ホテル・モーリス

  • 講談社 (2013年8月1日発売)
3.25
  • (7)
  • (39)
  • (61)
  • (17)
  • (2)
本棚登録 : 375
感想 : 50
サイトに貼り付ける

本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

本 ・本 / ISBN・EAN: 9784062185189

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 劇場型ミステリーと謳われていますが、シチュエーション・コメディのほうが近いかと。
    シットコムが好きだという方、特に、三谷幸喜監督の「THE 有頂天ホテル」やドラマ「王様のレストラン」あたりがお好きな方には、おススメです。

    勤めている叔父の会社から、期間限定でホテルの支配人として出向させられた准。
    出向の理由もワケありなのだけど、そのホテルもかなりのワケあり。
    かつては伝説のホテルマン「星野ボレロ」が完璧な仕切りで有名人も御用達の一流ホテルだったのだが、彼の突然の死により、現在は見る影もない寂れ具合。
    そこにつけこまれたのか、今のお得意さまはなんとギャング。
    慣れない支配人の仕事と毎日やって来るギャングに怯みながらも、ボレロの美しい未亡人るり子と、タイミングよく戻ってきたチーフコンシェルジュ(元殺し屋?!)の日野の手前、逃げ出すこともできず期間満了までの日々を過ごす。

    おもしろかったです。
    主人公は影が薄いのですが、他の登場人物がみんなキャラがたっていて多分に漫画チックではあるのだけど、非常に楽しい。
    そこにいてもいなくてもボレロさんが最強すぎ。ボレロ無双です。そりゃ伝説にもなるってもんです。
    いろんな勘違いや行き違いがほどけてつながっていき、勧善懲悪のような大団円に胸がすく。
    ひとつ残っている勘違いを主人公が知る日が来るのも近い……かな?
    その辺りも含め、シリーズは無理でも、もう一作くらい続編が読みたい!
    (※ネタバレしないように、主人公が勘違いしている部分はそのまま書いております。)


    ・・・余談・・・
    ひとつ気になる点が。
    えーとアシダカ軍曹は網を張りませんよね?
    虫はニガテですが、軍曹は別。あまり出会いたくないけれどー。

  • 偶然にも続けてホテル物…。
    前支配人が亡くなり、副支配人がヘッドハンティングで従業員の大半を連れて出てしまい経営が傾きに傾いているホテル・モーリス。毎日ギャングが泊まりにくるという物騒なオマケ付き。そのホテルに支配人として派遣され、なんとか立ち直らせようとするストーリー。
    ギャングを相手に立ち回るコメディーのようだが、意外に様々な登場人物の人間関係がしっかりしていて面白かった。文中に出てくる、ホテルを舞台にした映画やラヴェルの音楽を思い浮かべつつ読むのもまた楽しい。映画化したら三谷作品が似合いそう!

  • ギャングが出てくるホテルの話。
    どんどん引き込まれていったけど、途中から時系列といろんな登場人物が出てきてよくわからなくなってしまった。
    まさか生きていたとは…!

  • かつては高級リゾート、しかし今や経営が傾き、ギャングたちの定宿になってしまった取り潰し一歩手前のホテル。
    そこに急きょ支配人として派遣されることになった主人公と、従業員や宿泊客が巻き起こす様々な事件を描いた連作短編集です。

    黒猫シリーズに比べると、ドタバタと騒がしい印象なのだけれど、どこか品があるように感じられるのはやっぱり高級リゾートホテルが舞台だからなのかしら。
    各短編に、ホテルを舞台にした有名な映画が登場することもその理由かもしれません。
    が、私はどの映画も観たことがないのでした…残念。

    ホテルの雰囲気とギャングという言葉のせいか、醸し出されるレトロかつポップな昭和っぽい色彩が好みでした。

  • 漫画みたい。荒唐無稽、という言葉がぴったりな感じ。あるいは、はちゃめちゃ?

  • 図書館にて借りる、第269弾。
    (神戸市図書館にて借りる、第78弾。)

    面白かったとは言い難い。
    人物の心理描写が嘘臭いというか、薄っぺらい感じが終始気に障る。

    1秒で酔うとかもあり得な過ぎて、楽しめない。

    何だか残念な作品だった。

  • スケールが……!でかい……!
    ホテルにギャングがやって来て、支配人の主人公はどうするかっていうのがざっくりしたあらすじ。
    話としては十分に理解できてないまま読み終わってしまった気がする。映像化したら華やかになるだろうなってシーンが盛りだくさんだった。
    装丁が好み。

  • まさか、ボレロが生きていたとは。
    それは予想してなかった。

    叔父さんが粛清され、ギャング抗争は勃発せず、平和に大団円。
    あとは支配人とるり子さんの恋物語かな。

    一流のおもてなしをしてくれるホテルに泊まりたくなった。

  • すごくつまらない

  • ふわふわして掴み所のない雰囲気だった。遠くから登場人物たちが演じる劇中劇を観ているような、現実味のない不思議な距離を感じた。仕掛けもあったらしいと気付いただけで全くわからなくて、上手く受け取って読めなかった。独特さは面白いと言えば言えたけれど、合わなかったのかな。

全50件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1979年、静岡県浜松市生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。日本大学大学院芸術学研究科博士前期課程修了。ライターとして漫画脚本などを手掛けながら小説の執筆活動を続け、『黒猫の遊歩あるいは美学講義』で第1回アガサ・クリスティー賞を受賞(早川書房刊)。同作は続刊も刊行され、「黒猫シリーズ」として人気を博している。ほか、『名無しの蝶は、まだ酔わない』(角川書店)の「花酔いロジックシリーズ」、『ホテル・モーリス』(講談社)、『偽恋愛小説家』(朝日新聞出版)、『かぜまち美術館の謎便り』(新潮社)などがある。

「2021年 『使徒の聖域』 で使われていた紹介文から引用しています。」

森晶麿の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×