晴れたり曇ったり

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (250ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062183741

作品紹介・あらすじ

「もういない、でもまだいる」 この前、好きだったひとを、みかけた。まちがいない。会いたいと思いながら会えなかった人に、ようやく会えた。そう思ったとたんに、その人がもうなくなっていることを思いだした。
「ぬか床のごきげん」 ぬか床には四種類の期限がある。笑うぬか床、慇懃なぬか床、怒るぬか床、そして淋しがるぬか床。
「真夜中の海で」 大学では生物を勉強した。私の卒業研究は、「ウニの精子のしっぽの運動性」だった。
「晴れたり曇ったり」 大学時代、バスの窓越しに見かけた喫茶店「晴れたり曇ったり」。一度訪ねてみたいと思いつつ、いくことはなかった。

感想・レビュー・書評

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  • 川上弘美って、やっぱり普通と違う(笑)
    いつもの通り、皆が見過ごしそうな物に気が付いて
    エッセイなのに、まるで俳句の様な濃縮感

  • 目の前にあるものを良しとするあまり、記憶の中のものの価値をゆがめてはいけない、でもその記憶の中のものは事実よくないものだったのかもしれないということも、疑い忘れてはならない。
    【ぬか床のごきげん】

    生きていても、会わなければ、いないのと同じだ。
    同じように、生きていなくとも、思いだせば、会っているのと同じだ。
    【ぬか床のごきげん】

    復讐のゆきつくべき先は、復讐の完遂ではなく、人を赦すことのできる意志を手に入れることだった。
    【いつもそばに本が】

  • 初めて川上さんを読んでから、
    読む度にひらがなが好きになります。

    それまで、たくさんの漢字で
    ぎゅうぎゅう詰めにされた文章を
    頭が良い、と思っていた10代

    それをいとも容易く裏返したのが川上さんです。

    今回もひらがなのように、
    柔らかくて、丸みを帯びています。

    それでいながら漢字のバランスも絶妙。

    相変わらず、目に映る
    文字のビジュアルで内容が入ってきます。

    川上さんの頭を覗いているような
    図々しい気持ちになります。

  • エッセイ集。
    結構最近の本でした。
    作家の着眼点って変わっていて本当に面白い。何でもないような物事を何でもあるように思わせる書き方が出来るのは、日常の何でもないようなことに気が付いて常に考えているからなんだなとよく分かります。

  • 『目の前にあるものを良しとするあまり、記憶の中のものの価値をゆがめてはいけない、でもその記憶の中のものは事実よくないものだったかもしれないということも、疑い忘れてはならない。などと、意味があるんだかないんだかよくわからない、格言(にしては長すぎる)みたいなものを、一人でぶつぶつつぶやいた』ー『ぬか床のごきげん』

    やっぱり、と思う。川上弘美は怒りん坊なのだなあ。恋愛小説家だとか、あわあわだとか。そんな形容には少し違和感があった。間違っていると正面から言い募るほどではない。確かに恋愛小説(らしきもの)を書くし、あわあわと言い表したくなる言葉を連ねる。でもそれは、多分に表面的な特徴で(でもそこに惹かれもする)きっと何か言葉に置き換えられないものが裏側にある。それは、怒りに似た感情なのかな、と思っていた。

    例えば、神様の書き直し。これは随分と直接的な怒りの表現だなと思う。もちろん川上弘美は大きな声を出して怒るわけではなく、ぶつぶつと、あるいは、ふつふつと、静かに執念深く怒る。こんな怒り方をする人は、逆にかつてもっと感情の赴くままに怒鳴り散らし気味だった人ではないか、とも思う。その兆の一つは、この本に収められた文章でも語られる、マダガスカルへの新婚旅行。勝手に二時間も早く飛行機が飛び立ったのを知り、忘れたと思っていた(と、川上弘美は言うけれど鵜呑みにしてはならない)英語が腹の底からどんどん飛び出して文句をまくし立てた、というエピソードが別のエッセイで語られている。スイッチが入った途端、普段は使わない言語で怒りを爆発させるなんて、そもそも凄味があるけれど、そんな風に、涼しげな表情の裏側では熱い溶岩が底の方で煮えたぎっている。それが川上弘美だと思う。

