習慣の力 The Power of Habit

制作 : 渡会 圭子 
  • 講談社
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レビュー : 87
  • Amazon.co.jp ・本 (394ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062184458

作品紹介・あらすじ

「消臭剤のファブリーズはなぜ突然ヒット商品になったのか」「アルコール依存症はなぜ治せるようになったのか」「大手アルミメーカーのアルコアはダメ会社から突如優良企業に変貌を遂げたのか」「スターバックスのスタッフを責任感の強いリーダーに育てるプログラムとは」。本書の著者によれば、これらはみな、「習慣」をうまく活用した成果であるという。
普段、私たちは自分の意志で行動を決めていると思っているが、実はそうではない。人間の全行動の4割は「習慣」、つまり脳で考えることなく、無意識に身体を動かしているのである。したがって、この習慣のメカニズムを知ることで「良い習慣」を増やし、「悪い習慣」を減らすことができれば、人生は知らず知らずのうちに好転していくのだ。
本書は「個人の習慣」「成功する企業の習慣」「社会の習慣」の3部で構成されている。第1部で「習慣の仕組み」について分析し、「習慣」が「きっかけ」「ルーチン」「報酬」の3つの要素から成り立っている点などについて詳細に分析している。
第2部、第3部では「習慣」を、企業や組織が上手に活用した実例をとりあげる。
巻末では、個人が「習慣」を変えるための方法についても具体例を挙げながら説明している。

感想・レビュー・書評

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  • ”長い.”

  • ・その変化を起こしたのはカイロへの旅行や離婚や砂漠横断ではなく、リサが「喫煙」という一つの習慣を変えることに専念したためだと、研究者たちは考えている。その調査の対象となった他の人たちも、同じような過程を経ていた。一つの習慣に狙いを定めることで、他の行動もプログラムしなおすことに成功したのだ。

    ・その少佐がクーファの市長に会ったとき、不可解な提案をした。食べ物売りの行商人を広場から排除できますか?
    もちろんだと市長は答えた。それから2~3週間たち、クーファの大モスク近くに少数の集団が集まっていた。午後になるとどんどん人が増えていく。怒りのスローガンを叫ぶ人々もいた。イラクの警察は不穏な空気を察し、米軍に出動を要請した。夕暮れになり、群衆は疲れて空腹になり始める。いつもなら広場にたくさんいるケバブ売りを探すが、その日は行政の力によってすべて排除されていた。野次馬は立ち去り、スローガンを叫ぶ人々も元気がなくなる。午後8時になるころには、誰もいなくなっていた。

    ・毎朝、何百万もの人々が、こうした複雑な作業を頭で考えずにこなしているのは、車のキーを取り出すとすぐに脳の基底核が働き始め、脳に保管してある習慣の中から、車をバックで道路に出すことに係わるものを見つけ出すからだ。それが習慣となり考えずにすむようになると、脳の活動が低下するか、他の思考を追うようになる。それで頭に余裕ができて、息子が弁当箱を家の中に忘れたと気付けるのだ。
    …しかし脳の労力を節約することには落とし穴がある。脳のパワーが低下するタイミングによっては、重大なこと、たとえば茂みに隠れている天敵や、スピードを上げて近づいてくる車などを見落とす恐れがある。そのため脳の基底核は、習慣にバトンタッチするタイミングを決める巧妙なシステムをつくりあげた。
    …ラットの神経活動の左のグラフをもう一度よく見てみよう。脳の活動は、迷路の始まり、仕切りが開く前のクリック音が聞こえたとき、そして最後にチョコレートを見つけたときに、もっとも活発化している。
    この大きく反応している部分で、脳は「いつ習慣に主導権を渡すか」「どの習慣を使うか」を決めている。
    たとえば仕切りのうしろにいるとき、自分がなじみのある迷路にいるのか、戸棚の中にいて外では猫が待ち受けているのか知るのは難しい。
    この不安に対応するため、脳はある一連の行動を始めるとき、多くの労力を使って、どの習慣を使うかを決めるためのヒント―きっかけ―を見つけようとする。
    もしクリック音が聞こえたら迷路を抜けるための習慣を使う。もしも猫の鳴き声が聞こえたら、違うパターンを選ぶ。そして行動の最期に報酬を手に入れると、脳はまた目覚めてすべてが予定通り運んだことを確かめる。

    ・クロード・ホプキンスは美しい歯を打ったわけではない。彼が売ったのは感覚だった。ひりひりするような、ひんやりした感覚を人々が求めるようになったからこそ、つまりその感覚を葉がきれいになったことととらえるようになったからこそ、歯磨きは習慣になったのだった。

