幕が上がる

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (314ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062180702

作品紹介・あらすじ

「小っちゃいな、目標。行こうよ、全国」。すべてはその一言から始まった。地方の高校演劇部を舞台に、劇作家・平田オリザが放つ文化系青春小説。

感想・レビュー・書評

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  • 高校演劇部の青春ストーリーです。
    役者さんとか演劇に携わった人なんかは、共感して凄く感動するんだろうなと思いました^_^

  • 昔からテレビドラマや
    映画が大好きな子供だった。

    けれど演じる人になりたいと思ったことはなかったし、
    そもそも演じることができる人は
    自分とは別の人種で
    ある意味選ばれた人たちなんだとずっと思っていた。

    であるならば、
    俳優とはどんな人たちで
    何に魅せられて舞台に立つのだろう。

    そして演じることで
    人は何を得るのだろう。


    いやぁ~、それにしても
    俳優の堺雅人が推薦のオビを書いていることにも妙に納得!

    劇作家であり演出家でもあり、自らの劇団を率いる平田オリザさんだからこその
    詳細な練習風景や舞台シーン、
    そして演じる側の心理状態のリアリティ。

    最近のエンタメ青春小説のような過度な演出や漫画的展開、
    涙を誘うようなあざとさは一切なく、
    少女の語り口調で淡々と進む
    クールな文体が
    本当に心地よく心に響いていく。


    一種独特な世界とも言える高校演劇を舞台にした点や、
    俳優ではなく演出家の少女が主人公という視点も斬新で、

    後半になるに連れて
    慣れ親しんだキャストたちと別れ、
    読み終わるのが惜しい気持ちで
    ラストはグッと心掴まれてしまったなぁ(。>ω<。)


    舞台は北関東の、ある高校演劇部。
    大会が終わり三年生が抜け、
    八人いた部員が五人になり、
    成り行きで新部長になったさおりは
    新入生歓迎公演と秋の大会に向けて
    気持ちも新たに練習を開始するのだが…

    キャストは、
    高校三年生になり演出も務める演劇部部長になった
    主人公の高橋さおり。

    お姫様キャラで演劇部の看板女優
    のユッコ。

    泣き虫だが天性の才能を持つ一年生男子部員、
    わび助。

    変なダンスが得意で(笑)
    いつも陽気なムードメーカーの女子部員、
    ガルル。

    学生演劇の女王と呼ばれた
    美人の新任美術教師、
    吉岡先生。

    そして、部に新風を巻き起こすことなる
    演劇強豪校からのクールな転校生、
    中西さん。

    そんな人間味あふれる魅力的なキャラクターたちに
    ページを繰る指が止まらなくなるこの幸福感よ(笑)


    高校演劇は他のスポーツとは違い、
    一年に一回しか大会がなく
    負けたらそこで終わり。

    今までの練習が
    たった一回の大会の結果にかかってる過酷な現実。

    ましてやスポーツと違って、
    記録の向上があるわけでも
    練習試合があるわけでもないので
    一年間モチベーションを保つのが
    難しいことや、
    弱小演劇部ゆえに
    体育館の隅で練習するしかない事情など
    考えさせられることも多々あったし、

    リアルとフィクションの境目を縦横無尽に飛翔し、
    絶妙な配分で観客に見せる
    演劇という世界の奥深く麻薬的魅力に、
    読み進むうちに
    ずっぽりハマってしまった。


    吉岡先生と出会い
    演じることの快感を初めて知るさおり。

    許されない恋をテーマに
    激論を繰り広げた
    独創的なエチュードの練習シーンには
    思わずニンマリしたし、

    「マクベス」のセリフを中西さんに当て書きし演出する
    さゆりの構成力のスゴさには唸ったし、

    演出家として
    俳優たちの一挙手一投足に神経を配り、
    祈るような気持ちで本番を見つめるさゆりのシーンには
    痛いほどの不安と緊張感が
    リアルに伝わってくる。

    さゆりと中西さんとの芝居を通した友情、
    東京での芝居鑑賞や初めての夏の合宿を経て、
    やがてさゆりは
    宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」をモチーフに
    地方高校生の日常を戯曲として書くことを決意する。



    言葉にできないものを掴むために
    日々演じ続ける俳優たち。


    冒頭、演じることは
    選ばれた人たちの特権だと書いたけど、
    読み終えた今、
    それは大きな間違いだと解った。


    本当の自分なんてものは
    最初から存在しない。

    人は多かれ少なかれ何かを演じながら、
    何かの役割をこなしながら、
    少しずつ変化を繰り返しながら
    成長していく生き物なのだ。


    さゆりたちを乗せた
    天上へ向かう銀河鉄道の旅は
    まだまだ始まったばかりだし、
    是非とも彼女たちの
    今後の物語も読んでみたいな~


    最後に、この作品を強く薦めてくれた
    女優でもある僕のパートナーにも感謝!

