とうざい

著者 :
  • 講談社
3.48
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本棚登録 : 104
感想 : 24
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  • Amazon.co.jp ・本 (226ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062182195

作品紹介・あらすじ

人形が解く、人の心と江戸の謎-柄は大きいが気は小さい、若き紋下太夫の竹本雲雀太夫。役者も裸足で逃げ出す色男、人形遣いの吉田八十次郎。木挽町は松輪座に、今日も舞い込む難事件!?とびきりの「芸」で綴るお江戸文楽ミステリー。

感想・レビュー・書評

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  • 歌舞伎の大部屋役者シリーズを書かれた田牧さんが文楽を取り上げたとあって期待したのだが、他の方のレビューにもあるように色々惜しい作品だった。

    まず主人公が若手ながら新興浄瑠璃小屋〈松輪座〉の紋下太夫・雲雀太夫なのか、その紋下太夫より人気の人形遣い・八十次郎なのかボンヤリしている。
    また物語も〈松輪座〉にやって来た老人が連れてきた少年の正体探しや〈松輪座〉で次々起こる怪異現象やライバルの小屋との確執や武家からの付きまといなどのサスペンスなのかミステリーなのか、これまたボンヤリしている。

    いっそのこと雲雀太夫と八十次郎をコンビにして探索させれば良いかもと思ったが、八十次郎は芸に厳しすぎて雲雀太夫は逆に自信喪失中。上手くいきそうにない。

    そもそも雲雀太夫の境遇が気の毒過ぎて痛々しい。
    前の紋下太夫だった雲雀太夫の師匠は大坂の小屋に引き抜かれ、置いてきぼりの雲雀太夫は修業半ばで紋下太夫になってしまう。相方の三味線師匠は大ベテランで雲雀太夫を優しく導いてはくれるが彼に物足りなさを感じているのがありあり。
    そんな中で、かつて三味線の師匠が組んでいた太夫が小屋にやって来て客演するのだから雲雀太夫の居場所はない。
    最終的には雲雀太夫の頑張りで前向きな雰囲気にはなるが、何だかなぁ、もっと違う展開なかったかなぁと思う。

    キャラクターや設定は面白いし文楽シーンもきっちり描いてあって良かった。
    ただ謎解き部分は拍子抜けだったり予想通りだったり、色々勿体ない感じが残った。

    どうせなら三浦しをんさんの「仏果を得ず」みたいに若手三味線か若手人形遣いと組ませる方が入りやすかったかも。

  • 江戸文楽ミステリとのことで興味を持って手に取ってみました。最初はだれが探偵役なんだろう?なんて思いながら読み進めていたのですが、人形浄瑠璃という舞台がとても魅力的で、登場人物がみな容姿や性格までそれぞれはっきりと生き生きと描かれているので、気づけばすっかりこの世界に取り込まれ、時代小説として楽しんでいました。最終的にミステリとしては薄味だったとは思いますが、この世界をよく知らない私でも存分に楽しめるものでしたので満足です。キャラがとても魅力的ですのでこの作家さんの他の作品も是非読んでみたいと思いました。

  • 内容(「BOOK」データベースより)

    人形が解く、人の心と江戸の謎―柄は大きいが気は小さい、若き紋下太夫の竹本雲雀太夫。役者も裸足で逃げ出す色男、人形遣いの吉田八十次郎。木挽町は松輪座に、今日も舞い込む難事件!?とびきりの「芸」で綴るお江戸文楽ミステリー。

  • 表紙に惹かれて購入。きっと櫓のお七が絡んでくる、と思ったから。絡みませんでした。そこは残念でした。
    面白かったけれど、ページを飛ばして読んでしまったのか?と思えるシーンがあり、いつ、どこで、そうなっちゃったの?と思いながら読んだところもありました。

  • 新進気鋭の人形浄瑠璃の小屋、松輪座に起こる数々の謎や騒動に加え、若き紋下太夫の成長物語でもあります。松輪座の人々、人形師、謎の核となる正兵衛や駒吉など、引き込まれる人物も多く、楽しく読めました。二組の師弟関係もジーンと温かくなります。敷居の高い人形浄瑠璃ですが、一度は観てみたいと思いました。

  • ★2.5

  • この人のは読んでいると「時代ものじゃない」感が滲む時があるけれど
    今回は大丈夫だったし、文楽ネタとしては面白かった。
    謎解きの謎設定はちょっとお粗末な気がしないでもないけれど、シリーズ続編があれば読みたいな。

  • 漢字の振り仮名表記が多くて読みにくい印象。話にはいりこめなかった・・・。

  • L

    主役は誰なんだ…八十次なのか雲雀なのか?
    両極端の二人だからバランスは保たれてるが やや八十次に軍配。
    文楽の描写は秀逸。雰囲気といい、表現は鳥肌もの。
    人形浄瑠璃小屋松輪座の面々は座元、お嬢さん他各面々キャラが立っている。謎解きは仰々しい割にややお粗末だったけど殺人ではないからこんなところか。という感じ。
    とにかく文楽の描写良し。

  • 人形浄瑠璃をあつかった今回…主人公が誰だか、視点が定まらない感じでいまいちのめり込めず…謎解き?のほうも想定内というか。

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著者プロフィール

作家

「2022年 『鯖猫長屋ふしぎ草紙(十) 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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