    ・悪い習慣は完全には改められない。むしろ習慣を変えるには、前と同じきっかけで、前と同じ報酬を使いつつ、新しいルーチンを組み込むべきなのだ。

    ・意志力は単なるスキルではなく、筋肉のようなもの。腕や脚の筋肉と同じように、使えば使うほど消耗し、他のことをする力がなくなる。
    (焼きたてクッキーとラディッシュを並べて置いて、片方しか食べないように言う。半分はクッキー、半分はラディッシュ。5分経った後、食べ物の記憶が消えるまで、15分待って下さいと言い、その間に時間つぶしのためにパズルを解いているように言う。そのパズルは‘解けないように’できている。クッキーグループのパズルに取り組んだ時間の平均は19分、ラディッシュグループは8分だった。)

    ・意志力は鍛えられるのか。被験者を2ヵ月間運動プログラムに参加させ、ウェイトリフティング、筋肉トレーニング、有酸素運動などを行ってもらい、その量をどんどん増やした。するとほとんどの被験者がカウチポテト族だったにも関わらず、身体的な面だけでなく生活の別の面も健康になっていたのだ。ジムで過ごす時間が長くなると、飲酒、喫煙、カフェイン、ジャンクフードの摂取量も減った。家で仕事に取り組む時間が増え、テレビを見る時間も減った。また気分が落ち込むことも少なくなった。
    もしかして運動の成果であって、意志力と関係が無いのではないか?しかし、4ヶ月の「金銭管理プログラム」も「成績向上プログラム」も同様の効果があったのだ。
    「無理してでもジムに行ったり、宿題を始めたり、ハンバーガーでなくサラダを食べるようにすることは、自分の考えを変えることでもあるのです。そうすると人は自分の衝動をコントロールするのがうまくなります。誘惑から気をそらす方法を学ぶのです。そしてそれが決まった行動になると、脳もあなたが目標に向かってまっしぐらに進むのを助けるのがうまくなります」

    ・自制心を必要とする作業を頼まれたとき、それが自分自身の望みでもあるとき―自分で選んだと感じられる、あるいは誰かの役に立つ作業なので満足感が得られるなど―は、苦しいと感じる度合いが減ります。しかしただ命令に従っているなど、自分の意志がまったく反映されていない場合は、意志力の筋肉が消耗するスピードが速いのです。
    (実験者から実験の意義を説明され丁寧に協力をお願いされるのと、ただこうして下さいと説明だけするのでは集中力を保てる時間が異なる)
    …同じことがスターバックスにもあてはまる。現在、同社は従業員に、「決定権を持っていると感じさせること」を重視している。現場の社員に、エスプレッソマシンやレジをどのように配置すべきか尋ね、客へのあいさつの仕方や、商品をどこに並べるかを自分たちで決めさせる。ブレンダーをどこに置くか、店長と店員が何時間も議論するのは珍しくない。

    ・スロットマシンはニアミスが多く出るようにプログラムされている。また、ほぼすべてのスロットマシンに共通する細工としては、賭け手に「勝っている」と思わせるために、少額を払い戻すというものがある。
    (病的ギャンブラーは勝ったときに一般の人より賭けていなくても興奮しがちで、ニアミスの時も勝ちと同じように脳が興奮する。)

  • 面白く読みやすい。習慣についての脳科学?的な解説があって、そこのところはわかりやすい。習慣化された行動は、脳の処理の負担も少なく、きっかけを与えられると、ルーティーンで行動ができる。その先に報酬があって、それが習慣化につながる。これはネズミの学習とも同じ。
    企業や社会の習慣、これも変えるのが大変。要の習慣、キーハビットが重要。アルコアの例。
    商品も爆発的ヒットのために、習慣と報酬で解釈できるものもある。ファブリーズや歯磨き。
    習慣を変えるためには、
    ルーチンを特定する。報酬を変えてみる。きっかけを見つける。計画を立てる。報酬を変えながら、3つのことを書く。きっかけを見つけるために、場所、時間、心理状態、自分以外の人、直前の行動を記録する。

  • 「私達の生活はすべて、習慣の集まりにすぎない」―― ウィリアム・ジェームズ。
    毎日の人の行動の40%以上が、その場の決定ではなく習慣だという研究論文もあるという。

    本書は3部構成で、個人・組織・社会の習慣をそれぞれ分析している。各部において豊富で詳細な実例を紹介しつつ、習慣の仕組みについて掘り下げている。

    習慣とは、きっかけ→ルーチン(行動)→報酬というループから成り立っている。習慣を変えるのは楽ではないし、すぐにできるものでもない。しかし、習慣を変えることは可能である。――これが本書のメッセージだ。

    どんな場合にも利用できる魔法のような方法は存在しないが、「習慣の仕組みを理解する枠組み」と「枠組みを変えるための手引き」が付録として提供されている。これを使えば、どんな習慣でも変えられるだろう。

    最後に敢えて難点を挙げるとすれば……、こういう外国の自己啓発書にはありがちなことだが、事例の紹介がいちいち小説じみていて余計な(と思える)詳細にまで踏み込んでいるのはページ数を無駄に稼いでいるとしか思えない。また、幾つもの事例が並行して書かれているので、人によっては読解に苦労するかもしれない。