    そして、今一度声を大にして言いたい。


    『やるじゃん!文化系』

  • 若者が懸命に努力をしている姿は、いつだって見る者の心を打つ。
    何かしらの目標に向かって一所懸命打ち込む姿に。
    高校野球などのスポーツだってそうだし、演劇だって同じだ。

    これは、演劇部の大会に臨む高校生の姿を通して描かれる青春物語。

    県大会に勝ち残って地区大会に進みたい。地区大会も勝ってブロック大会まで進んでみたい。
    そのためにはどんな芝居をすればよいのか。
    新しく部長に選ばれた演劇部の女子高校生さおりは模索し始める。
    自分は何をしたいのか。高校生らしさとは何か。
    自分たちをいかに表現すべきなのか。
    どうすれば素晴らしい台本になるのか。
    さおりは、「学生演劇の女王」とまで呼ばれた新任の女教師の助けを得ながら、悩み、もがく。
    それまでは、さほど真剣に演劇部に打ち込んできたわけでもなかったのに。
    でも、ここが今の私の居場所だと気付き始める。
    そこで見つけた答え。そして、それを基に書き直された台本によって演じられる芝居。
    さおりは、新たな一歩の階段を上る。

    練りに練り直したジョバンニとカンパネルラのラストシーン。
    “みんな一緒でも……みんな一人だ”
    “また、いつか、どこかで!”
    進む路はみなそれぞれ異なれど、思いは同じだ。
    それは、高校生たちの心の叫びだ。
    演じるみんなの一所懸命さが伝わってくる。
    みんなで懸命に創り上げたこの芝居を誰も決して忘れはしない。
    演じられる芝居のラストシーンを思い浮かべると目頭が熱くなる。涙が零れる。
    感動が、作中作ならぬ劇中劇ともいうべき「銀河鉄道の夜」のシーンを通して伝わってくる。
    素直な気持ちになって心が洗われるようだ。

    文学的には、平易な文章であり、比喩や光る表現がとりたててあるわけではない。
    でも、ストーリーを素直に追うと、物語の起承転結が上手に展開され、「銀河鉄道の夜」や谷川俊太郎の詩が文中で効果的に使われ、最後の盛り上がりは感動的でもあり、なかなかの名作だと思う。
    読後感がとても爽やかで、青春感動ものの好きな読者にはオススメの作品です。

    • kharaさん
      読みたいと思っている一冊です。
      高評価なので読めるのがたのしみ!
      またよろしければレビュー拝読させてくださいね(*^^*)
      読みたいと思っている一冊です。
      高評価なので読めるのがたのしみ!
      またよろしければレビュー拝読させてくださいね(*^^*)
      2013/03/16
  • ぐいぐい引き込まれて一気に読んだ。
    地方の高校演劇部が全国大会を目指して頑張る"青春"小説。舞台は群馬県の桐生市(かな?)で、映画化もされた。

    「私は何になるんだろう。
    そうだ。残りの一年部長を頑張ろう。」
    秋の大会が終わると三年生が引退して、高橋さおりは演劇部部長となった。
    同学年のユッコ、ガルル、後輩のわび助、明美ちゃんの5人でスタート。
    翌年4月、演劇経験がある吉岡先生を副顧問に迎え、新入生も入部。県内強豪校から転校してきた中西さんが加わったことで、物語はひろがりを見せていく。
    顧問の溝口先生、国語教師の滝田先生を含め、登場人物が個性派ぞろいで読んでいて楽しかった。 