    このエッセイ集の中での怒りは、もっぱら社会派的な怒り。それを少し珍しく思いながら読む。年齢を重ねて社会の仕組みが見えて来るが故に、少し世間からずれていると自らを分析しつつも怒りが収まらない、ということなのかも知れない。けれども、それはむしろ自分自身を意味付ける言葉としての文脈をそう置いてみただけのことなのでは、とも思う。常にもやもやとした感情が根元にあり、分からないまま吐き出してみると怒りとなるのでなんらかの説明を試みる、という図式なのではないかと訝しむ。その根っ子には、娘としての自分の立ち位置に対する違和感というものがあり、母と娘という関係が作り出す緊張感があるのではないか。幾つかの川上弘美の小説を読みながら、同じようなことを考えたことを、思い返してみる。

    そんなこと言ってはみるが、実は川上弘美のエッセイを読むことは、ラムネ菓子を舌の上でしゅわしゅわと溶かすのを楽しむような喜びがある。それは、川上弘美独特の潔さを垣間見るから。例えばこれも他のエッセイで読んだ話。直情的に準備もなしに家出をする。それでも毎日学校へは行くのだが、下着は一つしか持っていない。前の晩に洗って干すのを忘れた日、まあいいか、とノーパンで学校へゆく。まあいいか、と言う態度の竹を割ったようなところに、川上弘美特有の艶っぽさが加わる。しかもそんな危なっかしさに何度となく行き当たっていることが、エッセイの中で明かされる。それを演出かも知れないと用心しつつ、その先へ引き込まれるような心持ちに抗えない。

    小説以外の文章が必ずしも創作ではないと言い切れないところも、また、川上弘美の特徴だ。「東京日記」のように日記の体裁を取っているものでさえ、非現実的な「おはなし」がそこにはある。そこにカモフラージュされた世界には、川上弘美にしか見えない現実の世界の色が言葉にされてまぶされている。それを感じ取ってしまうと、現実と想像の狭間に身を捕られたような心地が生まれる。だから、この本や「此処 彼処」のようなエッセイの中で、どれだけ個人的ことを語っていたとしても、決して鵜呑みにしてはならないとも思う。それでも、ここに収められた文章たちの中では随分と素直な面がさらけ出されているようにも思う。例えば、家族のこと。子どもの話以外のことを川上弘美が書いている文章は珍しい。離婚のことや、母親のこと、祖母のことなどが、するすると語られる。そこで明かされる昭和な少女の姿や思春期の思い、更には小説を書きたくても書けなかった時代の、そんなエピソードたちがやっぱり書かれた小説と繋がっていることが見えてくる。その時代そのものが澱のように言葉の素になった思いの底に沈殿していたのだ、と一人勝手に合点する。

    もちろんそれは、多分に同じ時代をやり過ごして来たことによる勘違いという面もあるとは思うけれども。それでも、川上弘美を通してあの時代の舗装されていない道路や近所の子どもたちの服装や表情が、くっきりとした明暗を伴ってよみがえってくるのを止めることは出来ないのだ。

  • 久しぶりの読書。生活と仕事が変わり過ぎて時間が作れず、読了にたくさんの時間を要してしまいました。ブランクありの読書だったので川上弘美のエッセイをあえてチョイス。読み易いけどドキンと刺さるものは無くって、いい感じの物足りなさが残ったので、このモヤモヤ感を次の読書意欲に繋げたい。川上弘美の昔の写真を見ると、書かれる文章とぴったり当てはまる、可愛さで溢れる人相をお持ちの方。

  • 一年に一つじっくり選んでモノを買う贅沢、真似したい

  • おしゃれなエッセイ集。

    「へへん。」で生きていること自体のスランプってのを考えてしみじみとする。「号泣する準備はできていた」でクスクス笑う。「ナウシカの偶然」で自意識過剰すぎる今の自分を見直してしゅんとした。
    本に関する話では、読みたくなる小説もちらほら見つかる。

    ちょっと憂鬱な気分の時に読み始めてちょうどよかった。
    これからはそんな時、「晴れたり曇ったり」とつぶやこうと思う。

  • P72
    ぬか床のごきげん
    その一、笑うぬか床
    その二、慇懃なぬか床
    その三、怒るぬか床
    その四、淋しがるぬか床

    表現力がすてきです。そんな語彙しかない私が、恥ずかしい。一つ一つきちんと考えられた単語。独特の物の言い回し。
    さすが作家!だと感じた。

  • 前回読んだ日記のエッセイには書いてなかった離婚が書いてあった。離婚したんだねぇ…。

    吉行淳之介さんの『菓子祭』も気になったけど、石井桃子さんの『幼ものがたり』は絶対読むとおもう。

    人からよく道を尋ねられると著者が書いている。私も旅先でよく尋ねられる。もしかしてほとんどの人がそう感じているのか?