  • 個人の習慣、企業の習慣、社会的習慣について、その仕組みを事例と共に解説してくれている。超・良書だと思う。
    具体的な例があって、習慣が出来上がるまでの仕組みの解説が分かりやすい。行動の40%は習慣でできているそうなので、習慣をコントロールする術を身につけたら自分の行動、そして人生も自分でコントロールしやすくなる。

    とはいえ、習慣のループ「きっかけ→ルーチン→報酬」は理解できたのだけど、これを実際に見つけ出すのは結構難しそう。自分を実験台だと思って、観察して色々試してみる必要がある。でも、それを実際にやってみる価値はあると思う。変えたいと思っている行動は山ほどあるので。

  • 行動の4割以上が自分の意思で決定したものではなく習慣からくる行動だという。
    個人の生活の中での習慣、企業や組織の習慣そして社会の習慣。知れば知るほど人間とは面白いものだと思う。そして世の中は自分が思っているよりも非常に多くのことが習慣によって支配されコントロールされている。

    個人的な習慣は良いも悪いも自分のものだが、企業が個人の習慣を把握し利用するのは些か不快を伴う。と同時に知らなければ企業の思惑にまんまとハマるなと改めて思った。

    この本を読んでラッキーだったのは、ギャンブルにおける心理や賭博企業のプログラムがどのようになされるかを多少なりとも知れたこと。仕組みがわかればわざわざ手を出そうとは思わない。思わぬ副産物だった。

    悪い習慣を見極め、良い習慣へと変更させる。簡単なように見えて難しい。でも"変われると信じる"のを"習慣"にすれば変化は現実になる。それが習慣の力であり、つまりは"自分で選んだものである"となる。それに気付けるかどうか。らしい。
    結局自分の意思なのか習慣なのかどっちなんだい?って思ったが、2つが合わさって自分の行動になるのだろう。そしてそれを知った自分は、これからどんな習慣を目指し、どう行動していこう?

    習慣や行動が変われば、この言葉のようにきっと人生も変わるだろう。

    心が変われば行動が変わる
    行動が変われば習慣が変わる
    習慣が変われば人格が変わる
    人格が変われば運命が変わる
    運命が変われば人生が変わる
    by フレデリック・アミエル

  • 習慣は意識的に変える事が出来る。
    きっかけ→ルーチン→報酬を分析し、ルーチンだけを変える事は
    可能である。
    組織の習慣を変えるにはTOPの働きかけと、キーストーン・ハビット
    をまずは変える(作る)事が大切。

  • ・私達が毎日行っている選択は、よく考えた末の意思決定だと思えるかもしれないが、実はそうではない。それらは週間なのだ。
    ・ファブリーズが掃除のルーチンの最初ではなく、何かをきれいにする楽しみの一部で、掃除の最後に来るものだとしたら売れた
    ・運動を始めると食生活が向上し、さらに職場での生産性も上がる。
    ・小さな成功を収めると、また別の成功を得ようとする力が発動する。
    ・意志力は単なるスキルではなく、筋肉のようなもの。腕や脚の筋肉と同じように、使えば使うほど消耗し、他のことをする力がなくなってしまう。
    ・ピアノのレッスンやスポーツに参加させるのはセルフコントロールの訓練になる。

  • 習慣を変えるには新たな習慣に置き換える。
    ただし、どんな習慣に置き換えるかは重要かも。

  • 習慣の持つ力に当たり前と思いつつも、改めて驚く。習慣を変えるために、きっかけ・ルーチン・報酬に着目し、それを手探りでも良いから変えていくことで、習慣が変えられると説く。意志力は有限でかつ鍛えることができるというのも知ってみれば当たり前っぽいが、驚きであった。


    以下注目点
    ・人生には目標が必要だ。何かそこに向かって努力するものが。
    ・キーストーンハビット
    ・習慣は変えられる。
    ・すべては習慣の集まり
    ・悪い習慣の優先順位を下げる
    ・習慣の力で家にたどりつける。→自分にも経験あり
    ・欲求こそが習慣ループの原動力
    ・習慣が定着すると報酬を待ち望むようになる。→ファストフードやお菓子の食べ過ぎの意味か?
    ・脳が報酬を期待し始めて始めて、習慣化する。
    ・ひりひりしないと歯が綺麗になった気がしない。
    ・きっかけと報酬がわかれば習慣(ルーチン)は変えられる。
    ・順番を決めて繰り返し練習すれば早くなる。順番を変えてはいけない。
    ・意志力は筋力と同じ、使えば疲れるので休息しないと回復しないし、鍛えることもできる。


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著者プロフィール

「ニューヨーク・タイムズ」紙記者。1974年生まれ。イェール大学、ハーバード大学ビジネススクール卒業。ビジネス関連の記事を中心に執筆。これまでジェラルド・ローブ賞、ジョージ・ポーク賞ほか、ジャーナリズム関係の受賞歴多数。講演活動も積極的に行っている。著書に『習慣の力 The Power of Habit』(渡会圭子訳、講談社)。

「2017年 『あなたの生産性を上げる8つのアイディア』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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