民法改正の真実─自壊する日本の法と社会

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 18
レビュー : 4
  • Amazon.co.jp ・本 (290ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062181617

作品紹介・あらすじ

こんなことが許されるはずがない!いま、国民不在のまま国家の基幹をなす法体系が破壊されようとしている。いったい誰が一部の官僚と学者の恣意的独走を許し、この不可解な法改正を主導しているのか?その戦慄すべき目的を白日の下に曝し、渾身の批判を展開する。

感想・レビュー・書評

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  • 民法改正案を違った角度から学べるかと思いきや、終始東大の内田貴教授の批判を書き連ねるという徹底ぶり。ほとんど民法改正案には触れられずに終わった。よくこの内容で一冊の本が書けたものだ。ある意味著者の筆力に敬服した。ありていに言って、売りました、買いましたという至極単純な世界を条文化したに過ぎない民法の改正案を憲法改正に匹敵するほどの大事件とまで言うあたり、素人には理解できない点多々あるが、やはり具体的に改正案のどこが私たちの生活に影響するのか記載されないことには実感がわかない。その影響というものをグロテスクな比喩でしか表現できていない点、私たち素人には物足りなさが残るのである。

    P257
    アメリカで学んだというその医療研究者は、アメリカとその関係する国際機関で最近すばらしい人工心臓のモデルが開発されたといい、~それを移植してはどうかとあなたに強く薦める。
    もうあなたもけっこういい歳だから、そろそろ心臓を取り替えたほうがいい、いま特段の問題がないように見えても、素人にはわからない問題がじつはある、~絶対にこれを移植したほうがよいというのである。
    ~あなたは、手術からほどなくして人工心臓に対する身体中の拒絶反応に苦しみはじめ、研究者に対し、どうにかするよう求める。しかし、研究者は、臨床経験をほとんどもたず、拒絶反応の及ぶ範囲すら予測していなかったばかりか、自分の作った試作機の問題点を絶対に認めようとしない。
    あなたは、体をもとに戻すよう研究者に詰め寄る。しかし、医療廃棄物として処分された心臓が体に戻ってくるはずもない。
    そうこうするうちに、体中に拒絶反応が起こり、~体の各所が壊死を起こして、数年とももたずにあなたの体は危険な状態となる。
    ただ、人工心臓だけは独立の動きを保ち、無機的な鼓動を刻みつづけていた。

  • ■要約すると下記のとおり。
     ①アメリカの圧力
     ②出来レース
    ■『民法改正 契約のルールが百年ぶりに変わる』
     (以下『民法改正』と言う。)(内田貴,筑摩書房,2011)
     読了後に本書を読んだ。
     民法改正の賛成論者の本だけを読んでも片手落ちになってしまうと
     思ったからです。
    ■『民法改正』読了後,民法改正に総論としては納得していた。
     しかし,本書読了後,『民法改正』の印象がガラリと変わった。
    ■でも,きっとTPPと同様,結局は民法が改正されてしまうんだろうなぁ…
     なんて思ったりする。
    ■『民法改正』と本書を併読することを推奨します。

  • ○この本を一言で表すと?
     民法改正手続に関われなかった人の怨みがこれでもかと込められた批判本


    ○この本を読んでよかった点・考えた点
    ・民法改正手続きがかなり強引に進められていることが、過剰なほどに集められた記録や言行録で裏付けられていて、民法改正手続きが一方的に進められている実態について知ることができました。

    ・会社法改正の時も三角合併を容易にする条文など、アメリカの圧力が分かるような内容がありましたが、民法改正においてもそういった圧力があったということを初めて知りました。

    ・第五章と終章と補論でかなり詳しく内田貴氏の意見を分析していて、確かに偏っている考えを持っているかもしれないなと思いました。

    ・約款に対する許容についての改正は確かに濫用される恐れがあって危険だなと思いました。

    ・ここで批判されている意見を踏まえても、民法を現代化すること自体には意義があると思えました。その方法や改正内容については今の進め方でよいかどうか、確かに疑問に思えますが。

    ・アメリカ陰謀論を結論として展開しているところは孫崎氏の「戦後史の正体」に似ているなと思いました。


    ○つっこみどころ
    ・本文が250ページ強の本で、189ページまでひたすら揚げ足取りのための記録・雑誌・対談等の抜粋の紹介に終始していて、僻み本・ゴシップ本としか思えない軽い本になりかけていました。読みやすさ、わかりやすさ、メッセージ性を意識したのかもしれませんが、大いに逆効果だと思われます。終盤の分析の方のボリュームを増やしてほしかったです。

    ・文章の抜粋や強調したいところを太字にしているところは、説得力を下げている効果しかなかったです。

    ・法改正で積み上げてきた判例等の実績が失われてしまうというのは言い過ぎではないかと思いました。

    ・明治時代の憲法の制定や法律の制定のプロセスの話を読んでいるからか、既得権益者を撥ね退けて法制定・法改正を実現するには多少は強引なことが必要になってくるようにも思いました。この本の著者の主張するように関係者の合意を重視し過ぎると何も話は進まないと思います。著者は改正反対派なのでそれでいいかもしれませんが。

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