    私自身、人から尋ねられるのは、顔立ちが人のよさそうなさまをしているからとずっと自負していたが、娘によく道を尋ねられるというと「歩く速度が人より遅いから掴まえやすいんでしょう」と言われ、即、目から鱗が落ちました。

  • 日々を見つめるエッセイの寄せ集め。

  • +++
    日々の暮らしの発見、忘れられない人との出会い、大好きな本、そして、「あの日」からのこと。いろんな想いが満載!最新エッセイ集。
    +++

    川上さんの欠片の一部を集めて並べたようなエッセイ集である。個人的には、作家さんのエッセイは、読まなければよかったと思わされることも多いのだが、川上弘美さんのエッセイは、小説から想う著者像を裏切らず、さらに深く納得させてくれるので好きである。町のどこかでそんな彼女に偶然出会いたいと思わされる一冊である。

  • 1958年生まれ川上弘美さんの楽しいエッセイ「晴れたり曇ったり」、2013.7発行です。川上弘美さんの視線、心の中が面白いです。あっ、一緒だなという喜びもありますw。タイトルは大学生の頃、バスの窓から見ていた喫茶店の看板からで、ずっと心から消えないそうです。①長男高校、次男中学、そして川上弘美さんは運動会フリークだそうですw。(フリークとは、ある事柄に異常に心酔するものをいうんですね)②小説家は北杜夫が好きで、高校生の頃は定期入れに北杜夫の写真を③日記には、その日におこなったこと、会った人、読んだ本、献立

  • 今の気分にぴったりな題名で、惹かれてしまう。

    川上さんのエッセイは美味しいお水みたい。ぐんぐん浸透して、たぷたぷ満たされる。男の子のくたっとしたセーターが好き。これ、わかる。安心して眠る猫みたいな気分になる。

  • 2015/07/27 読了。

    人間ドッグのママ友の話がいまの私のころなので興味深く読ませてもらった。
    大きくなった子供とお弁当持って出かけたり素敵な親子関係なのだなぁと思ったり、さらりと離婚していたり(笑)
    《号泣する準備はできていた》このタイトルは凡人の私にとっても、ものすごく惹かれるタイトルで、そのときのエピソードがすごく好きです。
    なんか言いたいことばかりのレビューですが、楽しく読めました。《書評は飛ばし読み

  • 川上さんの文章は読みやすくて、やさしい。すっと体の中に入ってきます。
    これは、エッセイなどがはいっていて、ちょこちょこっと読んでいます。
    小説や本について、改めて言葉にしているところが多くて、あらためて、作者の姿勢を感じました。

  • 上質なエッセイ。「考える」という言葉がよく出てくる。良い小説家は考える人なんだなあ、と思う。

  • 小説だと思って借りてきたらエッセイじゃないか。晴れたり曇ったり人生いろいろ。

  • 楽しく読ませてもらいました。

  • 雑誌や新聞、週刊誌のエッセイや文庫本の解説を集めた一冊。 濃いのや淡い川上弘美が居る。
    『号泣する準備はできていた』ってタイトルの川上氏のエッセイ(笑)ワクワクしながら読んだ。江國さんから川上さんを見た文章ってあるのかな。あったら読みたい。『通天閣』これから読みます。
    「記憶」の中の美しいという言葉についての文章、メモりました。 あの一文を最後に持ってくるの、ズルイ。感傷から抜け出て私にも「美」を思い出させた。
    川上弘美氏の文章を読んでいると文学に近付けた気持ちになる。 おこがましいかしら。

