別れる力 大人の流儀3

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (202ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062181532

作品紹介・あらすじ

人は別れる。そして本物の大人になる。数え切れない別れを体験してきた作家が届ける切なく優しいメッセージ。国民的ベストセラー第3弾。

感想・レビュー・書評

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  • 2012年初版。著者が亡くなったことをきっかけに、読んでいます。一つのテーマが5ページくらい、読みやすい。酒・ギャンブルに浸り、想像するに数々の女性とも浮き名を流してきただろう著者。独善的な文章が歯切れが良い。思っていることを忖度して嫌われることを恐れて、戦々恐々としている私からすると羨ましい限りです。「会うが別れの初め、さよならだけが人生さ」知っている言葉ですが、身に沁みます。

  • 「たとえ人が、バカなことをと笑ってもかまうことではない。正しいことというのは半分以上が人の目に見えないことだ。」

    「人というものはつき合ってみないとわからないことが意外に多いものだ。」

    伊集院さん、ブレがない。特に嫌いなこと。

  • 伊集院静が「週刊現代」に連絡しているエッセイを、「大人の流儀」という書名で単行本化したもの。本書がその3冊目であり、2011年12月から2012年11月にかけてのものを、抜粋、修正したもの。私は1冊目も2冊目も読んでいる。
    時々、「うんっ?」と思うような部分がないではないが、基本的には真っ当なことを真っ当に書いていると思う。
    最近、この人が、阿佐田哲也、あるいは、色川武大について書いた「いねむり先生」を読んで非常に面白かったので、手にとってみたもの。
    例えば、通勤の電車の中で、あまり頭を使わずに読む本(内容がないということではなく、文章がとても読みやすく、すっと頭に入ってくる)を探している方にはお薦め、という感覚の本。

  • 読むものを忘れて、人の机にあったのを借りて読んでみる。
    うーん、つまらない。本当につまらない。

    中身のないことを、気取った文章で書かれても、まったく心に響かない。自慢と愚痴と思い出ばかり。
    「正義っぽいのを振りかざすな」「安けりゃいいわけないだろ」って、当たり前のことを理論もなく愚痴ってるだけ。

    これは、野暮で無粋である。

    じゃあ、なぜこの本がつまらなくて、ちょっと前に読み直した伊丹十三の「女たちよ!」(http://booklog.jp/item/1/410116732X)が面白いのか?

    たとえば、スマートフォンについてだらだらと愚痴を書いてある。それで最後に
    「第一、スマートフォンを使っている姿には、風情、情緒がない」と。

    そうじゃなくて、じゃあ、風情というのはどういうものか、道具をいじるときの美しい所作とは何か、をたとえば、煙草入れを例にして説明する、それで、ね、スマートフォンにはそれがないだろ、と言われると、なるほどな、となるんだけど、そういうのがない。

    だから読んでいて得るものがない。だから面白くないんだな。

    まあこういうのが「大人」の「流儀」なら、そんなもの身につけたくはない。
    これが「国民的」ベストセラーなら非国民でいいや。

  • 追わない生き方推奨本

  • 冒頭部分が切ない。

    『第一章 別れて始まる人生がある』の冒頭『愛する人が残してくれたもの』というエッセイは「人と人は出逢いではじまる。」という書き出しで始まる。
    その後、「私は三十五歳で若い妻を癌で亡くした。」という名前こそ出てこないが、夏目雅子さんの話へと続く。

    次の『生きることの隣に哀切がある』というエッセイでは、伊集院さんが20歳の時に16歳の弟さんを海の遭難事故で亡くした話。台風の中、友人たちと手をつないで海に入り弟さんを探したそうだ。

    別れについてだけを書かれているわけではないが、本人が経験した数々の別れを記す。

  • 伊集院 静。
    言いたい放題だけど、なんで好感持てるんだろ。
    この人、女性からは、もっとモテモテなんだけどね。

    週刊現代への連載随筆集だけど、「別れる」をテーマにしている回は数が少ない。
    なんで「別れる力」なのか。○○力っていう昨今のタイトルは辟易気味としても。

    鮨屋のカウンターに子供を座らせるな、との持論。
    夜の鮨屋のカウンターは男の場所だ。
    若い女のうち、素人は来るな。主婦は奥の障子の向こうにいろ。

    一方で、スペインは2時間のシエスタを今もしている、
    いくら金融支援しても救われるわけがない。
    ギリシャは社会主義政権の時に失業者をみんな公務員にして食わせた。
    こんなこと続くわけないだろ。
    日本も莫大な借金かかえて子供手当満額実行だの高速道路無料だの言ってるな。
    と過去の有り様との”別れ”を提唱する。

    伊集院さん、よく分からんが、憎めない。

    田原総一朗的にいえば、
    変わらなくてはいけない、と叫ぶのが革新だったはず。
    今や“革新勢力”とは、これまでの”ぬるま湯”を守る保守に。

    こういう感覚は、日本だけじゃないでしょうね。
    アメリカは別として。

  •  後半は直接的には別れが必ずしもテーマではないが、世の中のことに物申しているエッセイ。
    得る物はあると思う。
    古き良き時代、内でも外でも姿勢がきちんとした大人、風情、情緒から別れた現代がテーマか。

  • 「別れる」という意味を早合点していた。様々な「別れ」があって、それぞれに意味があり、大人の男としての対処があるということなのだ。すっかり離婚のことだと勘違いをしていた。悩めるオイラはこの本で頼りになる伊集院の兄貴から教えを乞うことができると張り切っていた。が、浮気というものが理解できないとあり、離婚などというものが肯定的に語られる訳がない。さすがである。
     この人をつくった父親、母親は素晴らしい。父親は父親らしく、母親は母親らしい。実にシンプル。正しいのかどうかはわからない。でも、確かに迷いがなくて言い切る力強さがある。なにが正義かなんて立場によって変わってくるものだから、せめて自分自身にとって何が正しいのかくらいは胸を張って言えるようでありたい。

  • 【いちぶん】
    談志は己を少し崩して生きた。若い時代に自己否定を一度考えたものは“崩し”を敢えてする。最初の内はただのバカにしか映らないが、歯を喰いしばってこれを続け、天運、人運に恵まれると、これが人をかたちにする。

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著者プロフィール

1950年山口県生まれ。’81年短編小説「皐月」でデビュー。’91年『乳房』で吉川英治文学新人賞、’92年『受け月』で直木賞、’94年『機関車先生』で柴田錬三郎賞、2002年『ごろごろ』で吉川英治文学賞、’14年『ノボさん 小説 正岡子規と夏目漱石』で司馬遼太郎賞をそれぞれ受賞する。’16年紫綬褒章を受章。著書に『三年坂』『白秋』『海峡』『春雷』『岬へ』『駅までの道をおしえて』『ぼくのボールが君に届けば』『いねむり先生』、『琥珀の夢 小説 鳥井信治郎』『いとまの雪 新説忠臣蔵・ひとりの家老の生涯』、エッセイ集『大人のカタチを語ろう』「大人の流儀」シリーズなどがある。

「2023年 『ミチクサ先生(下)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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