- Amazon.co.jp ・本 (514ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062184366
作品紹介・あらすじ
血が湧いている。いや、蠢(うごめ)いている。
ミャンマーの僻地・レイク・クローバーで天然ガス探査技師が死亡した。一夜にしてミイラ化した死体。原因はまったくの不明。
同じころアメリカの原子力潜水艦が極秘工作員をミャンマー沖で回収する。致死率100%の感染が、極限の閉鎖空間で始まろうとしていたーー
日本人研究者、鷲尾祐二は、見捨てられた人々を救えるか。
楡周平が放つ、世界水準超弩級エンターテインメント!!
感想・レビュー・書評
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辺境の資源開発プロジェクトで原因不明の感染症が発生。
解明に派遣されたチームが調査しながらも新たな犠牲者が出てしまう。
未知の寄生虫であり、その発症が惨たらしく恐ろしかった。
そして全く別の場所でも感染者が発生するというどきどきする展開。
ぞぞっと圧倒されるこんな小説も、たまにはいいなとおもった次第。
辺境の地がミャンマーというのがカギで上手く効いていたと思います。
表紙の湖面をじいっと見てやってください。とても怖いです。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
お寿司が食べられなくなるかも!?
人間を喰らい尽くす新種の寄生虫の恐怖。発見された場所がミャンマーということもあり、様々な政治的思惑が重なって事態はますます深刻化する。楡周平久々の国際謀略小説。展開もスピーディーで引き込まれる。ちょっとした伏線があるが、そのつながり具合が良い。まだまだこの世には未知の寄生虫が数多く存在することが文中で繰り返されるので落としどころとして分からなくもないが、最後がいささか尻つぼみなのが残念。
個人的には「Cの福音」から読み始めてシリーズ読破しているので、氏の経済小説よりはこういう作品をもっと書いてもらいたいな、と思う。 -
ミャンマーの奥深い秘境で寄生虫に感染するという設定もありそうで怖いし、自分勝手なアメリカのトップの感染者の命を全く考えない方針もますますありそうで、暗澹たる気分で読み進めた。湖でひっそりと生きるマタンの人々が、神秘的で良かったけれど、彼らもまたアメリカの悪どいやり口に、失われてしまうに違いない。
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ミャンマーで発生した奇病。それを調査するチームが派遣されるが、感染は原因不明のまま広がっていく、というバイオサスペンス。徐々に明かされる奇病の正体と解明にはひきつけられるけど。……うぅ、この奇病が気持ち悪いったらないぞ。
一方で何やら企まれているらしい不穏な気配があったり、別の場所(よりによってこんなところで!)でまたしても奇病が発生してしまったり、目の離せない展開が続々。そして明かされた奇病の真相と、現地に暮らす回遊民の伝承が印象的。 -
ドキドキハラハラ
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良い意味悪い意味含めで予想通りの展開が多い
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コロナウイルスが猛威をふるっている現在、身につまされるものがあってフィクションとは思えないほどに切迫感があった。
虫を感染源として病気が広まっていく様は怖くってどうなっていくんだろうと肝を冷やすことしきり。はっきりとした解明はないままに後半は失速したのがとても残念。 -
経済制裁を受けているミャンマーの僻地レイク・クローバで、米国企業が密かにガス田探査を行っていた。その探査チームの1人が、寄生虫に感染。発症から死に至るまで数時間。しかも、死の直前には他の人に噛みつき、多量の出血を伴う。
CDC(米国疾病予防管理センター)の研究者が、原因究明と感染封じ込めに現地に入りするが、ガス田探査が公にできないことからその後の支援は全くない。
時を同じくして、米国の原子力潜水艦では、ミャンマーへCIA職員を密かに送り、再び回収するという極秘任務を行った。そこでも寄生虫感染が発生し…。
ハラハラ、ドキドキ。505ページもの分厚さも、あっという間に読了。
パンデミックものにつきものの、対処法を突き止めるまでには至らないので、ちょっと物足りなさは残る。 -
ミャンマーにおけるガス田開発と新型寄生虫
・国交断絶しているミャンマーにおける資源開発を秘密裏に行うアメリア大企業
・新種の寄生虫の恐怖
・米軍潜水艦内での惨劇
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2018.5.23