    高校演劇は、秋の大会で負けたらそこで終わり!とかなり厳しいようだ。なるほど大会にかける皆の情熱が凄いのもわかる。部長になったさおりは、吉岡先生の指示で俳優から演出する側にまわった。
    物語がさおりの視点で描かれているので、演目が決まるまでの過程や、俳優と演出家の関係性についても理解しやすかった。
    「自分をよく見せてくれる演出家は、そいつがどんないやな奴だとしても信頼するよ」(吉岡先生の言葉)
    「俳優から信頼される演出家になりたい!そのためにはどうすれば良いか」
    さおりが模索しながら答えを見つけていく姿に心を動かされた。

    高校生の恋バナも微笑ましい。甘い考えの男子に比べ女子は冷静に相手を見ているなぁと思った。溝口先生や父親たちが美人の吉岡先生の前でデレデレする姿は見たくないけど…。

    演目が『銀河鉄道の夜』に決まり、さおりの書いた台本で稽古が始まる。
    地区大会は突破できたが、信頼していた吉岡先生の突然の辞職に部員の動揺は隠せない。さおりは母親に渡された少女漫画や、国語の滝田先生から聞いた相対性理論や宇宙論の話をヒントに、台詞を書き換えようと決意した。
     
    「5分前です」
    「2分前です」
    1分前、私はゆっくりと右手を挙げる。
    開演のベルが鳴る。
     
     幕が上がる。  

    高校生の頃に戻ったような気持ちで最後まで読むことができた。目標に向かって仲間と突き進んでいく姿が眩しい。
    「私たちは、舞台の上でなら、どこまででも行ける。どこまででも行ける切符をもっている。」
    終盤は部員一人ひとりが愛おしくて、幕が上がった瞬間に思わずうるっときた。
    また舞台を観に行きたくなった。

  • 高校演劇部を舞台にした、青春劇。それほど期待していなかったのだけれど、感動して久々に泣いてしまった。勢いで映画も観てしまった。こちらも良かった。舞台も観てみたくなった。流石、平田オリザ。

  • 久々に再読。高校演劇に身を置いた人間、今、身を置いている高校生は必読。
    もう演劇のことしか考えられない、というあの頃の気持ち。そうだった、そうだったと、思い出します。
    全国大会、静か系ミュージカル系、鳴る一ベル、試験勉強しながら大会の準備をした日々。

    迷った末に生み出されたセリフも素晴らしいと思った。本当に、等身大って何かな?と思う。友達のこと、家族のこと、将来のこと、悩むけど、それをそのまま表現することがやりたい演劇なのか??最後の直したセリフは、普遍的で、自分のことと重ねてしまう力があると思った。
    拍手が止まない芝居ができたら。高校を卒業しても演劇に関わる道がどれだけ難しいか。劇部の夢のような小説。

  • 平田オリザさんといえば…。私には劇作家である。

    しかも、高校演劇の話となれば読まないわけにはいくまい!!と思って読んだものの…。

    …ダメだ。読めない。

    面白くない訳じゃない。
    むしろ面白すぎて、あの頃が鮮やかによみがえりすぎて、痛くて読めない…。

    有川さんのシアター!は現在進行形で今の私の状況とも被るから読めた。

    でも、この本の舞台はもう手に入らない、戻れない「あの頃」なのだ。

    部活紹介で初めて先輩達がやる「演劇」を見たときの衝撃や、顧問不在のやるせなさや、色々忘れてたものが蘇ってきて、今の私には痛い…。

    多分、全く演劇から遠ざかっていたら懐かしい思い出として読めるのかもしれないが、まだそうじゃないから余計に痛い。

    しかも!しかも!私が一度はやりたいと思ってる想稿・銀河鉄道の夜まで出てくるんだもん!!

    こんな読み方をするのはほんとにごくごく少数派なので、一般的には面白いと思います。

    高校時代の全てを演劇に捧げた自負があるのでわかりすぎて、思い出しすぎて私には痛い小説でした。

    • 円軌道の外さん

      おひさしぶりです!
      お返事遅くなって申し訳ない(汗)(^_^;)

      しかし、思いが溢れ出す
      いいレビューですね。

      実は自分...

      おひさしぶりです!
      お返事遅くなって申し訳ない(汗)(^_^;)

      しかし、思いが溢れ出す
      いいレビューですね。

      実は自分も好きな人から
      この小説借りてるんやけど、まだ読めてないんスよね~(。>ω<。)

      好きすぎたり、あまりに自分に寄り添う作品だと
      冷静に判断できないって感覚は分かります!

