画本 風の又三郎

  • 講談社
4.18
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本棚登録 : 77
感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (60ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062185738

作品紹介・あらすじ

秋の風とともにやってきた転校生又三郎と少年たちのみずみずしい交流を描いた宮沢賢治の名作を、藤城清治の影絵が詩情豊かに表現。

感想・レビュー・書評

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  • 宮沢賢治『風の又三郎』から18場面を藤城清治の影絵で表現した画本。『風の又三郎』の文章は抜粋と成っている。
     転校してきた高田三郎(風の又三郎)の真っ赤な髪がもう印象的で!
     その又三郎が歩くと起こる旋風。
     放し飼いにされた馬たちと子供たちの幻想的な土手。
     雨はざっこざっこ、かぜはどっこどっこの中を進む又三郎。
     そして「どっどどどどうど どどうどどどう」の大嵐!

    藤城清治のデッサンも収録され、あとがきでは藤城清治が影絵に進んだことや宮沢賢治童話との出会い、影絵の作り方が語られる。
    藤城清治の語る宮沢賢治は「ひらめきがあり、祈りがあり、光と影に通じ、モダンでユーモラス」という。そして影絵に向かい合う姿が「四つに組んで真正面から勝負」の真剣勝負の言葉。

    迫力のある画集です。

  • ◆風、光、霧が見える。柔らかな草、流れる水、ガタガタ震えるガラス窓。それから、牧歌的な景色に調和しない又三郎の挑戦的な赤。さすが。
    ◆光と影の魔術師、藤城清治が妥協することなく時間をかけて自ら削り出した風の又三郎の世界に息を飲むばかり。美術館で観てみたいなぁ!
    ◆画本であって絵本ではなく、18場面の影絵に下絵と原文の断片、あらすじが添えてある。あとがきでは、藤城青年がどのようにこの道に入ってきたかが生き生きと記され興味深い。そして作者近影。先生、それ無理やり愛猫中心に写すようにワガママ言ったでしょ⁈(笑)
    【2014/02/06】

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「ワガママ言ったでしょ⁈(笑)」
      NHK日曜美術館の特集でも、のさばってましたねぇ
      「ワガママ言ったでしょ⁈(笑)」
      NHK日曜美術館の特集でも、のさばってましたねぇ
      2014/04/18
  • NHKで製作風景を観たので、出版されるのを楽しみにしてました。
    カミソリの刃で切りだされる影絵の美しさ、力強さも味わえます。

  • 藤城清治 ファンタジー展 光の贈りもの|イベント| 大阪文化館・天保山
    開催日:2013年9月14日(土)~11月24日(日)
    会場:大阪文化館・天保山 (海遊館となり)
    開館時間:午前10時~午後6時まで(入館は閉館の30分まで)/会期中無休
    観覧料:一般1,500円、大学・高校生1,300円、小・中学生800円
    http://www.ktv.jp/fujishiro/index.html

    影絵作家・藤城清治 89歳の“風の又三郎”|NHK 日曜美術館
    http://www.nhk.or.jp/nichibi/weekly/2013/0825/index.html

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    「秋の風とともにやってきた転校生又三郎と、少年たちのみずみずしい交流を描いた宮沢賢治の名作。藤城清治の影絵が鮮やかに彩ります。」

  • 著者90才の時の渾身の力作。
    想いのこめられた18枚の結晶。

  • 絵がとてもステキで、文字が少ないんですが、お話が、「絵だけでも、わかるんだなー」と思いました。

  • 僕的には、物語がよく読み取れなかった。でも、影絵はすごかった。

  • 2015年9月13日

    DTP作業/望月志保

  • 制作の様子を特集したTVを見て、出版されるのを待ってました。

    すごいなぁ。
    カミソリの刃一つで、ここまで表現してしまう。

    刻むように、区切るように、人を、生き物を、風景を浮かび上がらせていく。

    『風の又三郎』の中からピックアップされた場面を描いた1冊。原作と合わせて味わいたい。

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著者プロフィール

1924年東京に生まれる。慶應義塾大学経済学部卒業。12歳から油絵を始め、独立美術協会展、新制作派展に入選。名編集者の花森安治に認められ、雑誌「暮しの手帖」に影絵を連載。また影絵劇団・木馬座の上演、展覧会の開催など多彩な活動を続ける。1983年には本作『銀河鉄道の夜』(原作・宮沢賢治 講談社)で、BIB金のりんご賞を受賞。紫綬褒章、勲四等旭日小綬章など多数の受章、受賞歴がある。
著書に『セロ弾きのゴーシュ』『画本 風の又三郎』(ともに原作・宮沢賢治)、『ぶどう酒びんのふしぎな旅』(原作・アンデルセン 訳・町田仁)、『絵本マボロシの鳥』(原作、文・太田光)、『藤城清治の旅する影絵 日本』『ブーちゃん』『藤城清治 影絵の絵本 グリム』『藤城清治 影絵の絵本 アンデルセン』(以上すべて講談社)などがある。

「2022年 『新装版 銀河鉄道の夜』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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