フランシス子へ

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 158
感想 : 31
  • Amazon.co.jp ・本 (130ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062182157

作品紹介・あらすじ

とりたてて何もしない猫、しかし相思相愛の仲だった-。自らの死の三ヶ月前、吉本隆明が語った、忘れがたき最愛の猫フランシス子の死。

感想・レビュー・書評

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  • ページを開いてまずご本人の満面の笑顔。少年のような人だと思った。

    「すばらしい日々」の血が付いた手帳が目に浮かんで何とも言えない気持ちになった。1ページ目で、もう涙が出てきてしまってダメでした。吉本家のそれぞれの作品を読んで「吉本家」を疑似体験したけど、ご本人が死に向かっている途中で(一部事実誤認であっても)ここまで想いを語れるって尊いことだと思った。

    読み終えて感無量というか…胸がじーん…とあつくなった。読みかえしたい。

    たまたま手にしたハルノ宵子さんの作品がきっかけ(しかも猫がきっかけ)で、吉本隆明氏とよしもとばななさんが繋がった。すごく不思議な縁を感じた。

  • 事実と違うことがずいぶんかかれているみたいだけれど、
    そういうことではなくて、
    この作品は吉本氏の最期の様子そのものなんだね。
    思想家としての彼はよく知らないけれど、
    こうしてエッセイなんかをいろいろ読んできて、
    ひとりの人間の人生に触れた気がしました。

  • フランシス子さんは、吉本さんの猫の名前。

    亡くなる3ヶ月前の、吉本さんの言葉。

    著者プロフィールの下にさりげなくあったフランシス子さんの写真に、涙が出そうになった。

  • 何度か読むことになるだろうな

  • なんてことはない文章だけど…。深い。

  • 吉本隆明さんの愛猫「フランシス子」の死。
    そして、そこから淡々と語られるフランシス子との記憶。
    いつしか語られるのは猫の話だけにとどまることなく、
    著者が思い馳せた事柄や思想へと繋がり、
    優しく優しく…それは孫に語りかけるように綴られている。
    本当に、その語り口が鮮明に浮かぶような錯覚があった。(実際に著者が何かを語る場面を目にしたことがあるわけではないけれど)
    とても優しい本だ。

    あとがきに「女子どもの本」という語句が何度か現れる。
    けれどそれは侮蔑的な意味合いを含むものではないし、
    ましてや本当に女性と子供にだけ向けられた本であるわけもない。
    恐らく、作者の語り口を精緻に再現した本書は
    男性的なにおいのする本ではない、という事を表しているのだと考えています。
    日本語を理解できる人に、
    それは老若男女を問わずに是非読んでほしい本と言える。

    四角四面な現代に必要なものとはなんなのかを考えるきっかけ。
    それがこの「フランシス子へ」のページに詰まっているように思います。

  • 泣けるほどずるい。

  • とても好き。文章が音楽みたい。
    最後のページがほんわりしとるのに、ふと泣けてくる。

  • 吉本隆明最後の本。軽い語り口だがなんともいえない寂しさ、安らかさを感じました。諦観ですかね。こういう風に老いて死にたいものだと思いました。

  • 思考することに、生きることに、ほんとに真摯な人だなぁ。

    「断定せず、間を見つめる」

    写真の笑顔がすべてを肯定しているような。

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著者プロフィール

吉本隆明(1924・11・25~2012・3・16)詩人、批評家。東京生まれ。東京工業大学卒業。1950年代、『固有時との対話』『転位のための十篇』で詩人として出発するかたわら、戦争体験の意味を自らに問い詰め文学者の戦争責任論・転向論で論壇に登場した。60年安保闘争を経て、61年「試行」を創刊。詩作、政治論、文芸評論、独自の表現論等、精力的に執筆活動を展開し「戦後思想界の巨人」と呼ばれる。80年代からは、消費社会・高度資本主義の分析を手がけた。主な著書に『言語にとって美とはなにか』『自立の思想的拠点』『共同幻想論』『心的現象論序説』『最後の親鸞』『マス・イメージ論』『ハイ・イメージ論』『アフリカ的段階について』『夏目漱石を読む』(小林秀雄賞)、『吉本隆明全詩集』(藤村記念歴程賞)等がある。


「2021年 『憂国の文学者たちに 60年安保・全共闘論集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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