      自分が音楽を始めるキッカケになった
      ローリングストーンズのレビューは
      好きすぎていまだにうまく書けないのと同じやと思うし…

      特に思春期の自分の思いとあまりにもシンクロしちゃうと、
      いろんな思い出が、読みがえってきて
      苦しくなることもあるし。

      ゆりさんは高校演劇にいい思い出がないんかな?

      また、読んだら自分もレビュー書きますね(^_^;)


      2013/12/15
  • ももクロが映画やるらしくて読んだ。読書だいすきだから嬉しかった。

    夏菜子れにあーりんしおりんにピッタリくる感じでそれで読んだ。夏菜子はさおり、あーちゃんはユッコ、れにはガルルで、中西はしおり。自分の中ではありちゃんはいなかった。映画はどうなるかな。
    舞台の上での、りんりんの演技のやりとりの迫真のシーンにグッときた。あと、部長の葛藤とかも夏菜子にしゃべらせて心にきた。なんかなんだかわかんないって悩んでるところとか、頼りにしてた寄りかかってた先生を克服して自立して部活引っ張っていく姿と夏菜子を重ねる。んーでも高校生の心情にしてはさおりは老成してたかな。

    MVの制服の着こなしなんかもピッタリに思えてきちゃうな。

    入試問題で出てきそうな、しっかりしててなんとなく品のある素敵な小説だった。口語っぽいけどダラダラしないダサくない。とってつけたような味付けはない。でもたまにでてくる詩が効いてる!詩で味付けるのいいね。それに抽象的で堅苦しい詩じゃない。宮沢賢治や谷川俊太郎の詩だから、高校生の大人っぽいような子供っぽいような、自由だけど葛藤する心情を、抽象的みえるけど案外具体的に表現するのに役立ってる。

    コメディ化しないで、品があるまま映像化されますよーに。

  • 進学校の弱小演劇部を舞台にした青春物語「幕が上がる」3年生の引退で部長になってしまった高橋さおり。看板女優のユッコ、ムードメーカーのガルルとともに自分達の演劇を見つめ直す。そして副顧問に新米先生が加わることになるのだが。。超オススメ!まさに青春。毎日を楽しく、一生懸命、そして些細な事に悩む。誰しも経験する学園生活の日常を演劇を通して描いてます。馴染みのない演劇を練習から大会まで詳細に説明していて分かりやすい。また、本編で登場する本が物語に深みを与えてます。読後「銀河鉄道の夜」が読みたくなります。とても綺麗な物語。是非♪

  • オリザさんって・・・・ 演劇をやっている高校生を本当に応援してくれているんですね。(*^_^*)


    主人公は、地方の進学校の弱小演劇部部員2年生の高橋さおり。
    いつも地方大会止まりで、その先なんて望めない高校で、やっぱり今年もダメだった。
    でも・・・・。

    部活ってさ、自分の思いや実力、だけじゃなくて、運不運がすっごく大きく関係しているんだよね。
    もちろん、その部活目当てに高校を選べば別だけど、学力に見合った公立高校に行き、そこで吹奏楽でも、何かスポーツでも、演劇でも始めよう、と思ったところで、どんな顧問の先生が指導してくれるか、どんな先輩・同輩・後輩に恵まれるか、で全然違う。
    だって、そもそも、“実力”なんてまだなんのことだかわからないくらい、何も知らないんだもの。


    さおりは、将来、役者になりたい、と思うほどの強い気持ちはないけれど、それでも演劇部でいいお芝居をしたい、という真っ当な部員ではある。
    今、三年生が引退し、これから自分たちで来年の部活を運営していく、という物語の始まりで、
    あれ?ちょっといいんじゃない?と思わせるキラッと光る部員たちの横顔が語られ、
    さおり自身の部長として、演出としての力量も伺わせる描写が嬉しい。

    その上、新年度から、新任の美術教師で学生演劇の女優で鳴らした吉岡先生が来られて、副顧問に。
    さぁ、始まるぞ~~!となお一層明るい気分に。

    オリザさん、巧いなぁ、と思うのは、
    さおりを始めとして、ただ座して幸運を待つのではなく、
    ちゃんと行動を起こした上での上昇だということ。
    吉岡先生も、美術部の顧問でもあるという設定から、さおりたちが熱心に頼みに行かなかったら顧問になってもらえなかったし、しかも、女優をやっていた人なので演出関係は得手ではない、つまり、さおりたちが考えることがたくさんあるんだよね。