  • 一年前に買ってたのに、やっと読めた。
    エッセイだからついついゆっくりしてしまう。
    評論や解説、日常のことなど、ゆるゆる書かれている。
    スランプがやってくる話は彼女の独特の描き方ながら、すごく共感できた。

    原発に対する憂慮にも触れている。
    声高に主張するのではなく私たち扱い切れてないじゃない、という事実のみを書いている。
    今のままじゃいかん、とはだれも思っている、というが、とりあえず現状維持で、を前提にしているので、「今のままじゃいけない」という言葉を悪いものとする風潮が一部の世界ではできていて、

  • (2014.08.30読了)(2014.08.21借入)
    2000年から2012年までに新聞、雑誌、文庫本の解説、等に書いた文章を集めたエッセイ集です。身辺雑記、思い出話、本にまつわり話、などさまざまです。
    日本の古典が苦手だとか、小説を書きたかったけどどう書いたらいいのかわからず長いこと四苦八苦したとか、結婚したけど離婚したとか、男の子供が二人いるらしいとか、「ナウシカ」を見た後、高校の生徒たちにナウシカという主人公の話はせずに生態系の話ばかりをしたとか、川上さんはずいぶんエッセイが上手になったと思います。
    『この世の全部を敵に回して』(白石一文)を読んでみたくなりました。

    【目次】
    匂いの記憶
    (どんどん焼-睦月/春の雪-如月 ほか)
    ぬか床のごきげん
    (へへん。/厳然たる ほか)
    いつもそばに本が
    (かじりたい/『宦官』のころ ほか)
    お訊ねしますが
    (東京は、不思議/疑う ほか)
    いつもそばに本が2
    (こよなく美しい日没-『この世の全部を敵に回して』(白石一文)/行ってみようじゃないか-『食の達人たち』(野地秩嘉) ほか)
    晴れたり曇ったり
    (こぶまき/かわうそ ほか)

    ●ゲラ(53頁)
    活版印刷の時代に、組み上げた活字を入れる木の枠のようなものを、ギャレーといい、それがなまった言葉が「ゲラ」なのだそうだ。ちなみに「ゲラ」とは、原稿の文字を活字に組んだもののこと。
    ●片付ける決意(56頁)
    片づける決意が今までつかなかった理由が、わかった。まだ散らかりかたが極限まで来ていなかったのだ。
    ●日本の古典(108頁)
    まったく手がつけられなかったのは、日本の古典でした。竹取物語も、徒然草も、枕草子も、何もかもちんぷんかんぷんでした。
    「古典の文章に出てくる言葉は、今わたしが使っている言葉と、まったく違う世界の言葉なのだ」と、ひとりぎめしてしまったからなのでした。
    ●生物を専攻(137頁)
    大学では生物を専攻した。
    四年生になると卒業研究があり、希望する研究室で実験させてもらう。私の卒業研究は、ウニを使ったものだった。正確に言うならば、「ウニの精子のしっぽの運動性」。
    ウニの精子のしっぽが動くやりかたは、人の筋肉が動く仕組みと、ものすごく似ているのだ。
    ●マダガスカルへ(140頁)
    そもそもアフリカに行ったのは、新婚旅行のためだった。原猿類、という珍しい動物を見たくて、行き先を決めたのである。横浜の検疫で、黄熱病とコレラと狂犬病と肝炎の予防注射を受け、マラリアの薬を処方してもらい、ラッサ熱とデング熱に関するパンフレットを受け取り、たくさんの蚊取り線香とともに、マダガスカルへ旅立ったのだった。
    ●風の谷のナウシカ(156頁)
    始めて『ナウシカ』を映画館で見たのは、冬休みだった。休み明けの最初の授業で、私は訥々と、ナウシカの世界の生態系の話を生徒たちに語った。多分半分以上の生徒たちが、ちんぷんかんぷんだったと思うが。
    ナウシカという少女については、まったく言及しなかった。
    ●鶴見俊輔(194頁)
    「して面白いのは、考えることです。よそさまからはばかみたいと思われても、自分が本当のところ何を大切にしているのか、何を求めたいかを考えること。なにしろそれが、いいのです」

