モンスター 尼崎連続殺人事件の真実

著者 :
  • 講談社
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レビュー : 26
  • Amazon.co.jp ・本 (274ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062183536

作品紹介・あらすじ

少なくとも10人を超える死者・行方不明者が出ているとされ、我が国犯罪史上有数の凶悪事件に発展した兵庫県尼崎市の連続殺人事件。2012年12月に県警本部の留置場で自殺した主犯の角田美代子はいかにして、ありふれた5つの家庭に食らいつき、家族が互いに殺し合うような冷酷な犯行に及ぶことになったのか。また、被害者たちはなぜ、暴力と虐待に支配された地獄絵図のような家庭環境や、奴隷のような人間関係から逃げ出さなかったのだろうか。そして、鬼畜の所業を繰り広げた「不世出のモンスター」はどうして死んだのか。
 知られざる事件の真相に迫る、超一級のノンフィクション!

感想・レビュー・書評

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  • 2016年5月23日読了

  • 2013年に発覚をした『尼崎連続変死事件』をジャーナリストである著者が独自に調べた事をまとめている。以前、小野一光の『家族喰い――尼崎連続変死事件の真相』を読んだがそちらよりこちらの方が詳しく書かれている。相関図があるが被害者が多いのと主犯格とされる角田美代子と擬似家族のメンバー達を把握するのが難しいくらい複雑でこの事件の闇の深さというものを感じる。角田美代子はサイコパスのような気もするがただ、自分自身を強く見せるためにこのような事をして威厳を見せたかったのかは不明だが、どちらにしろ恐ろしい。

  • 『鏡の背面』の主人公がルポライターだったせいか、ノンフィクションが読みたくなったので、気になっていた尼崎連続殺人事件を。

    小説で読んだとしたら、「ないない!親を死ぬまで殴るなら何故そのおばさんをやっつけないんだ⁉︎」と思うところで、ずっと関心を持って見ていた事件だけに、被疑者死亡で捜査打ち切りとなったのはほんとショックだった。完全に納得はできないが、謎のいくつかはわかった気がする。被害者の心理が痛い、辛い。ノンフィクションは逃げ場がない。。

    北九州一家監禁連続殺人事件のノンフィクションを探して読んでみようかな。

  • 気分が悪い。
    実話なのが、また怖い。

    幾度、業火に焼かれようと、
    この大罪は消えないね‥‥。


    警察に殺される‥、

    いろいろ話されたら困る。
    死んでくれたほうが安全。

    なまじ、ホントかも。


    警察の失態、
    個人情報の漏洩、
    この罪は、どうなったんだろ。





  • 角田美代子の生い立ちから、事件の流れがわかるノンフィクション。著者の考えが色濃く見られると思う。
    文庫本のほうに追加されている美代子ノートの一部を読みたかったのに、間違ってこれを借りてしまった。

  • 文章がイマイチで同じ話が出たり、
    行ったり来たりが頻繁で読みにくいが
    怖いな。
    もし自分の家族に起きたら、と思うと
    考えさせられた。

  • 借りたもの。
    主犯格の女の自殺により永遠に明かされることが無い真相――それ故に、ジャーナリストとして著者は主犯格に近しい人間関係に取材をして真相に近づこうとしたドキュメンタリー。
    事件の経緯や、主犯格のその手口に多大な影響を与えたヤクザ・Mという人物の存在を示唆している。

    読んでいると、被害者の周辺の怒りの声がこだましているようだった。
    それは犯人たちだけでなく、警察――対応が後手になったことや、主犯格の女の自殺させてしまったことにも向けられている。

    恫喝や居座りなど手口はヤクザのそれで、人の心のスキをついて惹きつける手腕は正にカルトだった。
    主犯格の女が死んでから、被害者であり、加害者である人物たちが掌を返したように、主犯格の女のマインドコントロールであると言い無罪を主張するなど、オウム事件も似たような傾向があった事を彷彿させられる。

    同時に、主犯格の女の凄惨な家庭環境、家族の愛に渇望しながらそれが得られず、ヤクザ的・カルト的な擬似家族しか知らなかったであろう事が伺える。
    おそらく自身の体験から、人間の“劣等感”“理解や共感されないことへの不満”を敏感に察知できたのだろう。
    断っておくが、同情はしない。
    主犯格の女は、その不安に悪意のある毒を注ぎ込んだ(洗脳した)。人を救うことが出来ない人間だったのだから。
    主犯格の女は、完全に自分本位の、自分に都合の良い面(擬似家族)しか見えていなかったとしか思えない。
    そして現実が明るみになった時、「おかしい」と勝手に勘違いして、受け入れられず、逃げ出したようにしか。

  • 戦慄しながら読んだ。
    ヤクザ崩れの角田美代子が家族を乗っ取り財産を巻き上げ暗躍するが、最後は拘置所内で謎の自殺遂げる。その裏には大物ヤクザMの存在があり、それは警察幹部にもつながっていく。
    被害者の人間関係を断ち、序列をつけて互いに監視させ加害者側に加えてていく手口は北九州連続殺人事件やカルト教団の手口を踏襲していた。

    かくも人間はあさましく残酷だ。

  • 尼崎連続殺人事件を取材したドキュメンタリ。『凶悪』『消され一家』『死体の犯罪心理学』に続いて読んだ犯罪ノンフィクションだったけど、一番よみづらかったかも。
    人間関係が複雑極まりない事件なのもあるけど時間軸と話題が行ったり来たりする構成はわかりやすいものではないとおもう。著者はじめ、登場人物の主観や言動描写、憶測、意見が飛び交って「これ誰のことだっけ」となることしばしば。
    福岡の事件と共通点を指摘されながら紹介される事件自体は、また救われないはなし。
    容姿にも生い立ちにも恵まれた松本太は潜在的サイコパスとして個人の才気を発揮した超凶悪者という印象なのに比べ、家庭愛に恵まれずやくざものに囲まれて育った角田美代子は環境に育てられた感が強く、また直接的にやくざと関係を持っている点でより裏社会系の脅迫力があったように思う。物理的に閉鎖された環境で隠し通された福岡の事件に対し、尼崎では標的の家庭に数ヶ月単位で上がり込み屋敷の外まで暴力行為を派生させていること、にもかかわらず多数の死者が骨になるまで法的に裁かれることなかったことが驚愕。

  • 本書で明かされるモンスター誕生の秘密や彼女を影で操った黒幕の存在、北九州一家監禁連続殺人事件との"驚くべき接点"。最終章の「真相」を読み終えても、優れた事件ノンフィクションというよりは週刊誌の実録物の印象しか感じない。入手した日記の内容がどれほど事件の真相に迫るものなのか、恣意的な引用にとどまるので、読者には最後までわからない。歯止めがきかないと犯行はどれほどエスカレートするかや、生来のサイコパスがささいな示唆を自らアレンジしてどのような悪事を企てるかなど、導くべき真相は手口の詳細を集めても見えてこない。

    M直伝の「家族乗っ取り術」とあるが、別に「闇の帝王」の手口を引き合いに出さなくても、黒人のスラム街のワルたちのあいだでは、付き合いはじめた女を奴隷状態にしてしまう伝統的な方法なんかもあるわけで、人身を掌握するやり方は古今東西ゴマンとある。むしろ、いちいちやり方を教えてもらわないと何もできないサイコパスを想像する方が難しい。

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著者プロフィール

ジャーナリスト

「2018年 『オウム真理教事件とは何だったのか?』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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