幸せすぎるおんなたち

著者 :
  • 講談社
3.26
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本棚登録 : 62
レビュー : 20
  • Amazon.co.jp ・本 (258ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062185776

作品紹介・あらすじ

夫と二人で暮らしながら、虐げられる隣家の老犬トウマに想いを馳せる三十歳の蒼子。
県が主催するお見合いパーティーでX県の男性と知り合い、嫁いだ絵里花。
「遊んでいる」と後ろ指を指されることに苛立ちながらハンドルを握る専業主婦の穂菜美。
正社員として働くため結婚三年目にしてIターンを決意した紫陽子。
行方不明の幼なじみを訪ねて、妊婦の身で夫の単身赴任先に同行した心葉。

「住んで良かった」「持ち家率」「子育て環境」「女性の働きやすさ」「健康長寿」全ランキングで燦然とトップに輝くX県。しかし、そこに暮らす女性たちは、ひたひたと闇に呑み込まれていく。一体なぜ? 怖いけれど止められない、女性の胸打つ悲しき連作ホラー小説。

感想・レビュー・書評

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  • 舞台は、一応、X県とはなっていますが…、
    ズバリ!「福井県」のことでありますな~。

    みなさんの感想を読むと、作者さんの意図されたとおり、
    X県民の言動やお話には、嫌悪感なども感じられており、
    同郷の者としては、結構、残念なところではありますが、
    デフォルメされた県民像やその言動、そして、お話には、
    ベースに、同郷の者でしかわからなぃあるある感があり、
    そもそも、作者さんも、同郷の方でありまして、
    ある意味、自虐的なお話に、ニヤリともしちゃいました。

    たぶん、福井県にお住まいの、もしくは出身の、
    アラサー、アラフォー女性には、ツボに入るのでは…??

    最後に、読者の皆様に、一言だけ…。
    この小説は、ホラー作家さんによるブラックジョークです。

  • 日本一幸福な県・X県。そこでは女性の就業率が高く、子育て支援が充実し、子供たちの学力も全国トップレベル。ここに住めば確実に幸せになれる、といわれているのだけれど。
    ……こんな幸せ、いらない。
    数々の「実績」のからくりに唖然。働く女性たちの実態に愕然。旧弊な価値観の押し付けは、鬱陶しいレベルを超えてむしろ恐怖。それでも「幸せ」を謳歌する彼女たち……うわあ、ぜんっぜん羨ましくない!
    確実に、日本一住みたくない県ですX県。とんでもなくホラーな作品でした。

  • 雀野さん初読み。こういう筆を走らせる作家さん初めて。仮想の地方都市X県に移住し、家庭を持つことになった女性数名の眼からのオムニバス。次第に彼女たちの関わりが見えてくる。途中からおそらくあの県がモデルだろうなと感づきつつも、それは形や程度を変えて、地方によくある「シアワセ」の形への絶対的信奉に対するアイロニーと読む。一種爽快感すら感じるのは私も閉塞的な価値観に今なお縛られる某地方出身だから。これでもか、これでもかとブラックユーモアで描かれるシアワセの形への執着。こんなに書いちゃって大丈夫?面白かった!

  • 住んで良かったランキング、女性の働きやすさランキング、持ち家率に育児環境、健康寿命と魅力的なランキングで堂々の全国1位を謳う、日本一幸福なX県。
    そこで生まれ育った主婦の日常から始まる短編連作集です。転勤、移住など当地に越してきた女達へと話は続きます。

    タイトルの“幸せ”とは裏腹に老犬を罵倒するシーンから始まる。なにかおかしいぞ…?
    当惑する読者をよそに繰り広げられるのはX県特有の常識で、単に田舎だからとは言い切れない、滑稽だが恐ろしい、常識外れの常識。
    郷に入れば郷に従え…勿論それも分かるんだけど到底受け入れられない事はどうすればいいのか。孤立覚悟で闘う?私なら確実に逃げますね。
    女の幸せを問う話ですが、ある意味ホラーだと思う。

  • 日本海側のX県に、それぞれの事情で住むことになった主婦たちの連作短編。

    不気味で、嫌な感じが常に漂うお話でした。
    X県は、特定される県で、著者の出身地のようですが、あんな感じなのでしょうか。
    思わず色々調べてしまいましたが(苦笑)

    我が家にも犬がいるので、一話のトウマの話は辛かった。
    婚活でお嫁に来た話「おいでおいで」は、救いがあり悪くなかったです。
    最後の全てを拾った話「しあわせの始まり」のラストは完全にホラーですね。

    なんだかんだいいながら、一気読み。嫌いではなかったです。

  • 20160715リクエスト 仮受
    これ福井県?あり得ないことが地元住民には当たり前で、よそ者には馴染めない。こんなところ、ぜーったいにイヤ。
    でも今すんでるオットの地元も似たようなものかも。あり得ない風習が普通にあるし。
    違和感をわすれないでいたい。

  • 狭い教室を思わせる圧迫感を感じて息苦しい。そこの掟に馴染んで生きる心地良さもあるのかなぁ。

  • 2013/10

  • ううう。読んでてめっちゃ嫌でした・・・。
    表紙の絵も、読んでから眺めるとめっちゃ怖いしー(泣)。
    一話目で早くも挫折しそうになりつつ、頑張って読んだけど
    読まなきゃよかったです・・・。
    これってF県のことかなあ・・・と思ったらそうだったんですね。昔、少し関わりがあったので「ああ。」って。。
    まあ、うちの田舎も似たようなもんですが。
    男性上位なのは男にはサイコーでしょうが、女には地獄ですね。。

  • 隣の奥さんのイビリに苦労する蒼子、地元の風習に絶句する絵里花、小学生のわざとらしい自動車事故ゲームに苦慮する穂菜美、夫婦で地元に移住してきた漆原夫妻、おせっかいなママさんに悩まされる心菜.第6話でこれらの県外組が打ち解け合う話だ.

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著者プロフィール

1975年生まれ。福井県出身。2007年に「あちん」で『幽』怪談文学賞短編部門大賞を受賞、08年に同作でデビュー。2008年に「トンコ」で第15回日本ホラー小説大賞短編賞受賞。他の著書に、『太陽おばば』(双葉社)、『終末の鳥人間』(光文社)などがある。

「2013年 『幸せすぎるおんなたち』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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