快楽

著者 :
  • 講談社
2.42
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本棚登録 : 256
感想 : 44
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  • Amazon.co.jp ・本 (274ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062183390

作品紹介・あらすじ

慎司と耀子、徳史と芙祐子。二組の夫婦はヴェニスにやってきた。翡翠色の海に囲まれ強烈な日差しが降り注ぐ色艶やかな街で、観光スポットをめぐりレストランで憩う四人。旅の終盤、芙祐子の失踪という小さなアクシデントが、それぞれの関係のきしみをあぶりだす。

感想・レビュー・書評

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  • 人は見かけでで判断してはいけませんよ、子供の頃からの常識。しかし、デブチビタイプの男性が美女を伴っていると、「どういうご関係か?」と周囲の視線を集めることも事実。
    ハンサムな男性がパッとしない女性と選んだと知ると、「この女性はどんな美点があるのか? この男性はどんな欠点があるのやら?」と想像してしまうのも悲しい世の中の常。

    そんなカップルを見て筆を起した作品かしら?
    本のタイトルと表紙絵の通り、ベネチア旅行中の二組の夫婦を描いている。旅行という非日常、怪しげな舞台・・・もう少し、ぶっ飛びなエロス世界が展開するかと期待したが、常識の世界からカモフラージュされた性のチョビっと開放? そんなもんですよね、、、どこまで期待していたのかー、ワタシは欲求不満なのか? ^^;

  • 最近某番組で見たヴェネチアが舞台だったので飛びついて買ってしまった作品。しかも実は漢字一文字しか合ってない別の作家さんの作品と勘違いして買ったのです…が、結果的にはかなりの当たり!
    ヴェネチアの日差しと運河と人と建物を背景に二組の夫婦、4人それぞれの勝手な思惑が交差します。
    ドロドロなんだけど、どの感情にも覚えあり。
    初めはよく理解できないことも、話を追う途中で急にハッと理解できて染み込んでくる…力のある作品でした。また歳を重ねてから読んでみたい。

  • 21.12.04読了
    イタリアを舞台とした2組の夫婦の話。
    結局、誰もが報われなかったという捉えでよいのか。自分の容姿のコンプレックスを逆手に取り、世の中の不平等を不平等のまま作り出すよう、美女と結婚する夫。そのコンプレックスを自覚しないまま、周りを非難することでしがみつこうとする妻など。よくここまで互いの人物関係を描けるなぁとは思いつつ。だからといって、感情が揺さぶられることはなく、よくわからんなーという感覚のまま終わってしまった感じ。
    また作品名が気になれば読むのだろうけど、どうだろうなー。

  • 一緒に旅行する二組の、お互い美男美女同士でないカップルの崩壊しそうで、しない話。読み終わりはどんより重い感じ。

  • 題名に惹かれて読んでだ
    特に可もなく不可もなく
    自分の容姿に自信がないと、何ものにも自信が持てない。他の誰かと比べたがる、自分の自信が持てることは何だろうな

  • 「わたしね、この世に本当の本物なんて、どこにもないと思うの。
    ほら、例えば、若い人が言う、本当の自分とか、本当の、愛とか…。そういうには言葉の遊びみたいなもので、人間が勝手に頭のなかで作り出したものなのよ。本当の本物っていうのは、幻よ」

  • 二組の夫婦がイタリアを旅行する。そのなかで見える孤独と欲望、嫉妬が描かれていた。
    最初はお互いのコンプレックスを内に秘め、恐ろしいものを感じていたが、読み終わる頃には伏線の巧妙さに感心した。

  • 慎司と耀子、徳史と芙祐子。
    二組の夫婦はヴェニスにやってきた。
    翡翠色の海に囲まれ強烈な日差しが降り注ぐ色艶やかな街で、観光スポットをめぐりレストランで憩う四人。
    旅の終盤、芙祐子の失踪という小さなアクシデントが、それぞれの関係のきしみをあぶりだす。
    (アマゾンより引用)

    何だか芙祐子が一人可哀想な気がしたんだけど…(´・ω・`)
    何だかんだでいい思いもしたみたいだし、いいのかな(´・ω・`)
    ちょっと共感できない作品…

  • とある二組の夫婦が、ヴェニスに旅行へ行く。コンプレックスと性でできた話。生臭いです。

  • 青山七恵さんは好きで読み続けていますが…
    いちばん好きだったのは「わたしの彼氏」でそれ以外はなかなか私にはピンと来なくなっていて……
    展開が気になるのでいつも最後まで読みますが。
    次に期待したいです。

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著者プロフィール

二〇〇五年に「窓の灯」で文藝賞を受賞しデビュー。〇七年「ひとり日和」で芥川賞受賞。〇九年「かけら」で川端康成文学賞受賞。著書に『お別れの音』『わたしの彼氏』『あかりの湖畔』『すみれ』『快楽』『めぐり糸』『風』『はぐれんぼう』などがある。

「2023年 『みがわり』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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