 泣いて笑って忙しく、めちゃくちゃ面白かった。
    自分だったら決してこんな企画は考えないだろう。随所にちりばめられたユーモアも実に楽しかった。著者の生活もこんな感じなのかと勝手に想像すると、放送作家とは大変そうだけど、こんなに発想が豊かでユーモアに満ち溢れているんだと小説からだけど新しい発見だった。
    当然何をするにも正義とか信念が大事だけど、主人公のように信念をもって楽しいことをやれば、そりゃ人も集まるよね。この小説は人柄でつながる人間模様、信頼で結ばれた家族愛がユーモアを交えて描かれている。
    読み終えて、この先主人公と同じような人生が送れたら幸せだろうなと思った。が、短い人生だけは同じであってほしくない。もっと家族と長くいたいし、子どもの成長は見届けたい。感動とともに、長生きもしようと強く思った。
    健康第一!

  • 読み始めるときはあまり乗り気ではなかったが、読んでいくうちにその世界にどっぷりとはまりました。
    家族間に全く問題がない夫が妻の再婚相手を探す。その理由は余命宣告によるもの。
    相当この主人公、三村修治は妻のことを愛していて、自分の死後もまた心配になる。だけどすごくしっかりした奥さん。そして最後まで相思相愛でユニークな二人と死というかけ離れたことに切なく、涙しました。
    久しぶりに小説で泣いた。そんな作品です。

  • ★★★☆☆
    良くも悪くもTV的
    【内容】
    バラエティ番組の放送作家・三村修治は、世の中のできごとを好奇心で“楽しい”に変換する仕事をしてきた。余命6ヵ月を宣告されたいま、最後の企画は、自分がいなくなったあとに家族を支えてくれる人を探すことだった。

    【感想】
    TVマンが書いた小説なので、まんまテレビっぽいです。
    キャラを立たせた登場人物。はやい場面転換。予定調和。読んでいて肩がこることは無いが、読み応えはまったくない。

    そもそも予定通り死ぬかってーの。日付が決まっているのであれば、冒頭を死んだところにして、回想にすればいいのに。
    素直な時間軸なのに終わりが決まっているのは大いなる違和感。

    名言っぽいことを書こう書こうという魂胆がありありとしており、最終的には登場人物に「名言」っていわせちゃってますww
    名言かどうか感じるのは読者ですから、ご丁寧に説明していただかなくても結構です。

    オチもちょっと嫌。

    タイトルと発想そのものはすばらしい。さすがです。

  • 余命宣告された放送作家。
    妻の再婚相手を探すのを自分の最期の企画と位置づけ、延命や治療をせずに突き進む。
    テンポよくサクサク進み、悲壮感や病気っぽい場面はなく、ただ妻と息子と家庭を愛する姿が描かれる。
    ラストは互いの思いやりを考えたら分かることで予想どおりだった。
    泣ける場面もなかったなぁ‥

  • 号泣すると聞いてたが、それには至らず。でもとても素敵な話で、良い余韻。夫も凄いけど、実は妻のがうわ手って感じ。映像作品は未見。

  • 前に映画化されてたよな…?って感じで手に取った本。病気絡みかなって思ってたらやっぱりそうだった。

    私はちょろい人間なので病気&愛のお話でいっぱい泣ける。でも読み終わったあと、冷静になって考えると私が妻の立場だったら絶対に納得できないし、主人公の自分の死の受容からの昇華が速すぎて、この人サイコパスなんじゃないかという疑問まで出てくる。逆ドッキリを仕掛けた奥さんもしかり。逆ドッキリだったのか!って言う驚きもあったけど、騙すことに対しての抵抗感があまり描写されてなくて、少し怖く感じた。
    深く考えずに一気読みして、ホロホロ泣くのが1番良いと思う。

  • 夫婦の愛が描かれる作品でいつも思うのが
    死ぬ前にor今or死んだ後に何処まで愛する者の為に行動が出来るのか
    それこそが愛なんだと
    しかもこの作品は悲劇を喜劇にした上に先の事を伝える良作品だと思う

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著者プロフィール

1964年、北海道生まれ。放送作家として「笑っていいとも!」「Qさま!!」「お願い! ランキング」「中居正広の金曜日のスマたちへ」「林修の今でしょ!講座」などを担当し、2012年、『ボクの妻と結婚してください。』で小説家デビュー。他の著作に『もう一度、お父さんと呼んでくれ。』『「ファミリーラブストーリー」』『続・ボクの妻と結婚してください。』などがある。

「2020年 『喋る男』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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