    ☆川上弘美さんの本(既読)
    「ざらざら」川上弘美著、マガジンハウス、2006.07.20
    「これでよろしくて?」川上弘美著、中央公論新社、2009.09.25
    「パスタマシーンの幽霊」川上弘美著、マガジンハウス、2010.04.22
    「機嫌のいい犬-句集-」川上弘美著、集英社、2010.10.30
    「ナマズの幸運。東京日記3」川上弘美著・門馬則雄絵、平凡社、2011.01.25
    「天頂より少し下って」川上弘美著、小学館、2011.05.28
    「神様2011」川上弘美著、講談社、2011.09.20
    「なめらかで熱くて甘苦しくて」川上弘美著、新潮社、2013.02.25
    (2014年8月31日・記)
    (「BOOK」データベースより)amazon
    日々の暮らしの発見、忘れられない人との出会い、大好きな本、そして、「あの日」からのこと。いろんな想いが満載!最新エッセイ集。

  • いつもの川上弘美のエッセイが綿菓子だとしたら、ウエハースみたいなかんじ。個人的な嗜好としては、あのゆるーい、実体のないかんじがすきなのだけれど、本編でも見え隠れする部分はあるものの、そうも言ってられない、という社会。このひとにはそういう社会とか俗世から超越して世界を見続けてほしいのだけれど。

  • 川上弘美さんの作品はかなり好きです。
    たぶんほとんど読んでいると思います。
    好きな人のことはなんでも、どんなことでも知りたい、という気持ちで読むにはぴったりの1冊かと思います。
    もちろん私は、川上さんの作品が好きなだけで、ご本人のことはほとんど知りませんが。
    何気ない日常の出来事や、感じたことを書いてあるだけですが、やっぱり視点が違うというのか、川上さんだなぁ、と思えるエッセーばかりです。
    そんな中に、「いつもそばに本が」という項目で、今までに心に残った本について書かれています。
    その時に感じた気持ち、感想が非常にわかりやすくて、感動がストレートに伝わってきて、おっ!そんなに素晴らしい本なのか、と思わずそれらを読みたいリストに加えました。さすがにプロの文章力、です。

  • いくつかの雑誌掲載をまとめたものでちらばったカンジ。「東京日記シリーズ」に軍配があがる。

  • 本の紹介をよんでたら、読みたいのが沢山できた。

    江國香織のこと書いてあったのが、裏話みたいで興味深かった。

  • (250P)

  • 様々な媒体で掲載されたエッセイをまとめた作品。匂いの記憶で移り変わる四季が描かれて何と美しい文章なのかと感嘆。昭和を感じさせるお話や本や何気ない日常は郷愁を呼ぶ。白石一文さんは何故女性作家から好まれるのだろうと思ったり。

  • 笑ったり、考えさせられたり。そんな中で、言葉の選び方は今回も秀逸だった。

  • ご近所さんが作ってくれる蛸飯から東日本大震災後に考えたことまで

    遠くの人が作った作物を食べることへの罪悪感や「当事者でいることの大変さ」をわかってくれない世間の人への思いなど
    選ぶ言葉を一つ間違えれば非難がましく聞こえてしまうような内容なのに、川上さんの文章は静かにまっすぐ頭に入ってきて、そのまままっすぐ心に届く感じがする

    重たいテーマばかりじゃなくて、女の子が寄り付かない友達の話とか、湯島の祖母の話とか

    文庫解説を集めた「いつもそばに本が2」がよかった
    夜と霧、この世の全部を敵に回して、読んでみようと思った
    文庫解説だけを集めた本があったらいいのに

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著者プロフィール

作家。
1958年東京生まれ。1994年「神様」で第1回パスカル短編文学新人賞を受賞しデビュー。この文学賞に応募したパソコン通信仲間に誘われ俳句をつくり始める。句集に『機嫌のいい犬』。小説「蛇を踏む」(芥川賞)『神様』(紫式部文学賞、Bunkamuraドゥマゴ文学賞)『溺レる』(伊藤整文学賞、女流文学賞)『センセイの鞄』(谷崎潤一郎賞)『真鶴』(芸術選奨文部科学大臣賞)『水声』(読売文学賞)『大きな鳥にさらわれないよう』(泉鏡花賞)などのほか著書多数。2019年紫綬褒章を受章。

「2020年 『わたしの好きな季語』 で使われていた紹介文から引用しています。」

川上弘美の作品

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