- Amazon.co.jp ・本 (330ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062181044
作品紹介・あらすじ
葵御紋付提灯に手を出した、しがない小役人のはずの山本庄蔵。「江戸払い」か「御扶持召放」か、厄介事は、"窓ぎわ同心"紋蔵のもとに…。その間も、庄蔵は江戸をちょこまか動きまわる。この男、とにかく、へこたれない!表題作他7篇収録の人気シリーズ新展開。
感想・レビュー・書評
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いつの世にも、いじめというものはあるようで、、、。
三男でありながら、さる大名の藩主となるお鉢が回ってきた。だが、見栄えが良くないために、周りの家臣からいじめを受ける。
紋蔵に相談にきた。
兼ねてから友人となった文吉を始め文吉と喧嘩をすることになって、返って仲良くなった大きな商家のせがれ久太郎にも願い、週に何度か、論語や孟子の素読をしたり、剣術の稽古をしたりするようになった。
もとより友人たちとの楽しそうな稽古や勉学。
周りの家臣たちが一人二人と共にするように。
もとより、見栄えは悪いがおっとりと性格の良い夢之助を知るほどに、家臣たちは本当に心から仕える気持ちになってゆく。
心と心の真実なふれあい、思いやりがテーマのこの一冊。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
紋蔵が様々な事件に遭遇しながらも、平々凡々な日々が過ぎていた家庭で娘の出戻りや息子の養子話など幾つもの出来事がにわかに巻き起こり、今後は内と外で悩み事を抱えることになるだろうというロングシリーズの新たな展開。
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藤木紋蔵シリーズ。
8話。
本当に、何をやっても「へこたれない人」と、いう人はいるものだと、思う。
ここでは、山本庄蔵であるが、憎めない人柄にしてある。
夢見る夢之介にしても、素直である。
江戸の日々に、小さな問題が起きても、それをどう裁いて行くのか?
「青菜に塩の冷汗三斗」に出て来る孝三郎紙入れなど、京都の帆布店の話にも通じるような・・・・
「それぞれの思いやり」では政吉が、更生してくれればいいけど、、、、
それに、文吉が、2歳の千鶴を許嫁にしている所は、やはり江戸時代なのか?と、思いながら、読み終えた。 -
葵御紋付提灯に手を出した、しがない小役人のはずの山本庄蔵。「江戸払い」か「御扶持召放」か、厄介事は、“窓ぎわ同心”紋蔵のもとに…。その間も、庄蔵は江戸をちょこまか動きまわる。この男、とにかく、へこたれない!表題作他7篇収録の人気シリーズ新展開。
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思いが通じるお話は読んでいてスッキリします。
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居眠り紋蔵は読むほどに味わい深い
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佐藤雅美先生は絶対に江戸時代からタイムスリップして来たに違いない。江戸の風俗にくわしすぎる。
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「小説現代」に掲載された8話の単行本化で、居眠り紋蔵シリーズ12作目。
南町奉行所の例繰方(判例調査掛)同心の藤木紋蔵は、居眠りという奇病持ちで軽んじられていたが、難題を解決する異能を発揮して、昨今は「南の知恵袋」とまで言われている。
長女の稲さんの夫が、まだ若いのに病気であっけなく亡くなってしまった。子供の頃から健気な姿を見てきただけに、かわいそうでならない。
幼い娘の婿に紋蔵の養子となった太吉を据えて剣持の家を継がせるが、その太吉の友人になった二千石の旗本が本藩の当主つまり大名になり、太吉と紋蔵が彼を助ける。
今回陰の主人公は"へこたれない人"、南町奉行所の同僚山本庄蔵で、色々な斡旋や取り持ちで稼いでおり、危ない橋を渡って首になるが、奉行所に出入りを続け、さらに問題を起こす。