僕たちの前途

著者 : 古市憲寿
  • 講談社 (2012年11月22日発売)
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  • Amazon.co.jp ・本 (338ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062180825

作品紹介

「下流でもなく、ホリエモンでもなく」。あるいは「草食でもなく、肉食でもなく」。若き起業家たちの生態系に飛び込んで、幸福な若者たちの「働く」意味を考える。『絶望の国の幸福な若者たち』を超える、渾身の労働社会学論考。

僕たちの前途の感想・レビュー・書評

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  •  最近、自殺した東大卒の電通社員がTwitterに残していた死ぬまでのツイートが話題になっている。

     いい大学に入って、いい会社に入る。そうすれば人生上がり。

     そんな時代は終わっている。

     すり減らされるのは一般労働者だけではなく、エリートコースでさえも使い捨ての世の中だ。

     僕たちに明るい前途は見えない。


     この本はブラック企業という言葉が定着する前、2012年初版の本だ。

     著者の近しい人は遊ぶように働く仲間がいる一方で、世の中は将来に不安を持ちながら働く人、働かない人、様々だ。

     明治時代以前からの日本人の働き方を考察している。

     この先の働き方に答えを出しているわけではない。前途が明るいとも暗いとも明言していない。

     ただ一つ、友人のネットワークが人生において重要だということは明言している。

     そうなるとやはり、どの学校に属していたかが重要になってくる。

     
     自殺した女性はTwitterで日々の激務をつぶやいていた。
     
     それゆえに労働災害認定されたわけだが、どうして自殺にまで追い込まれたのか。止まれなかったのか。止められなかったのか。

     低成長の時代は精神論になりがちだ。しかし、精神論でどうにかならないことは先の大戦で身に染みているはずだ。

     日本人はそれでも精神論にしがみつく。

     働き方、生き方、死に方、僕たちが目指す前途を考えなければ、ただ生まれてから死ぬまでのノルマを果たすだけの人生だ。

  • 前半→起業の実例と考察
    後半→起業や労働に関する日本の
    歴史を振り返り、現代の様々な状況から前途を予測する


    わかったことは以下

    起業をするには、人脈、金脈、技脈が必要

    また、一過性のものではなく継続的に発展していける技術や商品が必要

    さらに社内には気の合う(志を同じくする人、一緒にいたい人)、強いつながり持てる人を置き、社外には自分とは違う世界の人達のようにゆるいつながりを持つことが大事であること

    「会社は国家なり」という言葉がピッタリと当てはまるくらいに国は企業に社会保障を丸投げしてきた日本において、会社に入らない選択や会社を辞めるという選択は下手をすれば死を意味する
    と同時に「学校経由の就職」や「新卒一括採用」という硬直的な制度を長年保証してきたが故に起業リスクが高まり、制度や法律を、いかに整備しても起業率は上がらない(起業率の低さは豊かさの象徴で雇用機会がある程度保証されているからともいえる?→実際そうは感じない)

    さらに、不景気で会社の体力が無くなり、若者の雇用環境の悪化や貧困化が問題になる中でそれが顕在化しにくいのは「家族福祉(親が子供を食わせる)」の影響

    日本人というだけで世界的にはエリート
    ex.ビザなし渡航できる国が165カ国で世界5位、中国は41カ国


    印象に残った言葉

    東大学食の東大生の言葉

    官僚になるなんて、官僚にしかなれないガリ勉のすることですよ

  • この本の主役は、起業する若者たち。前半は、実際に起業した若者たちの生き様に勢いを感じパワーをもらえた。一方後半は、「起業家」とはどういったものなのか、日本人の働き方の変遷、他国との働き方の比較など社会学の学びが出来る構成。いつもよりも書き味にキレが感じられず残念。

    ☆心に残った箇所
    楽しい仕事を選んでいるというよりも、選んだ仕事を楽しんでいる。

  • 読みやすく起業についての善し悪しが理解出来た。後半はやや漠然とした内容にまで踏み込み、何を伝えたいかが不明確ではあった。独特の書き方や表現の仕方が面白い。若者論に興味ある方にオススメの一冊

  • それでも生きてゆくのだから、前途を見据えて考えなきゃならないよね。

  • 著者の世代の価値観がよくわかる内容で

    古市さんの本で私は1番好きです

    若い世代のパラダイムが知れて面白かった。

    何でも便利な世の中になり、物が溢れ

    それらを合理的に考えて利用し、楽しむ

    違う世代(若い世代)を批判するだけでなく理解

    肯定をする必要性を感じました。

  • 今回はいわゆる「起業家」の経歴を参与観察?を通じて、若者世代の前途がどのようなものになるかをつらつらと書いた作品。

    やはり
    親の資本力→学歴→学校を通じた人的資本→起業家としての成功

    といった循環が生まれているのね…

  • 自身もベンチャー企業社員の一員である古市憲寿氏の「若者の起業」論。起業する若者たちの「現実」があまりにも世の中に伝わっていないという問題意識のもと、起業する若者たちのリアルに迫ることを意図している。
    著者が断っているように、サンプルが少ないこともあり、ここに出てくる「起業家」たちを一般化することはできないが、「下流でもなく、ホリエモンでもない」最近の若者起業家の等身大の姿っぽいものが描かれているとは思った。本書に出てくる起業家は、みな「つながり」を大切にしているというのが印象に残った。また、彼らを下支えしているトランポリンとしての「資本(経済資本、社会関係資本、文化資本)」の存在についての言及も重要な指摘だと思う。
    「起業」や「起業家」を俯瞰して捉え、「起業家」という存在が今までどのように語られてきたのか、「起業」の実態を分析した各章も、実際の企業はITベンチャーよりも「小売業」や「飲食店」といった「地味な起業」が多いという指摘など、なかなか勉強になった。
    しかし、全体を通して、だらだらとした文章が続き、あまり何を言いたいのかが不明瞭だと感じた。また、実際の起業のほとんどが「地味な起業」なのであれば、本書で紹介されている起業家の事例は、「リアル」っぽいだけで、かなり特殊なケースなんじゃないかと思うし、そもそも事例が少なすぎる気はした。最後の対談も余計な気がした。

  • 「起業の社会学」というと難しそうな内容であるが、要は起業するには、思いつきではなく専門性・人脈などがないとダメということ。成功する起業家は、起業しようと考える前に、起業してしまっているのが常であるらしい。自分の強みが何かを考えると、「僕たちの前途」はそんなに優しくない?

  • 前半の企業の話は別の本でも書かれていたのか、あれこの本読んでいたっけなと繰り返し思う。後半も 就職、就業についてはデータを交えながら説明で興味深く頭の良い後輩と話しているようで楽しく本を読む。本著者の本を読みたいと思う所はここだろうな!他の社会学の本などを読んでもいまいちピンと来ないが、古市氏は我々と目線が近いので読みやすいのだろう。

    【学】
    人気会社のランキングより、3年離職率の方がはるかに有用

    2000年ネットバブルその後、1円企業、第三次ベンチャーブーム。今までは、大企業に就職し社長や役員になるのが成功イメージだったが、いまやベンチャー会社を立ち上げるとの方が成功イメージではないか。

    職業というモノは、やりたいことを実現するための手段であって、その本質ではない。

    本 減速して生きるダウンシフターズ

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