黒王妃

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 146
感想 : 23
  • Amazon.co.jp ・本 (458ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062180894

作品紹介・あらすじ

生意気な嫁、忌々しい寵姫、周囲からの悪口。すべてに耐え、国王亡きあと政情不安な国を支えたフランス王アンリ二世の正室、カトリーヌ・ドゥ・メディシス。生涯黒衣をまといつづけた人生を、一人称の独白を交えて大胆に描く。

感想・レビュー・書評

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  • 主人公はカトリーヌ・ドゥ・メディシス。

    歴史上の人物については、小説や漫画で読む方がわかりやすいのだが、いかにせん本書は(私には)ボリュームがあり過ぎた。

    長い…。
    30章あるうち、18章からはやや飛ばし読み。

    時系列で書かれていないので、あちこちに年代が飛ぶ。
    アンリ2世が生きている時だったり幼少期だったり死んだ後だったり…。

    内容的には、今まで他の書籍で知っていたエピソードや人間関係が復習できた部分と、そうでない部分とが有り。
    そうそう嘘も書けないだろうから、私が本書で初めて知ったエピソードも、私が今まで知らなかっただけでこれらの人物達にこういうエピソードはあったのかもしれない。
    だとしたら、シャルル9世、アンリ3世、マルグリット(マルゴ)は相当『ヤバい』…。
    (本書に書かれているのは、強姦魔の王、兄2人と妹の近親相姦だもの…)

    また、本書で出てくる「フアナ」がフェリペ2世の妹と書かれていて、有名なフアナはフェリペ2世の祖母だし年代も違うしと思って調べたら、フェリペ2世の妹にフアナという人物もいるようだった。
    ヨーロッパ各国の王族には同じ名前の人物が山ほど出てくるので驚くこともないが、今まで読んできた書籍ではこっちの「フアナ」の存在は全く出てこなかったので、「フアナ」と言ったらあっちの「フアナ」のことだと思ってしまう…っていうのは私だけではないはず。

    後半は飛ばし読みしたが、なんか疲れた。

  • タイミングと言うか…。
    フランス王室にだって、王権の強い時代が幾らでもあったのに。よりによって、夫アンリ2世が事故死した後、嫁にデレデレの長男が病死し、次男の幼帝を抱えるこの時期に、宗教改革がぶつからんでも…。と、弱音を吐いたりしないのが我らが「お店屋さんの娘」、カトリーヌ・ド・メディシス。
     全国行脚で、フィレンツェ・メディチ家仕込みの洗練を見せつけ、半島の平民女のド根性で突き進む。私欲にまみれる佞臣やら隣国やら聖職者やらを交わし、どこまでも新旧両教徒の宥和政策を進める姿が感動的…と思いきや、この本の幕切れは「聖バルテルミの虐殺」。ドュバ=ポンサンの絵画まんまにパリ市内を視察する。歴史はまだまだこの後も低迷する、特に黒王妃推しの息子・アンリ3世の治世はこれからだと言うのに…。

    王妃マルゴはほとんど出てこないし、フェリペ2世も全然だけど、王妃も戴冠式ってあるんだ〜って知ったので良しとする。

  •  カトリーヌ・ド・メディシスとユグノー戦争を題材とする歴史小説。中途で挫折。主人公のモノローグが全然駄目。この著者は『女信長』の時もそうだったが女性を内側からは全く描けない。狂言回しを拵えて、第三者視点だけで描いた方が良かった。

  • 虐殺??後で歴史調べてみる

  • フランス国内で燻り続けた宗教戦争時の王母、カトリーヌ・ド・メディシスの物語です。
    カトリックとプロテスタントの勢力が拮抗するフランスは、共存の道を模索します。
    カトリーヌも共存を一番に考える側でしたが、双方の急進派が起こす流れには抗えません。
    しかし、一度戦争となれば周りの男衆よりも一貫した姿勢で臨みます。
    それまで地味な庶民のイタリア女として馬鹿にされていた彼女は、一変して強い指導者となります。
    客観視された文章とカトリーヌの回想が分けられた構成となっています。
    前者だけでも十分なくらいの女性らしい強さが、後者によって更に印象付けられました。

  • 時代背景や構成は面白いと思うんだけど…。主役である黒王妃にあまり魅力がないのと、ストーリーに牽引力がない。黒王妃の「黒」さについても、最後にちらっと出てきただけだっだし…。主題がわからず、最近この著者こういうの多いなぁ。

  • 直木賞作家らしいのですが、、、面白くなかったので、読むのを止めました。

    映画「アン・ブーリン」の様なドロドロした面白いものを期待したのですが、黒王妃であるカトリーナの心の声がよくある感じを抜けず。

  • 地の文はフランソワ2世の治世から聖バルテルミ虐殺まで、カトリーヌ・ド・メディシスの独白による回想はアンリ2世との結婚から夫の死まで、両者が並行して記述される。
    佐藤賢一にしては女性の書き方もあんまり下世話じゃなく、なんとカトリーヌに好感を持たせる記述になっている。
    融和指向だったカトリーヌがなぜ聖バルテルミを惹き起こしたのか(乃至許容したのか)をどう表現するのかと思っていたが、それはあまりよく描かれていなかった。融和を求める考えが結構書き込まれていただけに残念。コリニーが息子の父親面したのが家族を守るマンマとして許せなかっただけでは弱いでしょう。コリニー暗殺教唆だけならともかく…

  • 名前がごちゃごちゃして分かりづらく、カトリーヌの夫の愛を争う時代と子供の王としての黒幕の時代が交互に語られて、これもまたややこしい構造で、、、とにかく権謀術数の宮廷の嫌らしさがよく分かった。

  •  時代にも人物にも興味があるのにどうしてものれない、はまれないという作品はあるのだなあと、同著者の『新徴組』を読んだ時とはからずも同じ感想を抱いてしまった。地の文に直接モノローグを混ぜる自由間接話法的な文体がこの作家の特徴といっていいかと思うが、本作ではそれをさらにおしすすめ、カトリーヌのモノローグと三人称での説明文とが交互に展開する形式をとっている。地の文にはこの上さらに登場人物の発言や独白がかっこなしで唐突に出てきたりもする。
     こういった文体があることも知っているが、会話口調が多すぎてどうしても安っぽさが否めない。宗教戦争の時代のフランスが舞台とはいえ、 読者は現代の日本人なのだから分かり易さが必要、というのもわかる。だが、一人称の会話調が繰り返されればされるほど、どうしても稚拙な感じがしてしまう。平易であることが拙さの謂ではないともわかっているけれど。
     結局相性なのかなと思いつつ、歴史の勉強にはなるけど文芸作品としては、個人的には全く好きになれませんでした。王妃にもあんまり共感できず、読みやすいはずなのに文章を辿るのがひたすら苦痛で……。「ええ、ええ」が出てくるたびイラッときてました(ほんとこればっか)。バルザックの評伝を読む方がましな気がする。

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著者プロフィール

作家

「2021年 『覇権帝国の世界史』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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