一つ屋根の下の探偵たち

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 212
感想 : 35
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  • Amazon.co.jp ・本 (282ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062183796

作品紹介・あらすじ

“なまけものの探偵”と“働きものの探偵”とシェアハウスを始めた新人エッセイスト・浅間修は、苦しい経済状況を打開するために、同居人を主人公にした小説を書こうとする。そんなとき、新聞記事に“アリとキリギリス事件”を発見。密室で男が殺され、その下にはアリの巣のような穴が開いていて……。二人の探偵と1人のワトソンが繰り広げる推理と冗談から目が離せない! 著者渾身の問題作!

感想・レビュー・書評

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  • 現場百編で、調べたことから推理していく、地道な探偵。
    普段はごろごろ、聞いたことだけで閃く、安楽椅子探偵。
    探偵のルポを書こうとする、エッセイスト。

    ハウスシェアする3人の、ユーモアミステリ。

    フーダニット、ハウダニット、ホワイダニット。
    それぞれのやり方で進む推理合戦は、たのしかった。

    ただ、冒頭の推理合戦が一番おもしろく、話が進むにつれて失速していったのが、やや残念。

    たったひとつの事件の長編ではなく、短編でいくつかの推理対決を見てみたかったな、という設定だった。

  • マジメでこつこつ努力する現場百ぺんタイプの探偵・町井と、閃き重視の安楽椅子探偵タイプの天火と、エッセイストの私こと浅間。
    この三人がひょんなこと(=懐が淋しい)からルームシェアすることに。
    せっかくの探偵との同居。ネタにしようと浅間が考え、編集さんからもGOサイン。
    ところが、協力費として編集部から報酬が出るのは探偵一人分だけ。どちらの探偵と仕事をするかを決めるため、話題になっている事件の解決を勝負にする。

    その事件の名は「アリとキリギリス事件」。
    ある男が密室で餓死した事件だが、厳密には完全な密室ではなく内側からも開けられたはずであり、さらに床には小さな穴が開いていて、という不可解なもの。

    事件の内容や名前はともかく、トリックというか、実行方法が……ものすごい、力技すぎる!
    これトリックって言っていいのだろうかー。ううむ。
    うん、これはバカミスのくくりに入れていいと思います(笑)

    後半に第三の探偵が登場するのだけど、要るような要らないような。
    いや解決のためには絶対必要なのだけれど。
    それより、どちらも個性的な二人の探偵を、もう少し書き込んでほしかったのが正直なところ。

    いろいろ「もうちょっと」なのだけど、気軽に読めて楽しいので続編が出たら読みます。

  • 雰囲気が好きな作品だったし、キャラクター好みでした特に天火。笑
    事件のハウダニットについては、言葉のとおり衝撃的で一周まわって新しい。ただ、本書で披露された探偵らの推理には特筆するものはなく人並みだった。期待しすぎるのもよくない₍ ᐢ. ̫ .ᐢ ₎

  • アリとキリギリスの童話になぞらえたような殺人事件に、アリとキリギリスのような対極的な二人の探偵が事件を解決していく話。ミステリーでもなく、人間模様を描きながら緩やかに読める感じは良かったが、最後の方の解決の方向性にもう少しどんでん返し感が欲しかったようには個人的に思う。

  • さくっと読めた。早い段階で犯人が分かるのかと少しびっくり。ミステリーというより手品の種明かしを読んでいるようだった。

  • ちょっと突っ込みどころが満載

  • 読みやすい推理小説

    アリのような捜査をする探偵
    キリギリスのような捜査をする探偵
    それを見守る物書きのはなし

  • 二人の探偵と一人のエッセイスト。
    いつの間にかタメ口。
    ありきたりな動機とトンデモな手口。
    カフェが救えるほどの金が入るとは思えない。
    現実味がない。

  • こんなバカげた「ハウダニット」にやられた…

  • アリとキリギリスのような二人の探偵による、推理劇。ユーモアミス。
    キャラクターと会話文なんかのセンスはとても好きだが、デビューシリーズほどにミステリとしてキレが感じられない。
    シリーズものとして発展性があると思うので、ぜひ続きは書いてほしい。
    3

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著者プロフィール

1984年、香川県生まれ。京都大学大学院理学研究科修士課程修了。京都大学推理小説研究会出身。2010年『キャットフード 名探偵三途川理と注文の多い館の殺人』(講談社BOX)でデビュー。〈名探偵三途川理〉シリーズは他に『スノーホワイト』『踊る人形』(以上、講談社文庫)、『ワスレロモノ』『トランプソルジャーズ』(講談社タイガ)。近著に『そのナイフでは殺せない』(光文社)。

「2020年 『死者と言葉を交わすなかれ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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