    でも、吉岡先生の指導で、発声練習から、エチュード(演技力をつけるための即興芝居)から、大会までのタイムスケジュールから、台本選定から、とにかく何もかも、新鮮な展開が見えてくるし、それをまた、きちんと受け止めて自分たちのものにしていく部員たちが素敵。

    うちには娘ふたりいて、高校時代はまさにさおりのような高校の演劇部員だったから、お母さんとして(*^_^*)あれこれ見聞きしたことが、うんうん、そうだったよぉ~~!と思えるところも面白かった。

    他校と合同の演劇合宿、強い個性を持つ演劇部員たち(人前に出ることを厭わない子達、という共通項から、なんだろうね。)、顧問の先生が熱心だったり何も知らなかったり、でも、台本まで書いてくれるような顧問が必ずしも歓迎できる顧問ではなかったり(だって、その台本がつまらなかったりもするんだもの。)、そして、下の娘の方は史上初の(*^_^*)関東大会まで行ってしまったものだから、そこに至るまでのあれこれや当日のやはりあれこれ、など。

    主人が先に読んで、あぁ、そうだったなぁ、うん、そうだよ、なんて嬉しそうにしてたのは、娘たちふたりが今、家を離れているから、というのが大きいだろうな。

    この本は、さおりや部員たちの成長物語、ではあるんだけど、それと同時に、とても良質の高校演劇指南書ともなっていると思う。
    そっか、こんな練習方法があるのね、とか、こんな気持ちで練習に臨むべきなんだ、とか。

    ひとつひとつが、そんなに高校生からかけ離れた難関の課題ではなく、地道に楽しく部活動をしていれば、きっといいものができるはず、と思わせるところがオリザさんだなぁと。

    うん、この物語を小説家ではなく、現役の劇作家・演出家であり、劇団の主催者であるオリザさんが書かれた、ということで、とても信頼感のある気持ちのいいお話として感じられた、ということも大きいなぁ、と。

    とても面白いお話しでした。
    娘たちふたりにそれぞれ、送ってあげようと思います。(*^_^*)

    • たまもひさん
      そうですか、お嬢さんたちは演劇部員だったんですね。じゅんさんのおっしゃるとおり、演劇部の子たちというのは例外なくとても個性的だったなあと、か...
      そうですか、お嬢さんたちは演劇部員だったんですね。じゅんさんのおっしゃるとおり、演劇部の子たちというのは例外なくとても個性的だったなあと、かつての職場を思い出しました。ぱっと見はまじめな優等生っぽいタイプに見える子が多いのですが(意識的に装ってる、という感じ)、いやなかなか強烈なものを持っていて…、あ、お嬢さんはどんな生徒さんだったんでしょうね。

      あまり注目されることのない高校演劇が本当に魅力的に書かれていて、これは平田オリザさんだからこその傑作だと思いました。
      2013/02/13
    • じゅんさん
      (*^_^*) (*^_^*)
      大会を見に行くと、他校の演劇部員たちもなんというか歩いているだけで個性的だなぁ、と感じる子達が多くて面白かっ...
      (*^_^*) (*^_^*)
      大会を見に行くと、他校の演劇部員たちもなんというか歩いているだけで個性的だなぁ、と感じる子達が多くて面白かったんですよ。
      大勢の中に埋没しない、というところが見れて好ましく思えました。たまもひさんも学校で実感されてたんですね。
      あはは・・うちの娘たち、たぶん、たまもひさんご指摘のとおり、優等生っぽく見えて実は、という感じだったかも。(*^_^*)
      私も演劇が大好きなので娘たちのおかげで随分楽しい思いをさせてもらいましたよ。
      2013/02/13
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著者プロフィール

1962年、東京都生まれ。劇作家・演出家。芸術文化観光専門職大学学長。国際基督教大学在学中に劇団「青年団」結成。戯曲と演出を担当。戯曲の代表作に『東京ノート』(岸田國士戯曲賞受賞)、『その河をこえて、五月』(朝日舞台芸術賞グランプリ受賞)、『日本文学盛衰史』(鶴屋南北戯曲賞受賞)。『22世紀を見る君たちへ』(講談社現代新書)など著書多数。

「2022年 『撤退論 歴史のパラダイム転換にむけて』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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